麦×あに×。5

麦×あに×。5


これで終わり。それなりにキャラエミュの練習にもなりました。ここまで読んでくれた方々には歓喜の極み。非常に感謝。



前回までの組み合わせ

①ドレークとルフィ、チャカとロビン

②サンジとナミ、ルフィとチョッパー

③ローとサンジ、カイドウとウソップ

④ドラゴンとジンベエ、キングとブルック


Vol.9「頼れる兄貴分とは」(どんと構える副船長と皆と共に征くサイボーグ)


「・・・・今度は俺か。聞いただけで解明しろとか無茶じゃねぇか?」

「ん~?」

「・・・・来たか」

「この俺の相手は誰になるのかと思ったら・・・これまたスゥ~パァ~なゲストじゃねぇか!」

「フランキー、久しぶりだな・・・サニーの件では大分世話になった」

「いや、あれは俺にも非があったからな、当然の仕上げよ。どうだい、良い船だろう?」

「まぁな。デカい奴2人乗せてもびくともしねぇ」

「気に入って貰えたなら良かったぜ」

「しっかし、どうだ?そっちでは何か分かったか?」

「アー・・・どっかで見たことある風景って皆が言ってたな。昨日はブルックが願ったものが出てくると」

「願ったもの?」

「あぁ。本格的なティーセットだとよ」

「茶か・・・それも悪くはねぇが」

「やっぱ一番のドリンクといえば」

『酒だろ/コーラだな』

「・・・・これ葡萄酒じゃねぇか、珍しいのが出てきたな」

「アウ!懐かしいぜこのメーカー、ガキの頃はよく飲んでた!」

「へぇ、悪くはないなこの味も」

「しっかし、何故ワインなんだろうな?お前の言う酒なら・・・・」

「あぁ、清酒だが・・・・ここの夢を作った奴が知らなかったんだろ」

「じゃ犯人はお前じゃねぇな」

「どういうことだよ」

「いやな、こっちの船での話だが、一番寝てるお前が怪しんじゃないかという珍説が・・・」

「酷ぇ仮説だな」

「フランキー、お前の方の一味ってのはどんななんだ」

「あー、確かにメンバーが変わってるだろうからな、ただ毎日騒がしいのは同じだと思うぜ」

「どうやら俺とルフィとぐる眉は同じで・・・・」

「ナミ、ロビン、チョッパー、ウソップ、ジンベエ、ブルック、そして俺・・・だな」

「若いのが多いな。ウチは大人ばかりだ」

「いや、ブルックが平均年齢を底上げしてるから多分同じくらいじゃね」

「あぁ・・・成程」

「そっちはどうなんだ?」

「俺含め3人は同じとして、モネ、ロー、ドレーク、キング、チャカ、カイドウ、そしてドラゴン・・・パンクハザードの実験で生まれた龍だ」

「見事に敵や他船の奴ばかりだな!そんな奴等を仲間にするなんて俺達の船長はやはりクレイジーだぜ」

「といっても、騒がしいのは変わらねぇだろうな。一見大人びてる奴が多いが仲間内になるとすぐにはしゃぎ出す」

「大変だろう・・・子守」

「お前身内のことそう思ってたのか。てかお前もトラブルの原因になってる方だろ」

「手厳しいぜオイ」

「あいつらは毎日元気だからな、話題に事欠かない」

「あー、そうだな」

「この前はサンジとルフィとウソップが下唇引っ張ってお前を挑発してた」

「アイツ何も変わらねぇな悪い意味で」

「ヴィ~~!何て唸っててよ、俺も面白そうだったもんだからつい乗ってしまったもんよ」

「さっき保護者面してた癖にやることはそれか」

「いや、怒れる獅子に試作のライトセイバーを・・・・」

「それもそれでだろ」

「大丈夫だ、大事にならねぇよ。それにヤバくない内は楽しく混ざるもんだぜ」

「俺の方ではそういう下らねぇ喧嘩ゴトは・・・あるな」

「あるのかよ」

「いい年こいた奴等ばっかなのにプライドが高すぎるんだよ」

(人のこと言えんのか)

「まぁいつの間にか終わってるからな、黙って見てるに限るが」

「お前の方と一緒で、大事にはならないからな」

「成程、黙って見守るのも兄貴分の務め!参考になるぜ」

「いや面倒だからほっといてるだけだが」

「しかし、お前はちゃんとしてると思うぜ。こっちの話になるが・・・」

「ウソップが船を下りた?アイツがそんなことすんのか?」

「色々と抱え込んでしまってたらしい。結局は色々とあって何やかんやで戻ってくることになった。皆喜んでたぜ、すぐに迎えに行こうって。そこで口を開いたのがお前だった」


“一味を抜けるのは、そんな簡単なことなのか?!”


