頂上戦争inアド10
麦わらのルフィを全力で援護しろ。
白ひげの賭けに呼応して、ルフィをエースのいる処刑台にたどり着かせるために海賊達が突破口を開く。
イナズマがイワンコフの髪から飛び出し、処刑台に繋がる橋を作った。
ルフィは橋を渡り、エースの元を目指す。
だが、そこにガープが立ち塞がった。
「何とかしなよ麦わらボーイ!」
「イワンコフさん、心配ないですよ。」
「ヴァナタ、どうしてそう言い切れるの?」
「ルフィの覚悟の方が何倍も強いから。」
ガープは殴り飛ばされ、地面に向かって落ちていく。
その様子にイワンコフが呆気に取られていると、髪の中にいたはずのアドは忽然と消えていた。
■
遂に処刑台にたどり着いたルフィは、センゴクの一撃をMr3と共に何とか凌いだが、ギア3の反動で体が小さくなってしまった。
「逃すと思うなぁ!」
「くそ…。」
センゴクがもう一撃を放とうとする。だが、何者かが崩れ落ちる処刑台を足場にして飛び上がり、ルフィ達とセンゴクの間に割って入った。
「アド、お前…。」
「エース君、また会えてよかった。」
落下していくエースに振り返って笑顔を向けたアドは、ルフィに後を任せ、空中でそのままセンゴクと向き合う。
「蜃気楼…貴様…!!!」
「あんた達の下らない理由でエース君は殺させねぇよ…!」
二丁拳銃で弾幕を張る。巨大化しているセンゴクは的になるだけだ。能力を解除せざるを得ない。
だが巨大化を解除しても海軍元帥の実力は全く落ちない。銃弾を躱してアドとの距離を詰めていく。
「そんな体でおれを止められると思っているのか!?」
「アタシが何の考えも無しにあんたに挑むとでも?」
「なにを…!」
センゴクが遂にアドに一撃入れられる距離まで迫ったその時、カチリと何かのスイッチを入れる音がした。
「どんな覇気使いでも、音は防げないですよねぇ…?」
「…!?」
壮絶な笑みを浮かべたアドがスーツの裏から取り出したそれは、音爆弾。
キィンという凄まじい轟音と共に炸裂しセンゴクの意識をぐらつかせたが、ナギナギの能力を持つアドにその音は聞こえない。
「ぐぅ…。」
「あんたには一発入れたかったんだよね。親の罪を子供に着せるなんてクズにはさぁ…。」
「――――!」
バキッという音と共に、武装硬化した銃身に顔を殴られたセンゴクは地面に叩き落とされた。
『センゴク元帥!!!』
「私に構うな!エースと麦わらを撃て!」
(しまった…!)
砲撃がルフィとエースを襲う。
二人は爆煙に包まれた。
だが、爆煙の中に炎のトンネルが広がる。
遂に解放されたエースは、ルフィの手を引いて地面に降り立った。
「エース君…ルフィ、よかっ、た。」
落下しながら二人の無事を見届けたアドは、限界を迎えて意識を失った。