魔法辞典
現在確認されている魔法は以下の21種類。
1 火 2 水 3 自然 4 風 5 土 6 光 7 闇 8 星 9 鋼 10 岩 11 空 12 音 13 影 14 毒
15 美 16刃 17 獣 18 雷 19 愛 20 虫 21 古
魔法には魔力単独型と環境作用型の2種類がある(10スレ目より)
これは使い手の魔力だけで完結するものか、使い手の周囲にあるものを利用して発動するかの違い。
例えば石のゴーレムを作る魔法の場合、魔力単独型の魔法で作るゴーレムは、使い手の魔力で石という物質を創造して、これをゴーレムの姿にして操る。
環境作用型の魔法で作るゴーレムは、そこら辺の地面から魔力で石をかき集めて、ゴーレムの姿にして操る。
自分で材料から作り出すか、既にある材料を使うかの違い。
魔力単独型
・高度。まず自分の魔力から質量を作るためかなり体力などを削られる。
・魔力量に余裕があれば、無から大きく頑丈なゴーレムを作れ、自分の魔力で作ったものなので操作魔法の通りや動きも良くなる。
・環境作用型
とにかくコスパがいい。まわりにある材料を集めて、成型するだけの魔力があれば成立する
・依り代になる物質が近くにないと発動すらしないという欠点はあるが、大抵の物質は自然界を循環しているためカバーもしやすい。
・応用の幅が広く、その場にあるもので何ができるか?の発想次第で様々な手を用意できる
(基礎魔法学講義より)
マジックアイテム
魔法の力が込められた様々な道具。杖や剣、指輪、メガネ、ベルトなど多種多様であり、能力も千差万別。お手軽にパワーアップできたり弱点をフォローできたりする。
魔法が使える人はより優れた魔力使いになり、魔法が使えない人も簡易的に魔法の力を行使できる。
共通点は「使用者の魔法能力の底上げ」
弱みを克服するために作られるようになったのがマジックアイテムの起源らしい。
デメリットもあり、
・アイテムが壊れたり奪われたりすると、その恩恵にあずかれなくなる
アイテムに依存して素の自分を高めるのを忘れると、いざというとき困るかもしれない。
特に杖で起こりやすいのが、精密な動作をするときには、素手より少しもたつくかもしれないこと。
手から出した魔力を、杖を通して発射する
自分で狙いをつけながら、杖に照準を調整してもらう
そういったプラスワンのプロセスを経るところで、コンマ何秒かぐらいの遅れを感じる、みたいな人もたまにいる。故に素人は杖に頼らず魔法を使い、玄人は杖を使いこなし、達人は結局素手で魔法を使うところに戻ってくる、のかもしれない
・魔力をこめるタイプのアイテムは、肝心なところで魔力切れを起こして使えなくなることがあるため、常に内蔵魔力残量をチェックしないとまずい
特に魔力電池。自分で魔力をチャージしても良いが、ロスが多いし体力も使うため、できればプロのマジックアイテム屋に充電(充魔?)してもらうのをおすすめする。
「使うなら、長所と弱点をきちんと把握して! 自分に必要なものを、気を付けながら利用するといいと思うな!」
ここでは一例を紹介する。
①魔法剣
文字通り魔法の力を持っている剣。鍛冶のできる魔術師が魔力を定着させる術式を刻んで作る場合が多い。
火属性の場合鞘から抜いたら刀身が炎を纏い、風属性ならかまいたちをばらまいて、かすめるだけで敵に無数の傷をつけたりできる。
魔法が苦手だけど体術は得意という人が使うことが多い。
物理攻撃無効の魔物や、遠距離を得意とする魔法使いに魔法を挑む時にも。
長所の身体能力を存分に活かしつつ、魔法力の不利を打ち消したいという時におすすめ。
②魔法の杖
代表的な機能は、本人の属性魔術の強化。本人の魔法出力に杖の中に内蔵されてる魔力が足され、威力何割か増しで発動させることができる。
人間の魔術はわりと雑にエネルギーを放出していて、素のままだとかなりロスが多かったりするが、魔力を杖に通すことで力の向きが整えられ、より低コストで魔法が使えるようになる。
また照準も安定させられ、攻撃魔法を標的に向けて放つとき、狙いをつける持ち主に加えて杖自身もある程度思考し狙いのズレを微調整してくれる。
魔術師の強みを高め、弱点を埋めてくれる魔術師の味方。職業:魔法使い は、使い込んだ自分だけの杖を持ってることが珍しくない。
護符
美しい紙切れ。
表に書かれた呪文に従った挙動を行うことが多い。要はプログラムされた通りに動くコンピュータ。
「通信機になれ」といったことが書いてあれば、遠くとお話しできる機能を持つ。
