静かにさせる方法

静かにさせる方法

赤髪立ち入り禁止スレのやつ…キッスとゆびふぇら~をしてほしいの巻


バギーとの“行為”は少し……いや、だいぶ騒がしい。

なめろ、から始まる言葉にしたってなにやら言葉を発さずにはいられないようだった。

「やっぱハデに無理だってぇ」「やっぱエグいって……」「ご立派すぎない?」「なあ、これ女の子相手にしたことある?これ挿れられる相手いた?」

フックで首を刈り取って髪の毛をひっつかんでつっこむまでこんな調子だ。よくもまあ自身も萎えないものだとクロコダイルは思う。

それは口に入れているときは意味のある言葉になっていない、というのとその舌がちゃんと“そういう場所”を刺激しているからなのではあるが。

平たく厚く熱い舌がおびえるように先をくすぐり、段差をなぞり、わざとらしくぢゅっっとすいつく。

そしてクロコダイルのそれが十分に反応したころ、バギーは彼の体を抑え、体を少しずらす。


「ん~こうするのも一苦労なんだよなァ、小さいっつーのはアレだがデカすぎるのもハデに困るって……」


ごちゃごちゃと言いながら腰を必死にうかせて、尻のあわいに自ら濡らした陰茎をすりつけるバギー。

その行先はすでに解けている。一番最初の時痛みにうめいたのが随分とトラウマらしい。呼びつける日にはしっかりとどろどろにするようになった。

いつか自らの前で準備させてみるのもいいかもしれない、とクロコダイルは思っている。


「お゛おぉ~~~~っ゛♡ 奥までク゛る゛……っ♡」


ずぶずぶとバギーが腰をおろす。ずりずりと内側がすられ、あっという間に奥にたどりつき、更に奥へ。少しためらいがあったものの何度も拓かれたそこは少し力をいれただけで男を迎え入れる。

