黄衣のキャスター
穂乃果 side in
同盟相手の家に行ったら朝っぱらから大胆に抱き合っている様を見せつけられた私の心境を答えよ
正解は「クソッタレ」だ
「…で?朝っぱらからお盛んなお二人は何をなさっているのかしら」
二人はぴしりと固まっていたのだが声をかけたことでライダーが顔を真っ赤にして離れていった。
「とりあえず報告したいことがいくつかあるからいいかしら?」
「は、はい!ただいまお茶を入れさせていただきます!」
真っ赤な顔をしたライダーがお茶を入れにドタバタとキッチンの方へ向かっていく。
未だに動けていない隼人に向かって生ゴミを漁っていたカラスに向けるような視線を向けながら
「…変態」
多少反省した方がいい、阿呆じゃないの
───
ライダーの入れてくれたお茶を呑みながら話を切り出す。
「ひとまずセイバーのマスターの手記から確認できた情報として私たちの益になるものは、キャスターのマスターの陣、キャスターの真名の予想、アーチャーのマスターについて、ランサーのマスターとその拠点、だいたい書いてあるわ」
「…マジで?」
有り得ないものを聞いた表情をした隼人が返してくる
「本当よ、しかも私達の持つ情報と照らし合わせてみたけど信憑性は高い」
ぶっちゃけ棚ぼたにも程がある、なんかの仕掛けなんじゃないかと思うぐらいには他の陣営に関するあらゆる情報が書かれている。
これさえあれば残りの三騎相手にも優位に立ち回れるだろう。
「特にまだ見ぬキャスターの情報があったのは僥倖だったわ」
「それはそうだな…とりあえずキャスターについて教えてくれ」
「わかったわ、マスターはこの地を管理しているセカンドオーナー・土御門幹久、年齢は58」
「…葬式の時に見た気がすんな」
「この街に住む魔術師達を管理しているんだものあったことは1回はあるはずよ」
「なるほどな、でそのサーヴァントは?」
「サーヴァントはキャスター、見た目見た目や使い魔の形状からおそらく中国関連の英霊だと推測、使い魔に黄巾…黄色の布ね、が使用されていた事からおそらく"張角"と予想しているわ」
「張角…確か黄巾の乱を起こした指導者だったか?」
「ええ、そして魔術世界では南華老仙から術をさずけられた導師として語られているわ」
南華老仙…仙人のひとりだったか。仙人は世界とほぼ同一化しているとんでもねぇ連中って話だったか…?そんな連中から術を授かったってとんでもないんじゃ…
「まぁぶっちゃけた話、知名度で言えば貴方のライダーの方が高いし低めとはいえ対魔力もある、数で押されたければ平気よ」
随分ぶっちゃけたな…
穂乃果 side out