「封印せよ」といったことが書いてあれば、魔力の壁を展開して人や物を閉じ込める。「爆発しろ」って書いて地面に置いておくと地雷となる。
使い手には
・追い詰められたときのために、最後の命綱として逃亡用の護符を持っておく
・どういう危険があるかわからないところに行く前に、いろんな種類の護符を用意し、複数の危難に対処できるようにしておく
・戦闘時に、自分の手で魔法を放ちながら、同時に護符を飛ばして別の種類の攻撃をしたり、身代わりに自律戦闘する護符を置いて自分は逃げたりする
といった用心深いものが多い。
④魔力電池
「持ち前の魔力が少なくて、高威力の魔法が使えない」という人のために生み出されたもの。魔力のキャパを外付けする装置。
指輪わネックレスなど、宝飾品の形をとるものが多い。身に付けるだけで、最大魔力量10ぐらいの人がいきなり魔力量100ぐらいになる。
属性に片寄った電池を使えば、特定の魔術の威力を極端に上げたりもできる。
(例)ルビーの指輪で火属性アップ、オニキスで影属性アップなど
他のアイテムと違い本人の体に魔力を流し込んで魔法の出力を上げるため、「自分で魔法を使う感覚」をつかむための教材として使われることもある。
魔力電池を隠し持って戦場に行き、それを温存したまま自力で魔法をたくさん使用し、魔力切れになったら電池を使って回復、再出動……という戦術を使う人もいる
自力の低さを補うか、継戦能力を補うか、単純ゆえに使い方も持ち主次第。
(10スレ目、とあるマジックアイテムに関する講義より)
(ここから↓)
【護符について】
通常ひとつの護符に搭載できる司令はひとつだけ。
通信機になって欲しければ「通信機になれ」と司令された護符はもう通信機以外の使い方はできない。ただしその司令の範囲内なら形は変えることができ、たとえば速く飛ばしたいから鳥の姿を取れ、と命令すれば鶴でもカラスでも、一番速く効率の良い姿を取ってくれるはず。
ただ、最初から「鶴になれ」としていると、形は変えられない。良くも悪くも最初の命令依存。
この特性を使ったのが攻撃に転用した護符で、「剣になれ」なら、東の国の刀でもレイピアでも自由自在。
ちなみに、術式の書き換えも可能。
命令した人が書き換えに対する防御を組んでいない場合であり、そもそも書き換えには一から護符を創り出す強い魔力を要するため書き換えが成功した事例はたまにしかない。
この「創り出す」というのは、文字通り無からであり、魔力を使って紙を護符にするとか、そういう次元ではない。
対策のためだいたいの市販の護符には書き換え無効がついている。護符を作る時も、ハンドメイド程度の一般人の作ったものでも関係なく書き換え無効術式の付与が義務付けられている。
稀に複数の司令が搭載された護符もありますが、それができるのはすごく強い魔法使いだけ。
「人が多い場所に飛んできて爆発しろ」とか、「穴を掘ったあとそこに種を植えろ」などの作業を護符でやるのは非効率なため、だいたいは小型ゴーレムなり使い魔なりを使うはず。
【薬草について】
魔力に干渉するもの、人体を回復するもの……どちらも広義で薬草。
回復魔法の分野では用途別に区別して扱う。
たとえば体を温めるといった用途であっても、「その人の中に元々ある炎魔法などの魔力を活性化させる」のと、「新陳代謝を促進して体を温める作用がある」では、少し違ってくる。
「戦ったあと、魔力が切れた魔法使いに前者の薬草を流し込んでもガス欠になるだけですね……電池がなくなった目覚まし時計に電流を流し込んでも動く訳ではないと思います……」
そういった場合は魔力電池や治癒魔法でなんとかするか、薬草を用いるなら治癒力を高める後者の方が良いとされている。
たとえば墓で眠る死者に薬草を使って無理やり動かすことも出来なくはないが、そういった分野は、もはや回復魔法ではないため召喚系か死者使役あたりの分野になってくるそう。
(ここまで自分の考えた設定、26スレより護符について・36スレ目より薬草について)
魔法の威力と消費の関係について
ひとつの大原則があり、それは「費やした労力の分だけ威力が上がる」。
労力は大抵の場合、魔力のことを指し、魔力をいっぱい注ぎ込めば、強い魔法が撃てる。
火の魔法なら、少しの魔力だけ注げばマッチみたいなちっちゃい火が出る。沢山の魔力を注げば、鉄も溶かすような火球が出せるかもしれない。
強い魔法を使いたいなら、いっぱい魔力を込めた術を撃てばいい。誰でもそれは変わらないので、魔力を込めまくって山ほど撃ちまくれば、あなたも最強になれる!
