魔王と勇者
「やっほ~勇者クン?そろそろ諦めたら?」
俺が入っている牢獄に、魔王エピミディアムが顔を出しにきた。
「・・・もうこんなことやめてくれ、バレン!」
彼女は、俺の幼馴染であるバレンワートと同一人物だと言っていた。
・・・だが俺はそれを信じられないでいた。
だってそうだろう。
いつも俺を支えてくれていたバレンが。僧侶として皆を癒してくれていたバレンが。この魔王と同じなわけがない。
・・・でも信じるよりほかにないのも、事実だ。
「まだその名前に縋ってるんだ。弱いね。」
冷淡な声で魔王はそう言う。
ああそうだ。俺は弱い。こんなにも似ていないのに。コイツがアイツと同じだと知っているから。俺はコイツを殺せない。
「いいかげん諦めたらどう?魔法使いクンも、戦士チャンも、もう魔人になったよ。」
俺は、バッと顔を上げる。
「はは。いい顔。キミと片っぽを解放するから魔人になれっていったら、どっちもなっちゃったんだ。今はもうどろっどろだよ。盛った魔獣みたい。」
「なんで・・・。仲間じゃ、なかったのか・・・?」
俺は弱弱しくそういう。自分でも情けない。
「あは。こんな声出してるのが勇者だなんて笑えるね。・・・どうだったっけな。でも二人とも嬉しそうだったよ?」
こともなげにいってのけ、にや、と嗤う。
「そんじゃ、風呂でも入る?檻の中は汚いからね。」
・・・
風呂に入ると、妖しげな空気にもわ、と呑まれくらりとする。
俺が身体を洗い終えると、バランが入ってきた。
「終わったかな?」
俺はとっさに身構える。
「はははっ。そんな身構えなくていいよ。今から私の角を洗ってもらおうかなって。」
俺は角ブラシを手渡される。脅威が消えると、自然とバレンの肢体に眼が行く。
人間だった時とは違う、胸も、尻も大きなその体。
「どうしたの。ほら、さっさと洗ってよ。私の角がどれくらいきれいに洗えるかで勇者クンの処遇もあらためてあげようかな、って思ってるんだからさ。」
俺はバレンの右角を背後からやわらかく掴む。
「・・・その勇者クンって呼ぶの、やめてくれないか?・・・名前で、呼んでくれ。」
負けたものの、せめてもの願い。醜く、弱い。
「・・・あー・・・?なんだったっけ、キミの名前。」
「・・・は?」
俺はあまりの怒りに魔王をうつぶせに倒す。
「えっ?」
魔王は困惑している。俺は怒りと悲しみと欲でガチガチに硬くなったそこを魔王の入り口にあてがう。
「・・・このっ・・・畜生!」
「あ゛っ!?」
俺はそれをむりやりぶち込み、魔王の両角を折らんばかりの勢いでつかむ。
(・・・はは。やりぃ!やっぱまんまとはまるよねぇ、グロリアはさ。)
それすらも、魔王の掌の内とも知らずに。
「このっ・・・!!このぉっ!!ずっとっ、信じてたのに!」
「あ゛っ♡お、お゛ッ♡」
俺はメチャクチャに欲望をぶちまける。
きゅんきゅんと締め付けてくるあまりに名器過ぎるそれに、苛立ちを込めながら部屋の入り口を先の方で殴る。
(・・・にしてもやっば・・・。SEXって、こんな気持ちいいんだ?これが最初で最後とかやっぱもったいないよねぇ。グロリアも魔人にさせないとな。)
グロリアの手にこもった力が、角にぐぐぐ、とかかる。
・・・ぴしっ♡
「畜生っ・・・!畜生っ!」
(え?・・・ヤバイ、なにかわかんないけどヤバイっ・・・!折れても生えるけどっ・・・これを折られたらやばいっ!)
「ちょ・・・っ゛♡ま゛っ・・・♡まっでっ♡タンマっ゛♡」
ぴし♡ぴしぴしぴし♡
「今更・・・!待つかよっ・・・!・・・っく・・・!で・・・るッ!」
ごびゅびゅびゅびゅるぅ~~~~っ♡
・・・ぽっきん♡
「・・・あ゛♡」
その瞬間、声にも出せないくらいの快楽が魔王に駆け巡り、魔王は意識を手放した。