【閲覧注意】─モモイの表情に違和感を持った

【閲覧注意】─モモイの表情に違和感を持った


─私がある日セミナーで忙しくて徹夜をしていた。そしてやっと一通りの仕事が終わった時、モモイがやって来た。モモイはいつものように私をからかっていた気がする。そういえばかなり遅れた報告書を出しに来てたんだっけ。モモイはそれを悪びれずに話してたかな。そこまでの記憶は覚えている。しかしそこからがない。目が覚めたらミレニアムの仮眠室で布団を被せられて寝ていた。そういえばあの時ものすごく眠気が来ていてたな。恐らくモモイと会話してる時に疲れて眠ってしまったのだろう。きっと仮眠室まで私を運んでくれて布団を被せたのはモモイに違いない。こういう所で優しくしてくれるのはモモイらしい。そう思った。私はモモイにお礼を言いに行こうと思いゲーム開発部の部室を訪れようとしていて、ちょうど部屋から出てきたモモイと会った。

その時のモモイはいつもの明るい顔とは違っていたことに違和感を持った。

「モモイ?昨日仮眠室まで私を運んでくれたわよね?ありが「ごめんなさい…」えっ?私の言葉を遮りモモイは謝罪を始めた。その時のモモイは涙を流していた。いつもの泣いてる姿はなく、なんだか本気で泣いてるように感じた。「ユウカ…ごめんなさい…いつも私が…ユウカの迷惑かけて…昨日だって…」モモイはそのように話し始めた。えっ…私昨日なにかしちゃったのかしら…

「モモイ?えっと…落ち着いて?私怒ってないから。ごめん昨日私モモイになにかしちゃったかしら?」そういえば私は抜け落ちた記憶がある事を思い出した。もしかしたらその時なにかしてしまったのだろうか。モモイに深呼吸を促して、廊下で話すのもなんだし一旦セミナー室へとモモイを連れてきて、ココアを淹れさせた。ココアを飲もうとしたモモイが「あ゛っつぅ!」と舌をヒーヒー言わせてた。ごめんなさいモモイ。ちょっと冷ませばよかったかもしれない。


「ごごごめんねモモイ、もうちょっと冷ませばよかったよね?」私は急いで水を用意させてあげた。「う…うん大丈夫ユウカ…私が悪いから…」とモモイはなぜか自分を責めていた。「いやいや淹れてからすぐに出した私のせいだから!モモイは悪くないから!」といい宥めた後、水に舌を浸からせてから飲むモモイがいた。

「えっと、痛みは治まった?」そういうとモモイは

「うん…大丈夫…。」と言い、少し冷めたココアをフーっ、フーっ、と息を吹きかけて冷まし、ちょびっと飲んでから、大丈夫だと確認し、ゆっくり飲んだ。そしてしばらくしてココアを飲み干したモモイに、口元の汚れを拭くためティッシュをあげると、「ありがとう。」といい、拭きはじめた。しばらくしてリラックスしたのか、涙は治まって、落ち着いて会話できるようになった。

「えっと…あの時─


「あの時私はユウカの所まで報告書を出しに来てたんだけど、途中で『あ〜やっと終わった!今日の仕事終わり!』というような声が聞こえてきたの。それで…」そういえばモモイが来る前に重要な要件を終わらせてたんだっけ?そんな事を言ってたような気がする。「それで…ごめんなさい…私はそれをからかう口実として、『ユウカぁ!残念だったね!今からもう一つ増えるよ!』と言って期限が数日遅れた書類をユウカに突きつけたの。そしたら…ユウカは…」

─力が出ていない拳で机を叩いた。私は一瞬ビクッとしたがこれは本気で怒ってるんじゃないかと思い「ごごごめんユウカ!いやごめんなさいユウカ!出すのを遅れた事を反省しています!許して!」と謝ったが、ユウカは机にうつ伏せになった状態で、消えそうな声で「なんで…なんでなのよモモイ…なんで今のタイミングなのよ…」と震えて話していた。私は

「いやほら!今じゃなくていいから!私が悪かった!明日やろ!いやどうせ遅れてるから後回しでいいよ!?」と言ったがユウカは身体が震えて泣いて、その後眠った。なんだか心なしかユウカの寝息がうなされている様に感じた。