「そん時組織としてのあり方と海賊としてのケジメを重視してたのはお前だけだった。俺はその直後に一味に入ることに決めたが、出会ったときよりもより強靱になっていたぜ。顔つきも一流の海賊のそれだった」

「ま、船ん中で乱す奴がいるのは良くねぇからな・・・1つ気になったんだが、ウソップは何て言って抜けようとしたんだ?」

「他の奴と比べ己は弱くて足を引っ張るから役に立たないだとよ」

「アイツが弱い・・・・?どういうことだ」

「な、分かんねぇだろ。武力だけが全てでもないのにな。ま、今やウソップも立派になったもんよ」

「今日という日は最高だったぜ!別世界の兄弟!」

「あ?・・・・夜明けか」

「涙のお別れになるが・・・・」

「いや泣くほどじゃないだろ」

「ま、そういうなや。最後に一献やろうぜ」

「そうだな・・・この夢の検討もついたことだしな」

「互いの夢と仲間に」

『乾杯』



Vol.10「締め」(誓いを捨てない剣豪と思いを捨てきれなかった白鳥、そして)


「満を辞しての最後が私・・・オオトリ、なーんて・・・」

「何言ってんだお前」

「・・・・聞こえてた?」

「いや?」

「そ、そう・・・なら良いのだけれど」

(ウチのブルックよりもジョークセンスないんだな)

「あの?顔に出てるわよ?無視しないで?」

「まさかパンクハザードでぶった切ったお前が仲間なんてな」

「私も仲間に切られる世界線があるなんて思わなかったわ」

「変なもんだな・・・・しっくりこねぇや」

「私としてはいつもいる身内だからそこまで違和感は感じないけど」

「いつから一味に入った?」

「私はリトルガーデンで」

「・・・ドリーとブロギーんとこか。古参だな」

「貴方には勝てないわよ」

「それで、どう考えた」

「恐らく貴方達と同じだと思うけど・・・・」

「貴方達の方は犯人の目星はついてる?」

「ま、アイツだろうな。分かったときは誰もが複雑な表情だった」

「・・・何かあったの?」

「まぁな。そっちとは結末が違ったのかもしれねぇ」

「・・・・そうなのね」

「お互いに最善を尽くした。そう気に病むな」

「そうね・・・」

「・・・・後、お前だ。いつまで後ろつけてやがる」

「・・・・もう隠れなくとも良いのよ。私達も気にはしてないから」


「・・・ばれてたんだ」

「いつから分かってたの?」

「夢の時点で大体の推測はついてたわ」

「ブルックがティーセットがあれば、と思ったら出てきたと言っていてな。そういうことをできるのはお前しかいねぇ」

「・・・・ウソついたり隠し通すの、やっぱ上手くできないなぁ」

「言いたいことあるんなら遠慮せずに言えばいいのによ、何まだるっこしいことしてるんだ?」

「ゾロ、言い方」

「その通りだから別に・・・それに、勝手にこんなことしたのも私だから」

「・・・・・・」

「言いたいこと、か」

「何だろう、話したいことは一杯あるんだけどなぁ。どうしようもなく出てこなかった。ずっと1人でここにいるのが贖罪になると思ってたんだけど、それでも耐えられなくて。聞いて欲しくて。でも、会いたいだなんて思うのも良くないし」

「それでも一目見たいな、って思ってやってみたら、死んじゃったからか変な方に能力が作用したみたい。夢を起点に、世界と世界がくっついちゃった」

「それで、別世界の仲間と・・・」

「ごめんなさい、最初はそのつもりはなかったんだけど。色々聞いていると面白いなって」

「そうなのね・・・」

「それじゃ、今日は恐らく最後でしょうし」

「お、そうだな・・・」

「3人でお話、しましょう?」

「へ?え、え?」

「ちょ、ちょっと2人とも?どうしてそんな手と腕を握って・・・」

「逃げないようにするに決まってるだろ」

「大丈夫、危害は加えないわ。折角最後なんだから、記念よ。私としてはそっちの貴方と会えるなんて思わなかったから」

「あ、やっぱいるよね・・・そっちの世界にも」

「何か欲しいの、ある?」

「くれんのか」

「何もないのも良くないかなって・・・・せめて」

「じゃ酒で。別の俺は葡萄酒を飲んでたらしいから、今度は清酒が良い」

「わがまま言わないの」

「ごめん・・・ワイン以外ならウィスキーくらいしか知らなくて・・・」

「じゃ、私達もあやかってお茶にしましょう?お酒を用いたお菓子もあることだし」

「へー、乙なもんだな」

「あ、そ、それなら・・・」

「クソコックに負けないくらいだな、流石だな」

「あ、有り難う?」

「そんなに怖がらなくても良いのよ?」

「それでさ、アイツ私のが心配してたのも気にしないでさ・・・・」

「ハッハハ、ガキの頃から変わんねぇな!」

「腕白ね・・・妹を思い出すわ」

「あー、そうだな。俺ぁ剣道の傍ら、息抜きに琴ってのを教えて貰ってたんだが・・・」

「コト?」

「ワの国由来の伝統楽器だよ。懐かしいなぁ、あの音・・・」

「そうね・・・・・・恐らくそんな色恋沙汰を考えてる仲間、いないんじゃないかしら」

「えぇ~・・・もったいないよぉ」

「ま、そんなこと興味ないってのもあるかもしれんが・・・」

「・・・ごめんなさい」

「?」

「本当は、最初に言わないといけなかったのに。あの日、皆を攻撃して、そして・・・」

「・・・・」

「最初の方にルフィが来てたから、言うべきだったんだけど。怖くなってしまって。ダメだよね、逃げてばかりじゃ。でも、何て言われるか分かんなくて、何を言われても仕方ないのに、それで」