しかし、残念ながらそう簡単にはいかない。人間には最大魔力量と放出限界量というキャパシティがある。
それぞれどういうものか、説明していこう。
最大魔力量は、自分が万全のコンディションのときに保有できる魔力の総量のこと。体の中の魔力のタンクの大きさ。
「最大MP」
お財布の大きさで例えた場合
収入が多くて財布が大きい人は、いっぱい買い物しても平気だが、その日暮らしで小さい財布しか持ってない人は、ちょっと買い物したらすぐ金欠になる。
最大魔力量が大きければ大きいほど、魔法使い放題で贅沢し放題。魔力貧乏はその逆。
放出限界量……蛇口をめいっぱい開いたときに出せる水の量の多さ
充分な魔力を体の中に保有しているが少しずつしか外に出せない場合、小規模な魔法しか撃てないことになる。
逆に蛇口が大きく一気に魔力を吐き出せる人は一発の威力が大きい高火力魔法を使える。
⚠蛇口が大きい人であっても気を付けないといけないことがある。
一気に大量の魔力を出せるってことは、貯金の減りも激しい。
「放出限界量が大きいのに最大魔力量が大したことない、って人が前にいたんだけど……その人はミサイルの直撃みたいな大爆発魔法を1発使ったら、それでもうダウンして丸1日は動けない、っていう生き方をしていてね……」
その人には仲間がいてフォローしてくれてたからいいけど、ひとりで冒険してるときに大量に魔力を消費してダウンしたら、本気で命の危機となる。
高威力魔法を使える放出限界量に恵まれていても、ちゃんと考えて魔法を使わないと危険。
さて、ここで疑問に思った人はいるかな?
「最大魔力量や放出限界量に恵まれていない人は、強力な魔法を一生使えないのか?」→いいえ。様々な方法で強くなることが可能。
①鍛える
魔法を沢山使うと技術が高まるだけでなく、魔法の才能も成長していく。
より強力な魔法を使おうとすれば、放出限界量が。体内の魔力を可能な限り吐き出して、空っぽにするのを続ければ、最大魔力量が。それぞれ少しずつ伸びていく。筋トレと同じ要領。
魔法の使い方を工夫することで、出力を上げることができる。
「費やした労力の分だけパワーが上がる」の労力は大抵は魔力のことを指すがそれ以外にも費やせる労力があり、わかりやすいものは呪文型魔法。
魔法学校の図書館にある魔法事典には、いろんな魔法の特徴だけでなく魔法発動のための呪文のテンプレートもいっぱい載っている。
弱い魔法は、発動のキーになる呪文が短く、単語だったりすることすらある。
逆に強い魔法は、呪文が長い。これは、「魔力」+「長い呪文を唱えるという労力と時間」を消費することで、威力を高める効果を実現しているとのこと。
熟練の魔法使いが用いる呪文以外発動プロセスを含む魔法も原理は同じ。
指で印を結んで、特定のリズムで地面を踏み鳴らす、呪文をメロディーとともに歌い上げ、さらに一定時間踊らないと発動しないなどは全部、「魔力以外の労力を追加して魔法の規模を底上げする」ことを目的に設計されている。
目的は人によってバラバラで、放出限界量を越える威力を欲してのことだったり、最大魔力量の消耗を節約したいからだったり。少なくとも、メリットとデメリットを冷徹に計算した上で、実践の場に持ち込まれることが多い。(たまに「見映えがいいから!」で使う人もいるようだ。)
魔力以外のものを使って強化するスタイルの魔術を『儀式型魔術』と呼ぶ。
性質上面倒くさく威力と消費のバランスがよくないこともあるため人を選ぶが、使いこなせたら便利かつ高威力なことが多いため楽しい。
費やした魔力以外にも、その魔力の消費効率も重要。
最適化は中々難しいが、できるだけ十全に使えるようにするのは腕のたつ者なら当たり前にこなしている。血筋は関係なく完全に個人に依存するため、力量がはっきりとわかる。費やした100をそのまま100使えるのか、80や50、30となってしまうのかは大きな違いだ。