─私はその時罪悪感でいっぱいだった


私は…プツリプツリと…ユウカ…ごめんなさいと呟いた。私はふとユウカの寝ている机を見ると、そこには付箋が貼ってあり、タスクが書かれていた。例えるならゲーム開発の締め切り前の忙しさが常にあるようなハードスケジュールだ。これをいつもこなしているのか、と思った。よくよくみたらなんだかタスクの一覧の2割ぐらいに㋘゛と書いてあった気がする。これってもしやゲーム開発部のことだろうか。ミドリもユズもこれといった迷惑はかけてないだろうし、アリスも大きな事はしないと思う。恐らくほとんど私の事だなと、さすがにわかる。ユウカをここまでにさせたのは、私も加担してる事を目の前で痛感した。


今の私にできる事は?ユウカをこんな硬い机で朝まで寝かせる訳にはいかない。ゲーム開発部の部室で寝かせる事も考えたが、今のユウカに私がいる場所で寝かせるのは気が引ける。そういえばこの近くに仮眠室がある事を思い出した。私はそこまでユウカを運んだ。運んでいる時、いつもユウカの体重をいじってた時ユウカを持ち上げようとした事を思い出す。…なんだかあの時より体重が少し軽くなっていない?とふと思った。そういえば最近ふとももも前より細くなった気がする。

ダイエットをしてる事も考えたがそれより

ご飯食べてるのかな…と思ってしまう。そう考えてるうちに仮眠室へと着いた。私はそこへユウカを寝かせて布団をかぶせた。私はユウカに、ごめんなさい。いい夢みてね。と言い、その場を後にして部室へと戻った。

その日、しばらくは眠れなかった─


今日はいつもより早めに起きた。皆は恐らく徹夜でゲームしてただろうから私以外目が覚めていない。起こさないように部室から出る。ユウカに謝ろう。私はそう思い、部室から出た。

─という所で、ユウカに会ったの。私はそれで…涙が止まらなくて…改めて謝るよ。迷惑かけて

ごめんなさい…。


私がそんな事になってたなんて…しかし一番思ったのは…


「まさかモモイがそこまで考えてくれるとはね…

心配してくれてありがとう。あの時は急に取り乱しちゃってごめんね。」


「いやそれは私が!」


「まぁモモイが全く悪くないわけではないけど、そこまで責めなくていいから。これを期に報告書とかを期限内に持ってったり問題を起こさなかったらもっと助かるわ。」


「うぅ…それは、……わかった。できるだけ頑張るから。」


モモイがこんな事言うなんて、今まであったかしらね?これで少しは楽になるのかしら?


「それと…」


「私の事…嫌いになった…?」


そんなの決まってるじゃない。


「モモイの事嫌うわけないでしょ。」


「ユ゛ウ゛カ゛〜」

モモイは私の所へより抱き出した。その顔はいつもの泣き顔に戻って来たようで安心した。全く…世話が焼けるんだから…。


モモイがしばらくして泣きやんだ後、こんな事を言い出した。


「ユウカ、今日は休まない?もちろん休めなそうのはわかってるけど、どうにかしてできないかな?」


一応激務だったのが昨日まででしばらくは落ち着いてるのよね…。でもまだ残ってるのがあるし…


「ユウカちゃん。今日はモモイちゃんに付き合ってあげましょう。後は私とコユキちゃんがやりますから。」

「囧」


「いいの!ありがとう!モモイ、今日は大丈夫よ!」


「よかった!そしたら部室に来れる?私が頑張ってユウカを癒やすからさ!」


「癒やす?わかったわ。じゃ行きましょっか。」


私はゲーム開発部の部室に行くと、他の子はまだ寝ていた。そしたらモモイは私をソファーに掛けリラックスするよう促された。


「あれ?ゲームに付き合うんじゃないの?」


「それは後!今からユウカを癒やすよ!」


「さっきもそれ聞いたけど癒やすって…?」


「マッサージしてあげる!ユウカは物凄く凝りとかヤバそうだし!」


そういうと私の肩を揉み始めた。


「思った通りやばいじゃん…。力強くするね。」


そういい、モモイはさらに強く揉み始めた。

いつもは自分でケアしたりノアにマッサージされてるけどやっぱり最近の激務が効いてるみたいね。


さっきからずっと思ってるけど…このモモイのマッサージ…すごく気持ちいいわね…!

なんだかしっかりと体温が伝わっていて小さい手で一生懸命揉もうとしてるのがわかっててポカポカしてきたわ。あ〜そこそこ!決して突出するほど上手いわけではないんだけどなんだか安心する感じがして…眠くなっ…。


「ユウカ?寝ちゃってるじゃん。いつもありがとう。おやすみ。」


─その時のユウカの寝顔は気持ちよさそうに寝ていた


その後、ユウカが目覚めた後、ゲーム開発部の皆と、ゲームをして楽しんで、夜遅くまでした後皆と一緒に仲良く寝た─


終わり 〜END〜

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