頼れる奴らは大体倫理感が死んでる①

頼れる奴らは大体倫理感が死んでる①

稲生紅衣メメ虎屋ダルヴァの主

「おお藍染 元気しておるか?」

「元気ですよ それとわざわざ平隊員の僕に何か用ですか?」

まだ平子副隊長に任命される前の頃 稲生はこの頃から既に藍染に眼を掛けていた

「いやあ遂にお主の"ふぁん"二号が出現したことを教えてやろうと思ってな」

「はぁ...?そもそも一号は誰なんです?」

「吾じゃが?」

藍染はちょっとキョトンとした顔をした後その二号とやらについて説明を求めた

「霊術院におる子でな あれじゃよ...新聞に載ってた虚を倒した小さい子 あの子がお主のサインが気に入ったようでな!他の隊長を押しのけてお主の取っておったぞ!」

「......あの子ですか 成程」

誰が二号なのかが分かると藍染は怪訝そうななにか考えているような顔をした

「あー...会ったこと無いじゃろう 別にお主の事をどうこうとは言わずなんとなく取った感じじゃったし 字が綺麗だったからじゃないかの?なんにせよお主を好く者が増えるのは良い事じゃと思うぞ」

多分『会ったことあったかな?』と考えていると思った稲生はそうフォローした


「そうですね...稲生五席は彼女の事をどう思ってます?」

「どうと言われると...色々と持ち腐れておるなと思うぞ」

少しだけ藍染の顔が強張る 藍染はまだ何も言わず稲生の続く言葉を待った

「あれだけの力を持っていれば碌な目に合わん どう振る舞うべきかそしてどう力を振るうべきか考えられるように導かねば確実に不味いじゃろう 力も貴族としての権力も正しく使わねば身を滅ぼす...導く者が必要じゃ」

そこまで聞くと藍染の緊張は解けたように見えた

「まあ吾一人にはできそうもないし他を頼るがな!こういうのは浮竹やら京楽とか真面目な奴なら狛村とか頼むのが良いかのう!」

「稲生五席...隊長たちを呼ぶときはちゃんと隊長を付けないとダメですよ」

藍染はメガネを逆光で光らせながら凄んだ 少しだけ笑いつつ


という訳で早速浮竹に梨子の教育を行いたい旨を伝えたが

「だめだ!」

「なぜじゃ!?しっかり考えて卍解は入っておらんぞ!?」

「彼女は野心ある者に狙われて可能性すらある 隙を作り過ぎるような訓練はすぐさま準備無しには行えない」

浮竹が言うに特に外部の人間が出入りした上で基本実戦を含めた訓練を梨子がする場合は特に注意が必要であり警戒を用意してから望むべきだという判断だ

「という訳で君には縛道の座学とあくまで教室内で出来る範囲での実践程度に留めてもらいたい!」

「えぇ~...」

トボトボと小さい背を更に丸めてコンパクトにしながら稲生は帰還した

そして教員に連絡した所

「教室で出来る範囲で出来るだけハードに実践的にやってみましょう 暗殺を考えるなら屋内で戦えるようにすべきですよね?」

「やはり頭が良い奴は言い訳が上手くて助かるのう!」


一方何も知らない梨子ちゃん

「海燕...ラーメン屋行く?回数券貰ってるから」

「...おう!他の奴らにも声をかけてみようぜ!」

ちなみにラーメン屋は安全確保のため教員から船附まで連絡してもらって霊術院まで来てもらった

船附曰く「俺は一杯作ると十分は動けん...ほぼ嫁が作ってた」とのこと


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