飛びたいアチャモ
とある小さな島に一匹のアチャモがいた。
そのアチャモは産まれた時に初めて見た大空に感動し、やがて空に憧れるようになったのだ。
アチャモは一人ぼっちだったが、めげずに飾り羽を必死に動かしていた。
雨が降ろうが雪が舞おうが決して諦めなかった。
ある日一匹のコモルーに出会った。
そのコモルーもアチャモと同じく大空を駆けるのが夢だった。
天を仰ぎながら夢を語るコモルーの目は、あの空に浮かぶ太陽のように輝いている。
やがて同じ夢を持つコモルーとアチャモは仲良くなり、共に羽ばたくための特訓をするようになった。
地を踏み込み、風に体を任せ、無限に続く大空へ思いを馳せる。
コモルーとアチャモは毎日同じことを繰り返していた。
きっと普通は毎日同じことを続けていると段々と飽きてくるものなのだが、二匹の空に対する情熱はその怠惰すらも打ち消すほど熱かった。
ある日アチャモが目覚めると、いつも寝泊まりしている洞窟からコモルーの姿が消えていた。
不安に思ったアチャモは洞窟を出てコモルーを探すことにした。
いつも練習をしている場所へ向かうと、なにやらポケモンたちが何かを取り囲んでいるのが見える。
近づいてみると、ゴルバットたちがコモルーに対して攻撃を仕掛けていたのが分かった。
数が不利な中、成す術もなくひたすら攻撃を受け続けているコモルーを見た瞬間、アチャモは大切な友を助けなければという衝動に駆られた。
覚悟を決め、思い切り地を踏み込む
背を向けているゴルバット目指し全速力で走る
段々と上がっていく体温に比例しスピードも加速していった
そしてゴルバットの近くまで着いたとき、
足に力を込め思い切り地面を足で弾き返す
そして高く跳ねたアチャモは、一匹のゴルバットを強く蹴り飛ばした。
突然仲間が吹き飛んだ事により他のゴルバットは驚き、逃げてしまった。
アチャモの心には大きな風が吹きつけていた。
大切な友を守れたこと
そして
アチャモは空を飛べた。
その揺るがぬ事実は、アチャモを感動させるのには十二分の出来事だった。
とある小さな島に一匹のバシャーモと一匹のボーマンダがいた。
ボーマンダは背にポケモンたちを乗せ、大空を見せてやった。
バシャーモは大切な者を守りたいというポケモンたちに、技を教えてやった。
小さな訓練場で飛び跳ねるバシャーモの目は、夢を語るコモルーのように輝いている