「・・・泣かないで」(優しく抱く)

「あ・・・・」

「大丈夫。例え言わなくても、皆分かってるから。それに私達もそこまで引っ張りはしないわ」

「・・・ま、自分で分かってたら上出来だろ」

「ゾロ、言い方」

「ほんと・・・・?」

「えぇ。機会はまだあるわ。その時にちゃんと言うことができれば、それで良いの。急ぐことはないから、安心して」

「あ、あり、ありがと・・・・」

(これにて一件落着・・・か。ルフィには・・・ま、伝えるのも野暮か、コイツがまた呼ぶだろうし)

「・・・綺麗な夜明けね」

「正月の初日の出を思い出すな」

「コレが登ってきたら、家族や近所の奴と一緒に一年分の願い事をするんだよ」

「へー」

「最後に、皆でお願い事でもする?」

「・・・願掛けか」

「そんな感じね」

「・・・・フー、(手を叩き、願う)」

「・・・・・」

「・・・・・・」(2人とも、願う姿勢を取る)

「何にしたの?」

「お願いなら、もう決まってるわ」

「当然だな」


-夢の果てを、仲間と共に叶えることができますように。


「そう言えば貴方、神頼みはしないって言ってたけど」

「そりゃ困ったときに他者に縋らねぇってことだ。誓いを立てるのとは違う」

「かっこいい」


(完)



おまけというか裏設定など。


ルフィ:片や面食いの自分を聞いて驚き、片やドラム王国の思い出に馳せた。

ゾロ:お互いしばらくワインにはまった。

サンジ:自分に憎しみを抱く日がくるとは思わなかったという。片や何かを思い出したのかその日の朝ご飯におにぎりを作った。梅干し入り。

モネ:最近ジョーク集を読んでやや影響された。なお周りからは生暖かい目で見られる。

ロー:正直、向こうの彼がアレに侵食されていないか不安である。

ドレーク:全てが終わったら墓参りに行こうと考えた。ちなみにあの部下は女性兵士を想像してキャラ付けしました。初心に女性って大丈夫なのかわからんのに絵になるかなって。

チャカ:久しぶりに書いた大人の貫禄。彼女があっちでも元気そうで安心。

ドラゴン:イメージは少し生意気な僕っ子(性別はどっちでも取れる)。結構知的な話し方にさせた。達観気味なのは環境のせい。作者の下らない好み。

カイドウ:最初の夢は「ジョイボーイを見つけること」だったが、すっかり忘れてしまった。覚えてくれたのはキングだけだった。最初に犯人の正体が分かった。

キング:その後、カイドウが夢の話をしてくれたことが嬉しかった。


ナミ:HCIでの出来事はサンジのためにも「許さない」という心と「無力な自分」という自覚の2つに苛まれてそう。たまにふと思い出したりして。誰かにぽろっと言ってしまいたいけど、言い出しにくい話題。相手が彼で良かった。

ウソップ:お前の強い所は戦闘力ちゃうぞ。

チョッパー:あのルフィも好みってあるんだなーと感心。まぁ年頃だし普通にあるよな。

ロビン:罪悪感抱えてるので、ああ言ってくれたのが嬉しかった。なお原作時空ではまともに和解できていない模様。ビビと会ったらどんな会話するのやら。

フランキー:「懐かしいメーカー」はコ〇コーラのイメージ。薬味が少なくて飲みやすい系の。ちなみに作者はペプシ派なので、大人フランキーはペプシ系飲んでるイメージ。

ブルック:緑茶なるものを試してみることに。また彼に会うことができた日に。

ジンベエ:一番キャラエミュが難しかった。すまん親分。精進あるのみ。


????:原作時空。君この作者の作品群で出番多すぎ問題。でも出したいんですよ。今回の別次元との遭遇という前提で、一番使いやすかったのがこの人の能力だったのが原因。あの後少し時間が空いたが彼と向き合うことができた。今度はちゃんと顔を合わせて。ちなみに片方の自分が生きていることに驚愕。


・他やってみたかった組み合わせ

ゾロ・サン(どっちの時空でも不仲してそう)

原ル・ロー(妙に素直なトラ男にタジタジ)

ドラ・チョパ(賢いアニマル同士)

モネ・ナミ(女子会)


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