闇の夢と運命の再会
無敵ロイヤルキャンディ運び屋シロップからナッツハウスに届けられた手紙は、以下のような文面であった。
『皆さんお久し振りです、花咲つぼみです。プリキュア5の皆さんに再びお会いしたいという方とお友達になり、わたしとしても是非とも会って頂きたくお手紙を書かせて頂きました。
期日は○月✕日、待ち合わせ場所はおいしーなタウンです。その日は巨大ケーキパフェを食べられるスイーツイベントがあるのでよければ参加してはいかがでしょうか?
お返事お待ちしております』
「私達に…プリキュア5に会いたい?しかも再びって事は1度会ってるのよね?」
「わざわざぼかす必要があるのかしら…?」
「でも、差出人はあのつぼみさんですよ?…シロップはその人に会ったんだよね?」
「ああ。それとつぼみと…あと花寺ってのも一緒にいたな」
「のどかもいたのね…」
「なら何かの罠って可能性はないでしょ。のぞみは?当然行くつもりなんでしょうけど」
「もちろん!だって巨大ケーキパフェだよ〜今からワクワクしてきちゃった!」
「本当、あんたは相変わらずねー。そういえばおいしーなタウンにもプリキュアがいたんだったわよね?」
「デリシャスパーティプリキュア、まだ会った事なかったわね。どんな子達なのかしら?」
「スイーツって事はシュークリームもあるココ!」
「豆大福もきっとあるナツ!」
「よーしじゃあおいしーなタウンに行くぞー!けってーい!」
高らかに謳うリーダーの号令に、プリキュア5のメンツは首肯した。
〜◇〜
「拓海ー!早く早く!早くしないとイベント始まっちゃうよー!」
時はイベント当日。待ってましたとばかりにスイーツイベント会場に意気揚々と向かう拓海含むデリシャスパーティプリキュアとそれに同行するつぼみとのどか、そしてダークドリーム。
「別に急がなくてもイベントは逃げないだろ。…食材の方は分からないけど」
「あの、すみません拓海さん、イベントに向かう前に、寄っていきたい所があるのですけどいいですか?」
「拓海くん、わたしからもお願い。イベントの前にダークドリームちゃんに会わせたい人がいるの」
「ダークドリームに?」
ダークドリームは現在出自の特異性からおいしーなタウンで福あん、及びなごみ亭にて自身の転移能力を活かした荷物持ちや掃除等の手伝いをしながら福あんで生活している。己が無知であるが故に知識欲も旺盛で、拓海の教育の甲斐もありたどたどしくはあるもののお見送りや敬語での接客も行えるようになっていた。
「そうなのか、なら私達はその際少し離れていた方がいいかもしれないな」
「はにゃーリムぴょんのお友達かー…どんな子なんだろう?」
「ごめんねみんな。本当はみんなとも会わせた方がいいとは思うんだけど、まずはあの娘と対面させて。…やっと、会う決心がついたから」
「…そうか」
「わたし達はその付き添いです。あちらと顔も効きますし、色々と説明も必要ですから」
〜◇〜
おいしーなタウンに到着したプリキュア5ご一行。妖精であるココとナッツも人間態になりのぞみ達を見守りながらも自分達も楽しむ気満々である。
「あまり遠くまでいくんじゃないぞー」
「もう、ココってば遠足の時の先生みたい」
「だって先生だからな」
「美味しそうな料理の匂いがあちこちでしています!」
「まさに食のテーマパークね」
「イベント会場はあっちかしら?…ってあら?のどかさん?」
「こまちさーん、こっちこっちー!」
こまちが見つけたのは走ってくるのどかの姿。後ろにはつぼみと、そして…
「……!?…!」
「ちょっ、のぞみ!?」
その姿を確認するや否や、のぞみは駆け出していた。かつて鏡の国にて自分と戦い、そして自分を庇って消滅した「ともだち」の姿があったから。思わず感極まりながらも、のぞみは友の名を呼ぶ。
「ダークドリームっ!」
「のぞみっ!」
正面からダイブしたのぞみを受け止めたダークドリームも、同じく感極まって涙を流していた。
「夢じゃないんだよね…!ダークドリーム、会えて嬉しい…!わたし、あなたと話したい事がいっぱいあるの!」
「私もよのぞみ!ずっと、会いたかった…!」
「「「えぇ〜!?」」」
突然の事態に驚きの声をあげるプリキュア5組。2人の様子を見て思わずもらい泣きをしてしまうつぼみとのどか。のぞみとダークドリーム、突然の別れで隔たれた2人の想いは、今ここで1つとなったのだ。
イベント開始まで、後30分…