食事
食事
・鰐虐
・モブレ
・オリキャラ
・インペルダウンの捏造
・他の方のSSと矛盾が生じるが性癖の数だけ世界線がある
・輪姦書くのはさすがに精神に来たので割愛
・暴力表現アリ
・嘔吐等今までとは別方面に汚い描写アリ
4.5
クロコダイルは最近、眠れない夜が続いている。雑居房は完全にヤり部屋と化していた。
毎夜胸を弄られ、下は掘られる。薬の効果がなくなれば何とかなると思っていたが、効果が切れる前に看守が薬を届けに来る。敏感な身体はそこかしこを弄られ、ありとあらゆる部位が開発される始末だ。
狂ったように絶頂を迎え、体力が尽きても向こうの体力は尽きない。それどころかヤリたい奴がヤり、眠りたい奴は眠るという制度を起用したせいでどの日も「元気」な奴がいる。
睡眠時間が昼間しか確保できず、昼であっても発情する奴がいれば起こされ身体を弄ばれる。そのため行為の最中に意識がトぶことも頻繁にあるのだが、そのたびに殴られては目が覚める。
クロコダイルの身体はボロボロだった。
しかし、心もそうなのかといえばそうではない。確かにプライドは傷つけられ、踏みにじられた。それは事実。だが夢や志が奪われたわけではないのだ。
いつか娑婆に出て、また海賊を始める。己の夢がためにワンピースに辿り着かなくてはならないのだ。白ひげに負けっぱなしなのも気に食わない。
心はまだ、折れてはいない。
そもそもが海賊なのである。これくらいのことでへばってはいられないのだ。
と、自分に語りかけて精神を保つ。一種の自己暗示。身体がいいようにされたとしても、どれだけ涙に頬を濡らしても、心は折れていないと言い聞かせる。そうして日々を凌いでいた。例えば食事の最中だとか。
食事は1人分ずつ配膳される。それを食べるだけで別段ルールがあるわけではないのだが、手を後ろで拘束されたクロコダイルが食べられるはずもない。
そのことに気がついた時、クロコダイルは食事の前でしばし呆然とした。つまり犬食いをしなければならないのである。この自分が。
夜に体力を削られるため、食べなくてはやっていけない。そう思い顔を盛りつけられた雑炊に近づけたが、食すまではいかない。姿勢を直しては顔を近づけ、また姿勢を戻す。そしてまた顔を近づける。
それを繰り返していた時、黒髪を掴まれ、顔を雑炊に押しつけられた。
「んぐっ」
温く水分の多いそれに顔が埋まる。早く顔を上げなくては窒息してしまう。
体力のほぼ残っていない体を無理に起こして、深く息を吸う。しかし束の間のうちに、今度はより強い力で顔を押しつけられてしまった。そればかりか背中に別の囚人が跨る。
「んーっ!!」
体を起こそうにも昨夜散々な目にあったのだ。体力は無いし、足腰が痛い。
必死に抵抗してみても海楼石の手錠をはめられ男に乗られているので、体勢が変わることはなかった。
時間が経つごとにズブズブと顔は沈んでいく。鼻に雑炊が入り込んできて、ツンとする痛みと息苦しさに思わず咳き込む。
しかしそんな状況で咳き込めば酸素を手放すことになってしまい、息苦しさは増す一方である。口の中にまで雑炊は入り込み、固形物でどんどん息が詰まっていく。段々と意識も朦朧としてきた。
下手をすればここで死ぬ。そんなことあってたまるかと力を振り絞って抵抗するがそれも叶わず、クロコダイルの意識は途切れた。
クロコダイルの力が抜けぐったりすると、囚人は背中からどき、頭を抑えていた者は髪を引っ張り息ができるようにした。
するとクロコダイルは激しく咳き込み意識を取り戻す。口や鼻から雑炊が飛び散って、やっといつも通りの呼吸ができるようになった。
「ク、ソ……ハァ……野郎、がっ……」
汚れた顔で睨むクロコダイルの頭を、囚人はまた皿に押しつける。どうやらクロコダイルを痛めつけることに、楽しみを見い出したらしい。
