・高望みの代償(閲覧注意)

・高望みの代償(閲覧注意)

・一応直接的な描写はないので大丈夫なはず

「やあ、目が覚めたかな?」

その言葉に途切れた意識が浮上する。

周囲を見渡すとあたり一面、地平線までずっと草原という異様な光景に、見たことのある人物、というか神が3名。

「あのボタンを押したってことは、俺たちのことはわかるよね?」

と、最近までグランドライブに乱入してた方の女神。

「あ、はい……三女神様、ですよね」

「ふふ、手違いで知らずに押したわけではなくてよかったわ」

こちらは「女の子にしましょ」とは言わない方の女神。いや、あんなボタンが出現したってことは言ったのかもしれないけど。

「あのボタンを押したから、ってことは……あっ!?」

ちょうど都合よく側にあった泉に自分の体を映してみると、すでにウマ娘の姿になっていることに気付いた。

「どうだろう?君の臨んだ通りの姿になっているはずだけど」

視線の位置が低いことからも気づいてはいたが、やはり背は低めのようだ。

しかし背が低いだけで、体自体はかなりがっしりしている雰囲気がある。

肩ほどまでに伸びた葦毛。紫水晶のような瞳。ちょっとぽやっとした顔立ち。

胸は爆乳とまではいかない程度の巨乳だが、身長を考えたらかなり大きい方だろう。

「あー、これだけ思った通りってことは、僕が考えていることは全部バレちゃってるな……」

そう小声でつぶやいたのも聞こえてか、ダーレーさんは

「もちろん、君が部活動で努力し続けてきたのに、食の細さや持病のせいでレギュラーになれないまま引退したことも知っているよ」

「全部お見通しなんですね……」

「じゃあ、何か希望があったら聞くよ?」

と尋ねてきた。

めちゃくちゃ言いづらい要求だが、今後のためだしやむを得ない。ダメもとで言ってみよう。

「あの……絶対にG1で勝てる裏技みたいなものはあったりしませんかね?」

その言葉に、今まで黙っていた最後の一人、タークさんが一喝してきた。

「愚か者が!己の力で切り拓いてこそ得られる成果というものであってだな!!」

「すみませんすみません!もちろん人一倍努力はするつもりですし!一応聞くだけ聞いてみたかっただけなので!」


「無くはない、と言ったらどうするかしら?」

慌てて取り消そうとしたところへバルブさんが止めに入った。

「え、あるんですか?」

「ああ。ただしそれなりの『代償』はあるけどね」

反射的に聞き返した自分に答えたのはダーレーさんの方だった。

返答と同時に虚空からぱかプチを取り出し、僕に見せてきた。

(クラシック正月イベントみたい……)