魔力、というものは、とても大雑把で乱暴だからこそとても扱いやすい分類方法。
効率や適正、相性で万華鏡のように複雑に現象を変えるから、とらえどころがないのが魔法であるが、『費やした労力』という不定のものを数値化することで、一定の法則を決められる。
魔力のある人間が、魔力を消費して呪文をとなえれば魔法という結果が発生する。
魔法学校で教える一番基本的な魔法の現象と結果であり、イメージがしやすいこれを基準にするのは理に適っているといえる。
(26スレ目、魔法学園でのとある講義とそれを受けての感想たち)
『儀式型魔術』について
自分の体の中の魔力以外のものを使って、威力を高めた魔術。
道具や事前準備、他の人に協力を頼んだりすることで自分のベーシックな実力以上の結果を引っ張り出そうという発想。
具体的には以下を儀式魔術と呼ぶ。
1、アイテム式
マジックアイテムを使うというありふれた行為も、広い意味での儀式型魔術。
代表的な例は魔力電池。体内の魔力が枯渇したとき、これを使うと速攻でチャージでき、自分の最大魔力量を越える結果を出せる。
薬で肉体を興奮状態にして、一時的に様々なリミッターを外すという方法も知られているがあまりおすすめはできない。
放出限界量を上昇させる「鬼酒」、魔術を制御するための反射神経を高める「マリハ煙草」、最大魔力量を上げる「マルジロアカブチキノコエキス」など、数々の魔法薬が開発され、試されてきた。
一定の効果はあるため、戦争してる国だと、かなり流通していたりする。
「でも、そこらへんのマジックアイテム屋さんで見ないようなお薬は、まず間違いなくでっかい副作用があるから! 健康を大事にするなら手を出さないのが吉だね! ω^)」
2、工程式
特定の行動(ルーティン)をこなすことで、魔法の威力を高める儀式型魔術をこう呼ぶ。
代表的な例は呪文。短い呪文なら、威力は弱めで起こせる現象も単純で大雑把。
逆に長々と呪文を唱えてようやく発動するような魔法は、けっこう強力になるほか精密で複雑な動きをさせたりできる。
パソコンに例えると呪文=プログラムと理解してもいいかもしれない。
火の玉を飛ばす魔法なら「火の玉」「飛べ」という命令が呪文の中に含まれている。
これを「敵軍の中の司令官だけを自動で追いかけるような動きをする大きな火の玉を発射する魔法」にしたいなら、
「火の玉」「大きい」「高温」「誘導」「標的:白い馬に乗っている金モール付きの赤い上着を着た男」「飛べ」といった意味を詰め込んだ呪文を唱える必要がある。
他にも、身振り手振りが意味を持つ工程式魔術も多い。ハンドサイン/「印」を結ぶことで、魔法発動や威力向上を行う魔術師が該当する。
一見するとダンスにしか見えない独特の歩法「マジカルステップ」を踏むことで、自身にバフをかけたり、敵の魔法効果を減衰させたりする魔術師や、魔法陣を描いてその中に立つことで、普通なら届かない範囲まで術を届かせたりするような魔術師もいる。
共通するのは、魔力に対して「具体的な指示」を出していることだろうか。
「もしかしたら魔力って、大雑把にやりたいようにやれって言われるより、やることを細かく指定してもらう方が、やる気を出してくれる存在なのかもね!」
3、生け贄式
はい、お待たせしました。大抵の人が「儀式」と聞いて想像する儀式型魔術が、おそらくこれですね! ω^)
アイテム式と工程式が、自分の肉体や自分の魔力に働きかけて威力を高めるやり方だとすると、生け贄式は他の人を頼って問題を解決してもらうタイプ!
「誰か」に「何か」を捧げて、力を借りるのがこの儀式型魔術のキモでーす!
