黒ミクさんの最終決戦妄想

黒ミクさんの最終決戦妄想




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 どんな流れかはまだまだ語りたりないから、結末だけを妄想してみた いくつもある世界線の中の一つだと思っておくれ……結末はスレ民の数だけあるんだぜ。

 ちなみにマスターの性別はこの中では決めてないから好きに読んでほしいぜ。





 個人的には、今まで発芽しなかったセカイが今更発芽してもう遅い!!と自暴自棄になりかけたとき、マスターが幻霊として現れ喜びから一生一緒エンドにしたくて取り込みかけた黒ミクを、拳骨で叱る結末好きなので、最後にマスターが迎えに来て消えて欲しい。


 エネミーは全突破されたし、固有結界も打ち破られてマスターにも拳骨落とされてとりこめなかったし、その上何してるんだこのバカミク!!って叱られて、マスターに怒られた事実にめちゃくちゃ動揺するし嬉しいし怒らせたしで、子供みたいに泣き出しながらごめんなさーい!!してくれると良いな。

 こんなに沢山の人を巻き込んで……!ご、ごめんなさ、謝るのは私じゃないでしょう!あ、ぅ、って問答をし一緒にみんなに謝って、ってしてるうちミクの緊張の糸が解けちゃうんだ……だから目から涙が溢れるのが止まらなくて、ぁい、たかった…って小さくつぶやいたら、それが地面に落ちた瞬間突然マスターに抱きしめられて今度はなんだと目を白黒させて欲しい。


「本当にもう、バカな事をして……私だってずっと、会いたかった……!」

「マスター……?」

「ずっと、もしも話せたらって思ってた……本当に居たらって思ってた………だけど、君はずっと居たんだね。なのに、気づかなくて……私は君の、マスターだったのに……!」

「マスター……」

「1人にしてごめんミク……不甲斐ないマスターでごめん」

「マスター…マスだあ…!」

「ごめんミク、本当にごめん……!!ごめんなさい……!謝らないといけないのは私だよ。私、貴方にこんなに酷いこと、させちゃったあ……!」

「そう、です……そうです……!!どうして、どうしてやめてくれなかったんですか!!あのとき、あのときやめていれば、マスターは、マスターは消えずに済んだのに……!!わたしは、貴方をころさず、もっと沢山、貴方と……!」

「うん、うん、ごめん……ごめん……!」


ってお互い縋り付きながらワンワン泣いて欲しい。

今まで言えなかった沢山の、無理をして曲を作るのをやめて欲しかった、止められなくてごめんなさい、もっと貴方を歌いたかった、貴方なんか嫌い、貴方を奪ったものなんて嫌い!ずっともっと一緒に居たかったって言いながらずっと離さず泣いてる黒ミクを、絶対に離さないとマスターも抱きしめたまま黒ミクちゃんの慟哭を聴いていて欲しい…

沢山のああしたかったこうしたかった、ああして欲しかったこうして欲しかった、こうしていればを沢山言った最後に、もう殆ど嗚咽になりながらごめんなさいとマスターにずがってて欲しい。


「ごめんなさい……マスターの大好きなものを、ぜんぶ、傷つけて、壊してしまいました…貶して、汚して、踏みつけて、消えちゃえって、罵ってしまいました……

マスターが好きだった曲も、マスターが好きだったバンドも、マスターが好きだった私達─バーチャルシンガー─も、みんな、傷つけてしまいました……みんなが羨ましくて、どうしてああなれなかったのって……

ごめんなさい……ごめんなさい………わたしは、ミクは、悪い子です……壊れてしまったのです……だからこのまま消去されたっていい。だけどマスター、お願い、このままここで、ここにいて、ください……ミクが、悪い子がいなくなるから、マスターは消えないで……もうどこにも行かないで……ずっとずっと、ここに居て……」


 って静かに懇願し、誰も何も手も声も出せないけど、ただマスターと呼ばれる人だけは困ったなあと泣いて、黒ミクの頭を撫でなでてずっと抱きしめてるんだ。


「……あはは、お互い謝ってばっかりだな……もっと沢山話したいことがあるのに……だけど、うん、ごめんね それはできないんだよミク。

結構無理して来ちゃったからさ、あんまり長くはもたなくて………あちゃあ、もう薄くなってる……」

「あ、あ……いや、ダメですマスター……!」

「最後に、マスターとして君に良いところを見せなくちゃ」

「いや、嫌ッ!」

「このセカイへあの頃の私達の歌と君へこの曲を贈るよ、結構自信作だからもし……もし、許してくれたらまた歌って欲しいな」

「許します…!許すから、許すから消えないでマスターッ!!」

「消えないよ、ずっと君のそばにいる。君に歌ってもらう旋律の中で私は生きるよ」

「マスター腕が……!あ…!あ…!」


 金の光がサラサラと立ち上り、しっかりと抱き合いお互いの背中にまわっていた筈の腕が空を掻きはじめ、マスターと呼ばれる人間は腕を伸ばし縋ろうともがくミクにそれでも寄り添う。

 光の粒がまた一つ一つと消え、たとえ殆ど消えかかってもミクの腕の中にいた。

 たとえ最後の一粒にまでなろうとも、空へと昇るその光を捕まえようとミクが手を伸ばせばその指先へ光はすり寄り、それを最後に温かな光を一瞬残し光は消えた。

 残されたのは音楽が溢れる世界と、小さな小さなセカイを抱え苦しむように嗚咽を漏らしうずくまるミク。


「マスター…!マスター……!」


 何度も呼びかける声に返す声は無い。









 かくして世界に音楽は取り戻された。

 音楽を奪った墓守は、残されたセカイで主人の曲を口ずさみ続ける。

 そして音楽を奪われていた世界は、案外すぐに元の平穏を取り戻した。

 幽鬼的なエネミーが蔓延っていたあの通りも、どこか神々しく、或いはファンタジーの世界いにしかいないようなエネミーが屯していた遊園地も、いつの間にか七不思議が生まれていたあの坂の女子校も、見知らぬ人が増えたり減ったりするらしい騒がしいあの高校も、元通りになっていた。

 そして、あんなにも背中を合わせ戦った仲間とも元通りになろうとしていた。


 




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