と思ったが、よくみるとそのぱかプチは現在の自分の姿を模したものだった。

「ぱかプチが作られるのはG1勝利やそれに準ずる活躍をした者だということは知っているよね?」

「ええ、まあ」

「君には一度、このぱかプチに転生してもらう。まあ大体一か月ぐらいかな?」

「え?じゃあ一度僕が活躍する未来へ行ってから、過去へ遡るってことですか」

「そういうこと」

流石三女神、なんでもありかよ。

「もちろん、ぱかプチになっている間は全く動くことはできないよ」

「なるほど、それが『代償』ってことですか」

「どうだい、迷える子羊くん。この提案、受け入れるかな?」

『懲役30日』ならぬ『禁固30日』。

しかしその対価にG1勝利級の実力が手に入るなら……。

「やります」

僕は心を決めた。

「じゃあ、早速始めようか」

「いってらっしゃい」

そう言われるとともに、遠くなっていく意識。

最後に聞いたのは、

「どうなっても知らんぞ」

というタークさんの声だった。

~~~~~~~~~~

次に目を覚ましたのは大きな音で流れ続けるBGMのせいだった。

既にぱかプチになっているので視点を変えることもできないが、どうやらクレーンゲーム筐体の中のようだ。

(うまゆるのダスカホラー回ってこんな感じだったのかなぁ)

と思うも、もちろん声は出ず。

一応時計が視界に入っているが、午前中なので開店したばかりかもしれない。

しばらく状況をただ眺めているが、誰も来ない。

もし平日午前だとしたら誰も来なくても無理はないが。

(もしかして、このまま1か月クレーンゲームの中なんてのもあり得る?)

もしそうならこのうまぴょいアレンジBGMに耳をやられてしまうなと思っていたが、夕方になってようやく人が増えてきた。

しかし、この日は一度クレーンに挟まれるも途中で落ちて取ってもらえず。

クレーンがうまゆるのように錆びていなかったことには少しだけほっとした。

ただ、閉店以降真っ暗になってしまうと結構心細かった。早めに取ってもらえるといいなあ……。


翌日はどうやら土曜日のようで、打って変わって人が増えた。

一度クレーンから落ちた時に向きが変わったので時刻はわからなくなったが、開店からそこまで時間がかからずゲーム機の前にプレイヤーが現れた。

(あ、この人僕のファンみたい)

スマホカバーに僕のシールが貼ってあるし、リュックに僕の缶バッヂがついていた。

しかもその横にはぱかプチではない手縫いの小さなマスコットまである。

だいぶ強火のファンみたいだ。

ファンの人は手慣れた手つきでクレーンを操作して、まずは僕ではない方の僕のぱかプチをGETしていた。

(正直ここで何晩も過ごしたくないから、取ってくれないかなぁ)

その思いが通じたのか、2回目の操作でついに僕が掴まれた。

昨日一度落ちた時に取り出し穴の近くまで位置が寄っていたので取りやすかったようだ。

(助かった~)

その後、彼は3回目で大きいぱかプチ(もちろん僕の)に挑戦したが、上手く掴めず掠めるだけに終わったようだ。

「まあ、上出来かな」

とつぶやく彼とともに彼の家へ連れられて行った。

~~~~~~~~~~

着いた部屋は、僕のグッズがいっぱいある以外はだいぶ片付いた部屋だった。

彼は僕ともう一人の僕をテーブルに置くと、何かを調べ始めた。

「初めてだししっかり手順を調べないと……」

ちょうど視線が彼のパソコンを見られる位置にあったので確認しようとした僕は、自分の目を疑った。そのウェブサイトのタイトルは

(『ぬいぐるみオナホの作り方』!!??)

おいウソだろ!?

待ってくれよ!!

確かに『あにまん民と強制的にエッチさせられるボタン』とは書いてあったけどぱかプチの状態でとは聞いてないよ!!

確かにぬいぐるみオナホユーザーのあにまん民がしたレスも見かけたけど、よりによって今の僕でかよ!!

僕はただただ、

(犠牲者はもう一人の僕であってくれ……!!)

と願い続けたが、それも空しく彼の手は僕を掴んだ。

~~~~~~~~~~

その後のことはあまり思い出したくない。

腹を割られるかのような痛みに声も出なかったわたし。まあぱかプチの体では元々出せないんだけど。

腹の中に異物を挿入された後は、抵抗することも出来ずされるがまま。

全て終わっておなかの中が熱くなった後、彼はいつも、

「ありがとう、気持ちよかったよ」

と声をかけながらタオルで拭いて消毒してきた。

(DV被害者女性って、こういう緩急で堕ちちゃうのかなあ)

とかそんなことを考えながら現実逃避していたわたし。

彼は毎日わたしを『使って』いたので、何日が経過しているかだけはわかった。

ただ日数を数えて耐え忍んでいた日々にも、ようやく終わりはやってきた。

「あー、裂けちゃった……」

30日目、ついにわたしの腹部は劣化によって裂けてしまった。

「今までありがとう。とっても気持ちよかったよ」

彼はそう呟きながら私をもう一度きれいに掃除し、ごみ袋へ入れた。

(やっと……解放される……)

1か月ぶりに意識が遠くなる感覚。

(そういえば、ぱかプチになっている間は眠ることもできなかったな)

などと考えているうちにわたしの『懲役30日』は刑期満了となった。