よそから力を引っ張ってくるので、理論上この魔術の出力に上限はありません。よわよわ魔術師でも、やり方さえ知ってればほぼ確実に実行できます。いやマジで ω・´;)
たーだーしー! 実際に発動する魔術の規模は、「力を借りる対象」と「捧げるものの内容」に大きく左右されまーす!
そこらへんの死にかけの病人に「力を貸してくれ!」って頼んでも、あんまり頼りにならないよね?
ものッすごい低賃金で「この重労働を長時間頑張ってくれ!」って頼んでも、誰もOKって言わないよね?
借りる力が大きければ大きいほど、支払うものもデカくなる! これが生け贄型の絶対法則だ!
「神様」に「祈り」「お酒」「パン」を捧げることで、非常に軽い魔力コストで発動させられる治癒魔法というのが、いくつかの教会には伝わっており、日々大勢の病人を癒し、救わないといけない教会の人たちには、なくてはならない魔術。
威力は控えめだが1日に何回使ってもほとんど疲れないそう。
「悪魔」に「生き物の命」を捧げる類の魔術。
便宜上「悪魔」と表記。
先に出した神様同様、何者かは分からない。確実なのは、両方とも「交渉を求めたら応じてくれる、超越的な力を持つ何者か」ということ。
そういった何者かの中には生き物の死を好んで受け取る「悪魔」っぽいやつが、かなりの割合で存在している。そういった種類は悪魔らしく一般的な価値観では邪悪と見なされるような行為をしたいと望むとき、積極的に力を貸してくれる傾向にある。
例えば……
・他者の殺害を目的とした攻撃魔術の威力アップ
・他者を不幸にすることを目的とした呪詛魔術の威力アップ
・危険な魔物、動物の召喚
・その他多種多様な破壊活動
こういうことをしたいですと願いながら生け贄を捧げると、少し安いコストで大きめの力をくれる。
逆に、人の命を救いたい、神様のお役に立ちたい、悪魔退治をしたい、などの願いで運用しようとすると、一気に出力が減る。
「まあ、力を貸す側も、気に入らねーことしようとしてるやつの役になんか立ちたくないって思うんでしょうね! 当たり前!」
【効率的に生け贄を使うコツ】
・「何」から力を借りるのか、その対象について詳しく調べる。
人の願いに応じて力を貸してくれる神や悪魔は沢山いる。
「崇める神も教会によって種類が違ったりしますし、悪魔なんて7×72×ヤオヨロズぐらいいます。もしかしたら世界全体にいる人間の数より多いかも!
もちろん、性格や好みも千差万別!」
前にお世話になった存在がある種類の生け贄を喜んでくれたからといって、他の存在にも同じような生け贄を捧げても実際に喜ばれるかは怪しい。
では何を基準に生け贄を選ぶのか?
→単純に、経験者に教えてもらうのが一番。
魔法の歴史は長く、様々な人間が様々な存在に様々な生け贄を捧げてきた記録が、山のように存在している
「それらのデータをまとめた「悪魔辞典」って本が、この魔法学園の図書館にもあります ∀` )b
興味のある人は、借りて目を通してみてくださーい。この授業では、代表的なでかつよとその好みを、軽く紹介しておくにとどめるね!」
・ハゥルジーギ(Haulzyyge)
鬼のキャラバン長と呼ばれる存在。無数の小鬼を従えており、生け贄を捧げると小鬼たちを兵力や労働力として派遣してくれる。
好みの生け贄は人間であり、特に窃盗の罪を犯した人間の命を好む。ただしラッパの音が嫌いで、これが鳴ると機嫌を悪くして立ち去るため注意。
・ラヒエィン(Rahy-yhean)
山での遭難を誘う悪魔と言われている。吹雪とともに現れ、金属の擦れるような声を出して人の心を削るらしい。風や氷属性の魔法の強化が得意。
好みの生け贄は、山への敬意のない人間。晴天が嫌いで、雲ひとつない日は交渉に応じてくれない。
・スクブス(Succubus)
いわゆる淫魔。美しい女性の姿をしているらしい。魅了魔法や幻術のパワーアップに手を貸してくれる。
好みの生け贄は、屈強な若い男性、信仰に背いた修道女。老人を捧げようとすると嫌われる。
・ホムラサマ(Home-large-summer)