自ら迎え入れるスタイルになったのはフックがあるとはいえほぼ片手で自重を支えるのは面倒なのと、あくまでこれはバギーが奉仕側としてやっている行為ゆえだ。

本来は気持ちよくさせる必要もない。

クロコダイルがやることといえば奥にはめ込んで気まぐれに腰を動かしてやるだけだ。

それがいつもの二人の行為で、勝手にあえぐバギーを下から眺めながらクロコダイルにとってはぬるま湯のような時間だった。

BGMには少しうるさいが一人でここがいいだのこれ以上はだめだのとやっているのは少し滑稽で気分が良い。

自らが必死に腰をふるなどしてやるものか。単純に解消されればいいだけで、そこに自らのってきたやつがいて、手近で面倒がないから使っているだけの話である。


それがどうだ。今日はいきなり顔が近付いた。

とばしたのだと気が付く前にはもう避けようもなく、頬に柔らかな感触があった。それは彼の特徴的な大きな鼻の先のものであったし、唇のものでもあった。

リップ音。わざと鳴らされたそれが聞こえるころには満足げな表情を浮かべた生首が元に戻っていく。その唇にひかれた紅は先程よりも形が崩れよれている。

やってやったぜといわんばかりの男の顔に、思わず口付けされた場所を指で触ればうつされた赤色の痕跡が手にもうつった。


「ん、へへ、ぇ……似合ってるぜェクロちゃん♡」

「……随分と余裕があるようだな?」


ガシリと大きな手がその顔の半分ほどをも覆う。

悪魔の実の能力の行使を思い起こさせるその行動だったがあいにくと今のバギーには脅しにはならない。

下にクロコダイル自身をくわえこんでいる今、そういたことはしないだろう……。それが本能的にわかる程には行為を重ねているのだ。


「とりあえずこれは綺麗にしろ」

「んん、クロちゃん潔癖ィ?ぉお゛っ!?」


あまりに変わらないのでつかんでいた手を離し頬の輪郭をなぞるように撫でる。

その行為にあまり怒っていないと判断したらしい。変わらずにナメた口をきいているうちに大きく腰を揺らしてやった。

喘いで開いたその口に紅がうつった指先を押し付ける。


「ま、待てって!せめてさァ!」


まるでしゃぶらせる時かのような行動に、バギーの目にはほんの少しの理性の光が戻った。

両手があわてて右手をひっつかんで引きはがす。


「……もう、せっかくいいもんつけてんだからよォ……」


はふ、と息をついた彼の手袋をつけたままの掌がクロコダイルの生身の手に絡んだ。

すり、と指同士をこすりあわせるように手の甲をなぞると、大きな宝石のついた指輪をひっつかむ。

思ったよりも丁寧に指輪が引き抜かれ、そして静かにサイドボードに静かにおろされた。一つ。二つ。

三つ目を外しながら人差し指に舌が絡む。くわえられる。


「んぐ、クロひゃん手もでっけー……指だけでほーんなとこまで来てらァ♡」


指が喉の奥、柔らかい部分までのみこまれる。蕩けた声が合間から漏れ聞こえ、唾液に濡れた指に声が響くものでクロコダイルは思わず指を跳ねさせた。


「ぇぐ、っ、んん……♡」


喉の奥の急所なんて場所で指が暴れたものだからえづくバギーだったが、むしろそのまま迎えるように喉を鳴らす。

ぺろり。良く回る舌先が指輪がはめられていた跡をなぞる。

かぷり。猫の子よりも甘く歯がたてられる。


「……バギー、こんなの誰にしつけてもらったんだ?」

「お゛ぁ゛っ!? なんだよォ、お゛♡ 嫉妬かァ、ッン?♡」

「どうやらまだまだ余裕があるらしい」


ぐじゅ、と頬を外から内からなぞっていく。やさしくすりつけるように。布の感触でも確かめるように。

外側に添えられた唾液に濡れたままの人差し指がバギーの口紅をさらに薄めた。

内頬のつるつるとした場所を撫でる親指に必死に吸い付きなめる姿は赤ん坊のおしゃぶりのようだった。違うのはちらちらと白い歯から赤い舌がのぞくことと、その目が淫靡に細められていることか。

口内に唾液がたまり水音がはげしくなる。合わせるかのように下の穴のしめつけがキツくなった。



「んぢゅっ♡ ぇぅう゛♡」

「なんだ、媚び方を教えてくれたヤツはどうやらしっかりと“使ってた”みてぇだな?道理でしゃぶるだけで勃つワケだ」

「な、もっと、ンぁ、もっと口のなひゃ、ぐじゅぐじゅにして、いい、ぜ……♡」


煽っているつもりなのだろうか、ニヤリと笑う道化の顔と口調。相手が悪いことに未だ気が付いていないらしい。砂の王はそのまま願いをかなえてやることにした。

小さくはない口ではあったが、クロコダイルが追加で人差し指と中指をつきいれれば流石に大きく開いたままになる。

ぽたりとたまりきった唾液が体の上へと落ちた。

精液がかかるのも唾液がかかるのも、本来ならば決して許しはしないだろう。鼻水だって涙だってそうだった。汚ェと殴られた、その返り血だけがかすかに存在を許される。

だが今日ばかりは何もなかった。むしろ面白いとでも言わんばかりに水分だらけの口内で指が暴れる。

新しくつきたてられた二本の指が良く回る舌をはさみすりあげる。

まるで自身をしごいているかのように。表面のざらざらを逆立てるように。ゆっくりと。

親指の丁寧に整えられた爪の先が下顎をかする。


「んぶっ♡ ぅ、ふ、ぇぁあ゛♡ ふぉひゃん……♡」

「クハハ、何言ってるのか全然わからねェぞ。社長ならもっとはっきり部下に教えてくれるべきだよなぁ」

「ん!? あ゛、ぉほ♡ ぉあっ、あ゛あ゛……?♡ う゛ぶ、んぅぅぅ゛♡」


突き上げられる腰。突き上げるたびにぼこりと中にあるモノの証明をしめす腹。

いきなり早められた律動に息をのめば、一点、優しさから転身して指が好き放題に口内で暴れる。

歯の裏側。えづくギリギリ。上顎。

息をのみたいのにそこにあるのはクロコダイルの指だけだ。

三本が暴れまわるその隙間からかすかに酸素をとりこもうとして喉が収縮。一緒に指まで飲み込みかけてその爪が喉奥を撫でる。


「んぅ~~~~っ……!?」

「流石にこうしてりゃ無駄に回る口も形無しだなァ?」


再び機嫌よく喉を鳴らして笑うクロコダイルの声も顔の内側のあちこちでなり続ける水音でバギーにはうまく聞こえない。

思わずとんだ手がクロコダイルの体を押し返そうとし、ぐるりと上へ消えかけた黒目ではその先をうまく視認できない。

手袋がクロコダイルの顔をすり、自らの唇からうつった紅を傷跡の方へとぬりつけるようにすべっていく。

一瞬視界を奪われた先で陰茎がひときわ強いしめつけと痙攣に襲われた。


「ぁ、う゛~♡♡」

「……チッ」


手首が力をなくすのとボトリと力が抜けてバラけた上半身が寝転ぶ体をさけるかのようにシーツの上に沈み込んだのは、道化の奥の奥に勢いよく種が叩きつけられた数秒後の事だった。


「ん、ふ……」

「だらしねー顔してやがる」


戯れに落ちた首の、未だ口の中に飲み込まれている指をうごかせばかすかな喘ぎがくすぐった。

力なく開いた口からたれる唾液がシーツにしみこむ。気絶した赤鼻の顔はお世辞にもきれいともかわいいともいいがたい。

それなのにクロコダイルはほんの少しだけ……いつもより長く顔を眺め鼻をならし、くしゃくしゃに散らばった青髪でべとべとの指をぬぐい、つぶさないように上の方に引き上げてやった。

マットに身を沈めめなおした彼が指輪をはめなおすのはもっと後のことになりそうだった。








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