~~~~~~~~~~

あの後、目覚めたら赤ん坊の姿だった。

わたしは小さいころから男性が苦手で、父も

「赤ちゃんの頃から小学校高学年ぐらいまで全然懐いてくれなかった」

とボヤいていた。まあ、その分反抗期とかはなかったけど。

幼稚園や小学校でも女子とは仲良くなれる一方男子を避けていたが、ウマ娘ということもあり体力差を警戒されてか虐められることはなかった。

放課後はクラブチームで練習することで男子と会わないようにしていた面もあると思う。

それだけ練習時間が多かったこともあってか、トレセン学園にも無事入学。

模擬レースでも好成績を残せたが、ドーベルどころではないレベルで男性トレーナーが怖く、結果女性トレーナーのチームへ入ることになった。

カウンセリングを受けることで以前ほどの恐怖症ではなくなり、客席に男性ファンがいるぐらいなら何とかなった。

でも、面と向かって顔を合わせられる男性は父以外だと新しいカウンセラーの人ぐらいだ。

カウンセラーさんはまだ若くて経験も浅いのに、わたしのことをよく理解してくれてありがたい。

年齢が近いからかアニメやゲーム、漫画の話もわたしと合うし。

「アニマプーペドール!見事東京スポーツ杯ジュニアステークスを制しました!」

こうして先ほど終わった初重賞でも快勝。

「素晴らしい走りでした。自走の予定はもう決まっていますか?」

こうして私に取材してくる記者の方も女性だけ。記者の方にまで迷惑をかけて申し訳ないが、こればかりはすぐにどうこうできるものでもない。

「はい、今のところはホープフルステークスを予定しています」

確かにこのままいければG1は勝てるだろう。でもわたしの心にはその『代償』が大きく刻まれてしまった。

タークさんの「どうなっても知らんぞ」はこうなることを知っていたんだろう。

もしボタンが目の前に現れたあにまん民に1つだけ言えるなら、あるゲームのセリフから借りてわたしはこう言いたい。

「安易な願いをしてはいけない。努力なしに生まれかわるということがどんな痛みをともなうか、身をもって知ることになる」






ここから人によっては蛇足、人によっては救済


発想のヒント・出典・元ネタ

押すと好きなウマ娘のぱかぷちになれるボタン

https://bbs.animanch.com/board/1623820/


10 二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 14:10:01

股間に切れ込み入れられてオナホ突っ込まれる可能性も……


11 二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 14:14:37

面白半分で調べたら、ぬいぐるみオナホの作り方をまとめたサイトがいくつも出てきて「えぇ…」ってなった


言及があった、実際にぬいぐるみオナホを使っているあにまん民

https://bbs.animanch.com/board/208175/


34 二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 05:25:19

意外といいものだぞ

俺のお気に入りは初音ミクとゲンガーだ


アニマ:ラテン語で「生命・魂」

プーペ:フランス語で「人形」

ドール:英語で「人形」

アニマプーペドール=生きている人形、魂のある人形 の意味

ちょっとカレンブーケドールの語感も意識した


懲役30日:世にも奇妙な物語のタイトルより。数年前の人気投票ではベスト10に入ったらしい。


最後の一文は安心沢の元ネタ、ダイジョーブ博士のセリフ

「努力ナシニ生マレカワルトイウコトガドンナ痛ミヲトモナウカ……

身ヲモッテ知ルガイイデース…!」


本当にぱかプチ化したのか、それとも三女神にも時間遡行能力はなくそういう幻覚を見せられたのか

解釈は読んだあなた次第






「なあ、灸を据えるにしても流石にきつ過ぎはしなかったかと思うのだが」

「俺は大丈夫だと思うよ。彼、いや彼女は既に今後の人生のパートナーとも出会っているし」

「ああ、あのカウンセラーか」

「つらい思いをした分、思いっきり幸せになってもらいましょうね~」

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