火を司る邪神で、赤い蛇の姿をしていると言われている。吐息と視線に毒が含まれるという伝説があるせいで、毒の権能の持ち主と見なされることもある。
好みの生け贄は、生卵1500個、あるいは豚11頭、あるいは殺人を犯した悪人3人。
数を非常に重要視するため多くても少なくてもダメ。
・魔王
地獄の最下層にいるという、人間が接触できる存在の中では最悪のもののひとつ。歴史上でも、2回しか契約された記録はない。
生け贄は、
・黒曜石で作った祭壇に火酒を1樽
・林檎の木で作った炭を30束
・青銅製の短剣を3本
・白い虎を1頭
・12歳以下の去勢された少年を7人
・12歳以下の妊婦を7人
・生きた毒ナメクジを500匹
・干物にした毒トカゲを500匹
・術者自身の剥がしたての顔の皮膚を1枚
・術者自身の抜きたての歯を15本
・術者自身のあばら骨を1本
に加え、儀式の前1年間、術者がひと言も口をきかないという工程を全て捧げると、5cm×5cm×5cmの大きさの地獄を5.5秒間、地上に出現させるそう。
「具体的にどういうことが起きるのかはわからないけど、なんかとびきりヤバいことになるらしい…… ω`*)」
古い歴史書によると、南の果ての「侵入不可能の大砂漠」は、2500年前に地獄の顕現によって作られたという話。
【生け贄と相性のいい魔術について】
基本は力を貸してくれる存在の属性と一致する魔術の威力を上げるのが、最も効率が良い。
「神」を名乗る存在なら、「光」や「愛」属性の魔法を強くしてくれる。
「獣の姿をした悪魔」なら「獣」属性、「虫の姿をした悪魔」なら「虫」属性。「火山に住む悪魔」なら「火」属性や「岩」属性、「海に潜む悪魔」なら「水」属性。
ただし存在の性質に関係なく、高い威力を発揮できる唯一の魔法のジャンルが「呪詛魔術」
「呪詛魔術は……んー……ちょっと説明が難しいんだけど……誤解を恐れず言うと、「時間と空間に縛られない魔術」の総称だねー」
対象が遠く離れた場所にいても、問題なく攻撃できたり、一度発動させたら、術者が死んでも効果がずーっと継続したりといった、敵に回したくない魔術の類。
具体例は東方発祥の「カウタイム・ヴィジット(丑の刻参り)」
神殿で特定の時間に生け贄を捧げ、特定の工程をおこなうことで、標的の心臓に釘を刺されたような激痛を与えるというもの。
標的がどんなに離れていても良く、どの神の神殿でやっても問題ないという魔術。
「標的がどんなに離れていてもいいし、どの神の神殿でやっても問題ないというとんでもない魔術です。危険すぎるので具体的な手順は教えません!」
「リング・クリップ(円環の像)」
術者自身の命を生け贄にする呪詛魔術。存在は術者の魂と肉体を連れ去り、代わりに血によって描かれた1枚の絵をこの世にもたらす。
効果は非常にシンプルで、この絵を見た人間は7日後に死ぬというもの。
絵を焼いたり破ったりして破壊することはできない。一度作られたら、半永久的にこの世に残って人を殺し続ける。
「遠隔すりつぶしアタック」!
効果は非常に単純で、遠く離れた場所にいる標的を、防御力や回避力や回復力を無視してぐちゃぐちゃにして殺すというもの。
1、海抜850m以上の高さにある神殿に術者が立つ
2、生け贄として、2人以上の人間を殺した重犯罪者を36人用意する
3、立会人を2人用意する
4、生け贄と立会人に目隠しをし、儀式を視認させないようにする
5、標的の顔と名前、現在位置を把握する
6、用意した犯罪者に、標的の名前を言わせる
7、自分の手のひらの上に標的がいると思いながら、すり潰すような動作をおこなう
「とある国の宮廷魔術師は、この術を使って、1500km離れた位置にいる敵国の高級軍人たちを……こう……次々にハンバーグのタネみたいな状態にしたそうです!
これのやり方だけ教えたのはなぜかって? 一般人にはちょっと実行の難易度が高過ぎるせいですね ω`*)
逆にいうと、やり方を説明しなかった前者ふたつの呪詛魔術は、もっと遥かに軽い生け贄で、しかも簡単な工程によって実行できるってこと!」
なぜそれで、こんなとんでもない効果を実現できるのか?明らかにコストが軽すぎるように見えるのに?