「おい! や、めろ……っ」
不意打ちとはいえ予測できることだったので、何とかスレスレでクロコダイルは耐える。しかし優位にいるのも、相手の弱みを知っているのも囚人側である。
「いいのかなあ! 抵抗してよお!!」
大声を出して囚人は腕に力を込めてくる。
「昨日何されたのかも忘れちゃったのかなあ!!」
「うっ……」
大声を出されると抵抗する力も少しだけ弱まってしまう。
「あーあー! あんな姿晒して! まあだ抵抗する気があるんだ!!」
「言うなっ……!」
首に力を込めて、何とか抵抗する。
「乳首でイッて! ケツ穴でメスイキ!」
「やめろっ……」
もう首が辛い。これ以上耐えられそうにもない。
「今さら抵抗してみてもさあ! 何も意味ねえじゃん!! なあ!?」
「やめてくれ……」
ぷるぷると首が震える。
「怒鳴られるだけで!! 何もできねえくせによおっ!!」
「おれ、は……」
──べシャッ。
「んうーっ!!」
また顔が埋まって、息ができなくなる。息苦しさから反射的に息を吸おうとすれば、鼻や口に雑炊が侵入してきて余計に命が脅かされる。しかし体の防衛本能が「酸素が足りないのなら吸え」と囁き、足りない酸素を逃がしながら雑炊を吸い込んでしまう。自らの体が、より危機的な状況に追い込んでいく。もう、どうしようもない。
どれだけ時間が経っただろうか。
また意識を失った頃に顔を引き上げられた。そして先ほどと同じように咳き込んで──吐いた。
「おえっ。……は、うえっ」
咳き込みすぎたせいか吐き出す雑炊がなくなっても、代わりに胃液がせり上って吐き出される。
やっと落ち着いた時、囚人が目の前にやって来て皿をどかした。
「食え」
「あ? じゃ、あ……皿こっちに、寄越せ」
息も絶え絶え言うクロコダイルを男は嘲笑って、床を指差した。その先には吐瀉物がある。
意味を理解したクロコダイルの顔に、ビキリと血管が浮き上がった。
「ふ、ざけるなよ」
顔を上げ言い返した瞬間、クロコダイルの背が沈んだ。背に乗られたのだ。吐瀉物が眼前に迫る。
目の前にいた囚人も、再び手を頭に添えた。
「はーい。早く食べて〜」
「誰がそんなこと」
力を込められ、吐瀉物が鼻に付く直前で顔が止まる。
「このまま付けられたくないだろ!? 食えよ!! 早く!! 食え!!」
「するわけ……」
「食! え! よ!! 何お高く気取ってんだ!!」
「いやだ……」
「はあ!? な! ん! て! 言った!?」
「い、いやだ……」
嫌だ。そんなことしたくない。
声がガンガン頭に響く。吐瀉物の臭いが鼻につく。
乳首は腫れるほどつねられた。穴は無理やり押し込まれた。
顔を押す手の力が増す。腹も胸も圧迫されて、先ほどまでではないにしろ息が苦しい。
何度も突かれた。気持ち良さで頭がおかしくなりそうだった。
あと少しで吐瀉物に顔から突っ込むことになる。囚人たちが野次を飛ばすのが聞こえる。
穴を突かれて潮を吹いた。乳首だけで何度もイッた。
嫌だ。怖い。ここは、怖い。
──あ。
「おい見ろよ! コイツ本当に食ったぞ!」
「マジで!?」
「砂漠の英雄サマが床のメシどころかゲロってマズいんじゃねえの?」
気がついた時には舐めるようにして吐瀉物を口にしていた。
意識ははっきりとしている。野次も明瞭に聞こえる。何より自分だって嫌がっている。
だというのに、その「食事」を止める気は起きない。
「あーあ。家畜みてェによ」
「そんなんがよっぽど美味いのか?」
──従ってしまっているのは、ここで相手を逆上させても不利益しかないからだ。
クロコダイルはそう言い聞かせる。
自分の心はまだ折れたわけでない。
だからまだ、大丈夫だ。そのはずだ。
この姿がどういう風に見えているのか考えないようにして、クロコダイルは「食事」を続けた。