麦×あに。

麦×あに。


※原作一味と仲良くしてもらいました。あにわらスレのどっかにあった概念を勝手に拝借したものです。時系列はそれぞれエッグヘッド島編直前(原作)、キング奪還編後(あにわら)とします。

※組み合わせに関しては下記のあみだくじサイトで決定しました。その方が作者が勝手に決めるよりかは面白いと思いまして・・・・・・

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vol.1「導いてきた者として」 (機械仕掛けの恐竜と太陽神)


「ここは・・・夢にしてはリアルだな」

「・・・・・・おーい、皆ぁー・・・・・・おっかしいな、彼奴らどこいったんだ」

「・・・む?ルフィか」

「ん?あ、お前、カイドウの城にいた・・・・」

「良かった、無事だったのか!それで、他の皆は」

「見つからねぇんだよ、一緒に探してくれよ」

「当然だ」

「ホントか!有り難うな、やっぱお前良い奴だな」

「う~ん、どこ見ても同じだな」

「地平線だけ、か」

「そういやさ、お前あの後どうしてたんだ?」

「どうした、とは?」

「だってよ、おれ達がワの国から出た後、残ってた奴等のこと何もわかんねぇし」

「・・・何を言っている?俺も船にいたぞ」

「え、乗ってるのか?!すげぇな、キャロットやトラ男みてぇだ」

「当たり前だろう、ドラム王国の時からずっと一緒だ・・・いや、一度別れはしたが」

「え?ドラム王国って・・・あのチョッパーと出会ったあそこか?お前いたっけ?」

「・・・「黒ひげ海賊団」に関する調査で来ていた・・・この話、したはずだが」

「?」

「?」

「成程、つまり」

「お前はおれ達の知らないドレ男で」

「お前は俺の知らない世界線のモンキー・D・ルフィ、か。・・・待て、ドレ男とはなんだ」

「へー・・・・不思議なことも起きるもんだな。なぁ、そっちのおれはどんな感じなんだ?」

「・・・怪しんだりはしないのか?」

「こっちのドレ男は悪い奴じゃなかった。だから大丈夫だ!」

「全く同じ存在ではないのだが」

「でも一緒に探してくれたじゃねぇか!友達だ!」

「認定が早いな」

「それで、そっちのおれも元気にしてるのか?」

「あぁ、お前のように・・・いつも溌剌としている」

「あ、でもそっちではお前が仲間なんだろ?じゃ、メンバーも変わってるのか」

「恐らくそのようだ」

「ゾロはいるのか?」

「いるな」

「やっぱ仲間になってくれたんだな!・・・ナミは?」

「・・・こちらでは、彼女とはココヤシ村で別れたと聞いた」

「え”ぇ~?!じゃ、じゃ航海士はどうしてたんだ?!ナミは元気なのか?」

「どうやら、その時に彼女からノウハウを教えて貰った、と言っていた。だから航海に関しては問題は無い。彼女からも、時折ニュース・クーに運ばせて手紙が来る。無事に暮らしているようだ」

「良かった~」

「しかし凄ぇメンツだな!トラ男も仲間なのか!」

「トラファルガーとは、共にドラム王国から船に乗った。そこからの縁だ」

「・・・そっちのおれも変わらなさそうだな」

「別世界線故に違いもあるが、やはり本質は一緒なのだろう」

「ドレ男も、皆も、幸せそうだ。おれ、安心したよ」

「・・・・・・」

「皆、いつもおれを船長として支えてくれるんだ。剣術もできねぇ、航海術もしらねぇ、料理も、音楽も、何もできないけど、それでもおれを「船長」と認めてくれてるんだ」

「そう、か・・・」

「でもさ、たまーに不安になるんだ。ホントにおれで良いのか、って。勿論おれは船長でいたいよ、それでも・・・」

「それでも、あの時みたいに、おれが弱くて、守れなかったりなんて・・・たまに思い出しちまうんだ」

「だからさ、ドレ男の話聞いてさ、何か安心したよ。ちゃんとできてるんだなって」

「・・・そちらはどうなのかは知らないが、俺も、昔は海軍にいた。小隊を率い、仲間と共に任務を遂げ、そして日々を分かち合った」

「そんなある日のことだ。敵の罠にかかってしまい、全滅してしまう所まで追い詰められてしまった」

「そんな中、部下の1人が俺に言った」


-私、ドレーク大尉の部下で、良かったです。大尉、生きてください。


「そう言った部下は、囮となって敵中に行ってしまった。結局、俺以外は基地に帰ることはできなかった」

「それからしばらくは、俺は自らを呪い、恨んだ。あの時こうしておけば、こうしていなければ、と様々なことに取り憑かれていた」

「それきり、俺は余り小隊を組むことを拒んできた。命令を除き、できる限りは人を巻き込まないように、自らの力で何とかしてきた。それでもついてきてくれる者もそれなりにはいたが、俺は彼等も頼ることはできなかった」