→有力なのは、呪詛魔術の場合、術者は物理的な生け贄以外に、憎悪や悲しみ、殺意などの強烈な感情を存在に捧げているから、らしい。
強い感情は術者と存在との通信を明瞭にして、より強い力のやり取りを可能にするそう。
「私にはよくわからない概念だけど、要するに「あんたの気合い、伝わってきたぜ! こりゃもらったお給料以上にサービスしてやんなきゃな!」って感じになるってことなのかも ω`〃)」
まとめ、生け贄式魔術で大切なのは次の3つ。
「力を借りる相手の好みの生け贄を捧げること」
「自分の欲しい力を持っている相手を選ぶこと」
「成し遂げたいことへの熱意をしっかり伝えること」
この辺をしっかり押さえておけば魔法のパワーがぐんと上がる。
そこに工程式魔術を取り入れたり、マジックアイテムでブーストをかけたりすれば、さらに倍率が高くさらに倍になる。
儀式型魔術は手間がかかるため、戦場では自分ひとりの力で戦う方が、臨機応変にやれるからいいかもしれない。
無理に威力を求めたせいで、かけなくてもいいコストをかける結果になるかもしれないこともままある。
「でも、こういうやり方もあるぜー、ってのを頭の隅に置いておくと、いつか役立つこともあるかもしれない!
面倒な儀式も、残酷な生け贄も、薄気味悪い呪詛魔術も、あなたがいつか必要とするかもしれない可能性だ!
いざ必要になったときに、よく考えて使って、それで目の前の壁を乗り越えることができたなら……私も教えたかいがあったと思えるだろうね!」
(36スレ目、とある講義より。)
「ちなみに、生け贄と言えば聞こえは悪いが対価を差し出す代わりに魔法を行使することと等しいからな。通常の魔法とそうは変わらん
等価交換とでも言えばいいか?捧げるものが魔力か物質かというだけの違いだ
等価交換は錬金術にも通ずるが…浪費もまた錬金術の本質だ。囚われるなよ」
(36スレ目、とある炎魔術師の独り言)
【影魔法】
影隠密(シャドーステルス):影を操り、対象を他人から見えなくするステルス魔法。
影拘束(シャドーバインド):相手を影に埋める。魔力を供給し続ける限り脱出出来ない強力な魔法だが、逆にそこが弱点。格上には弾かれることがある。
影壁(シャドーウォール):影でできた壁を作り出す。魔法は無効化し、物理攻撃は通る特殊な壁。許容量以上の魔法攻撃を喰らうと消滅する。使用する魔力によって丈夫さや大きさは変わる。
影奪(シャドーシーク):対象の影を薄くする。対象のヘイト値を下げ、隠密状態にする。気配遮断系魔法を重ね掛けしている場合は効果が高くなる。
影人形(シャドードール):影でできた人形を作る。ヘイトは全く引かないので壁役にはならないが、偵察などには最適。意思疎通は影で作る文字によって可能。
影(ドッペルゲンガー):自分とそっくりな分身を作り出す。どちらが本物かは看破系魔法を使用しなければわからない。術者の命令通りに動く。作り出す時に与えた魔力を使い果たすと消える。
影移動(シャドームーブ):影の中を移動できる。影が無ければできない。
【音魔法】
安楽音(スィエントサウンド):一定範囲内にいる生き物の脳内にリラックス効果のある音楽が流れる。精神が不安定になっている時や疲れている時に有効。
【水魔法】
「水魔法といっても、範囲はめちゃくちゃ広いからね!
私みたいに水ゴーレムに特化した人もいれば、水の合成が得意な人、水を発射しての攻撃が得意な人、水中活動を得意とする人と、いろいろいたりする
もしかしたら素養が低い人でも、日常生活でちょっと便利な小技を身に付けたりはできるかも?
