明日は特別な昼ご飯

明日は特別な昼ご飯


ありがたい、今日は良い日だ…千円を貸してもらった。これで緋葉に良い物を食べさせられる!誕生日でもなんでもないが思い立ったが吉日、明日は御馳走だ

早速買い物に行こう。雨が降っているから傘を持って…

「行ってきます」

返事はない

今日は土曜日で緋葉はバイトに行っているから当たり前だ。今更思い出したが、君は明日はバイトの予定が無いと言っていた。なら尚の事明日は頑張らないといけない

バレない内に…と足早にスーパーに出かけて行った


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初めてのスーパーには色々なものがあった。ベーコン、刺し身、ピザ、ポテチ…全部が全部、僕達にとっては高級品だ。千円札を握り締め、戦場に向かう戦士の気持ちで買い物を始めた

「まずは…あった!ずっと憧れてたんだ…!パスタ、楽しみだなあ」

黄色くて細長い麺をかごに入れる。ナポリタン(…というんだったか)はテレビの中でしか見たことがなく、乾麺の状態だって今始めて知った。ここまでレアな物を出せば、君もきっと喜んでくれるだろう

「ミートボールとトマトの缶詰…ついでに蜜柑の缶詰も買おう。明日のお昼が待ち遠しいな」

会計を済ませ、長いレシートを握り締める。そしてにやけた顔のままアパートの一室へと帰った


雨は、相も変わらずに降り続けていた

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