「ふーん」

「・・・話聞いてるか?」

「だからこそ、お前は船長として認められているのだろうな」

「え?」

「お前は、仲間を素直に頼ることができる。何もできなくとも、頼れる仲間がいる。それに気づいているかどうかだ。お前の仲間も、自らを必要としてくれているからついて行こうとするのだろう」

「そうなのか?彼奴ら、そんなこと一言も言わないから分かんねぇんだよな」

「分からなくとも、彼等の行動が何よりの証左だ。そこは見てきただろう」

「そうか・・・そうだよな。有り難うな、ドレ男」

「違和感しかないな、その呼ばれ方は」





vol.2「真実を求める者として」 (探求の意志を継いだ才女と国を逐われた神官)


「あら、貴方は」

「君は・・・久しぶりだな、アラバスタ以来か」

「そうね」

「・・・随分と余所余所しくないか?何かあったのか」

「貴方、一番の当事者じゃない」

「確かにそうだ。でも、私は今更過去のことを持ち出すようなことはしないさ。それに、君には世話になった。「歴史の本文」の読み方を教えてくれたじゃないか」

「・・・・そんなこと、したかしら?」

「そうなのね、貴方は別世界から来たのね」

「そして、私達以外は出てこないようだ」

「確かに、他の気配は感じないわ」

「しかし、安心した。君はそちらでも楽しんでいるようだ」

「頼れる仲間がいるのよ、貴方と同じ」

「おや、君も海賊なのか」

「そ。しかも、同じ船長」

「これが運命というものか・・・」

「1つ、聞きたいことがあるのだけど」

「何かね?」

「そっちの私は、何をしているの?」

「大体は同じだ。顔ぶれは違うがね」

「君は「麦わらの一味」には入ってはいないが・・・ルフィの親友と共にいる。ようやく、安息を見出したようだ」

「ルフィについていかなかったのなら、それまでは・・・・・・」

「クロコダイルにつけられた傷が深くてな。しばらく、アラバスタにて保護させて貰った。その後はドレスローザにて革命軍として再開し、そこからは海賊になった」

「そうなのね・・・本当に貴方達の国には迷惑をかけてしまったわね」

「・・・そうだな。あの陰謀によって、我が愛する祖国は踏みにじられた。国民の多くも欺され、死んだ。と言っても、我々もすっかり手のひらを返しているから余り大口は叩けないが」

「・・・・・・」

「君もその一派だった。それは覆しようのない事実」

「でも、今となっては気持ちも少しだが、分かるのだ」

「分かる・・・?」

「探究心さ。一度見てしまったら、知ってしまったら、真相を掴むまでは気になって仕方ない。手がかりを探したくなってたまらない。私が国家に従事していた頃はそのようなことは考えもしなかった」

「にわかにその存在を信じられなかった空島で、微かながら「歴史の本文」を読むことができた時、私はこの興奮を無視することはできなかった。学者になるつもりはなかったのだがな、素質はあるらしい」

「君も同じように、自らの力で隠された秘密を知りたかったのだろう?そのためには、手段を選ばなかった。確かに積みを帳消しにはいかないが、私もまた同じ穴の狢になった訳だ」

「・・・有り難う」

「何、礼を言う必要はない。・・・私も少し、良いかね?」

「?」

「私の原動力は新鮮な好奇心だった。では、君を動かす源とは何なのだ?」

「・・・・・・」

「あ、いや、答えにくいのなら無理をしなくとも・・・」

「フフ、大丈夫よ」

「私は、故郷から意志を受け継いでいるの。皆が創り、母が繋ぎ、恩人が護った道を、歩んでいきたいの。それが「歴史の本文」の解読という形となった」

「・・・そうだったのか。軽率に聞いてしまって申し訳ない」

「気にしないで。私は、この意志を受け継ぐことができて、誇りに思っているから」

「そうか・・・きっとその方らは、君のことを愛していたのだろうな。これ程の大事業を任せたくらいなのだから」

「えぇ、本当に良い人達だった。今もそう。私は、一杯の縁に恵まれているわ」

「・・・随分と時間が経ったな」

「そうね、そろそろ夜明けかしら」

「何か知っているのか・・・いや、以前にもここに誰か来たのだな」

「ルフィが言っていたの。夢の中で別のドレ男って言う人にあったって。凄く優しい人だったと」

「ウチも同じだ。彼も不思議そうにしていてね。その日は船長に何度も尋ねていたよ」

「別の世界と繋がることなんて、考えられないから」

「似たような経験なら、1つあるのだがね」

「あら、そこも一緒なのね。・・・そろそろお別れね」

「あぁ、また会えた時は、答え合わせでもしよう」

「有り難う。貴方も、頑張って」

「君も、仲間達と楽しんできてくれ。また会おう」


(続く)



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