完全に水系統の素養がない人は……逆に、水魔術師と戦うときに有利になる戦い方とか学んでいってね!」(とある水魔法使いの講義より)
(以下のみ自作)
【星魔法】
星に関する魔法。占星術の流儀を流用しており、研究には天球儀や星図などを用いることからそれが伺える。東洋の流れを汲んだ「塔」では主にこれにまつわる研究が行われている。
龍星群(リュウセイグン):流れ星を夜空から取り出す秘技。取り出した星は光の尾を持つ使い魔となる。
①星を取り出し②使役し③元の空に戻す までやらなくてはならないので難易度が高い。
雷冥(ライメイ):白銀の雷を呼び出す魔法。遠い昔、はるかな惑星に降っていたとされる雷を再現したものである。あくまで属性が星なので星魔法の区分。雷を操る他、エネルギーを短剣のように凝縮し扱うこともできる。
一ツ星(ヒトツボシ):星魔法を習うものが最初に学ぶ魔法。自分の魔力を凝縮した星を一つ作り、自由に操ることができる。星の色や形、温度などは人によって様々。
吉星(キツノボシ):吉兆の星。自由に使える訳ではなく、使い手の心の中から幸せな感情を引き出すようにして使う。眩しい光を伴った金の星が、広範囲に光を振りまき癒しと幸運を与えるいわゆるバフ技。
凶星(マガツボシ):凶兆の星。自由に使える訳ではなく、使い手の心の中から不幸な感情を引き出すようにして使う。真っ黒な星が何もない闇に地面ごと引きずり込む。
希星(ネガイボシ):希望の星。奇跡の光。使い手が真に願った時にのみその姿を現す、星魔法使いたちの切り札。その例は記録に数件しか残されておらず、人によって効果も様々なため詳細は不明。全てを打ち倒す剣とも、世界を救う光のカーテンとも、何もかもを消し去るホワイトホールとも言われている。
(ここまで自作。↑はメタ的に言うと逆転用ですが、この世界ではほとんど信じられておらず世界の終わりに心から願ってようやく使えるような奴なのでなるべく使わずクリアしたい)
【火魔法】(設定スレその2より)(ここから自作ではないです)
連続炸裂炎爆撃(エクスプロージョン):辺り一帯を無数の炎球で焼き尽くす範囲魔法。魔力消費が多いほど威力は増す。
炎巨砲(フレイムキャノン):一方向を巨大な炎で攻撃する魔法。
炎柱(フレイムタワー):炎の柱で対象を消し炭にする魔法。
溶岩銃(ラヴァリボルバー):辺りのものを溶かした溶岩を放つ魔法。勿論直撃すればタダでは済まない。
炎弓(ファイア・アロー):炎の矢を生成し、対象を貫くと同時に焼く。射出する数は術者の力量次第で上限はない。また、これも術者の力量次第だが、一本一本の矢を射出後にコントロールする事も可能。
烈火誘導爆弾(ブレイジングミサイル):遠距離から爆発性のある炎を射出する魔法。何かに当たった場合爆発する。
超巨星(ベテルギウス):普通の魔法使いでは単独では魔力不足で発動できない。戦争などで魔法使いが集まった場合に発動される場合がある。そのエネルギーは全てを灰に返す。
螺旋炎柱(スパイラル・フレイムタワー):螺旋状の炎柱を創り出す。攻撃にも使用できるが、綺麗なので祭りなどの行事用にも使える。
【召喚魔法】
黄泉夜行(アンデット・パレード):死者を蘇らせたアンデットを大量に使役する秘術。死者の種類は豊富で見るものを震え上がらせる。
【音魔法】
眠歌(ローラバイ・ソング):聞いた者を眠りへと誘う音魔法。範囲魔法。
援助歌(エール):応援した仲間の能力を、使用した魔力分だけUPさせるサポート魔法。
死之行進曲(デス・マーチ):聞いた者の鼓膜を破壊し、脳を振動させ失神させる音魔法。最悪の場合死に至る。範囲魔法。
破壊音(デストロイ・サウンド):振動で周囲の物を破壊する音魔法。範囲がとても広くかつ強力だが、魔力消費は途轍もなく激しい。
死之鎮魂歌(デッド・レクイエム):この音楽を聴いた対象の魂に対し直接揺さぶりをかける精神攻撃魔法。力量差があれば直接魂を奪われる。
呼唱和(コール・ハミング):対象と音を通じて意識を繋げる補助魔法。主に連絡用だが、正気を失った相手を元に戻す方法にも使える。
【水魔法】
大津波(タイダルウェーブ):広範囲にわたって津波を引き起こす。全てを飲み込む水魔法の奥義。
水隕石(ハイドロメテオ):巨大な水の塊を落とす水魔法。広範囲にわたり全てが押し流される。どれほどの規模になるかは使用した魔力次第。