『電話』
麦わらの一味の航海士であるナミは実は最近、微笑ましくも1度注意しようかそれとも見過ごそうか迷っている事が出来てしまった。ダイニングで隣に座っているそれに対してロビンは微笑ましそうに笑っていたのでナミは少し困った。
「・・・でな、その時ブルックが一曲弾いてくれて凄え楽しかったんだ!」
『何それ見たいみたい!!良いなぁ〜』
「いつか一緒に行こうぜ!」
『うん!』
それはルフィとウタの長電話・・・ならぬ長電伝虫だ。元々ルフィはあまり電話が長くなるタイプではない。何故ならそれよりも実際に体験する方へ飛びつくタイプだからだ。しかし、どういうわけかウタとの話だけは長くなってる。最初は十分ぐらいだったのが今では1時間を超える時もある。
これが毎日なら流石にナミも小言が出たが7日に1回くらいなので怒らなかった。しかし、日に日に伸びているような気がするのも事実。
『あ、もう切らないと最近シャンクスがぶつくさ言ってきて煩いから、じゃあね!』
「おう、またな!」
ルフィとウタはそう言い合って電伝虫を切った。ナミはそれに対して笑みを浮かべつつも少し溜息が出ていた。
「ん?どうしたんだナミ?」
「楽しそうね」
「ししし」
嬉しそうなルフィの顔にナミは惚気けてるなと率直に思った。別にルフィの恋が上手く言ってるのは純粋に嬉しい。それはロビンも同じだったがこうもあからさまな惚気を出すとため息も出ると言うものだったが贅沢かつ幸せな悩みだと思ってナミは優しく微笑んだ。
「幸せそうね」
「おう!」
「ふふふ」
「じゃあ、ウソップと釣りやってくるな!」
ルフィはそう言ってダイニングを後にした。ニコニコと微笑んでるロビンはナミにそれを向けた。
「楽しそうで良かったじゃない」
「そりゃそうだけど、ああもあからさまに惚気けちゃうと・・・」
「惚気けちゃうと?」
「ちょっとからかいたくならない?」
「ふふ、そうね・・・」
少し意地悪く笑うナミにロビンもまた微笑んだ
今度、泊まりに来るウタと絶対に喜ぶルフィに対してほんの少しだけ軽くからかう事を決めたナミとロビンだった。