【閲覧注意】ホシノ×クロコ×シロコ【2/2】

【閲覧注意】ホシノ×クロコ×シロコ【2/2】



「ん、私は悪い子だから」

「……困ったねぇ。それじゃあ、おじさんが助けられるばっかりで、シロコちゃんにはひとつだってしてあげられることがないよ」

「それは……その……」

「お? いいよいいよ~言ってみな。ほら、一つ二つお願いしたって何か減るもんじゃないからさ~」

「ん……寂しかった頃の分、触れてほしい」

「スキンシップだねぇ。それはおじさんとしても願ったり叶ったり───」

「ちがう、そうじゃなくって……」


 シロコちゃんが私の手を取って、真っ白な胸元へ。

 きめ細やかな肌は少し低い体温を伝えて、微かに心臓の鼓動を感じさせて。……シロコちゃんは、何か言いたげにもごもごと口を動かしては思い止まって。じっと熱のこもった視線で見つめてくる。おおう情熱的だねシロコちゃん、なんて呑気なノリでニコニコしてたら、だんだんと……あれ、これってほんとに、そういう?


「や、やだなぁシロコちゃん、おじさんってけっこうスケベなんだからそういうことしちゃうとホントに、」

「……ホシノ先輩、おっぱい好きだよね」

「うぇっ!? あ、あ~ノノミちゃんにけっこう甘えてることかな~? それはどっちかというと精神的な、」

「いいよ、触って」


 薄手のドレスの胸元がはだけられて、膨らみが零れる。

 柔らかに跳ねる。白い肌に淡く混じる薄桃色がきれいで、思わず目を奪われて。……視線を上げて表情をうかがう。きゅっ、と唇を結んだシロコちゃんが頬を染めている。白桃が熟れたみたいに、きれいで。ぐらりと、思考が傾く。……シロコちゃんは可愛い後輩で、というかほんの少し前に私が見つけて拾うまで、右も左も分からなかったような子で。破天荒だけど私の言いつけはしっかり守ってくれる、友達想いのいい子で。たぶん、この別世界のシロコちゃんもそれは同じはずで。───埃っぽい部屋で、果実みたいな甘いにおいがした。はあ、と吐く息があつい。早まる心臓の鼓動をどうにか整えながら、手のグローブを外して、それから。


「触るね」

「ん……」


 シロコちゃんの胸は、私の掌に吸い付くみたいに。

 包み込もうとしたら柔らかく食い込んでいって、とろける。ふわふわしたマシュマロのような感触。思わず感嘆の声が漏れる。……我ながら、演技でもないのにおじさんみたいな反応だ。ひとしきり感触を楽しんで、それから、指を薄桃色のあたりに添えて、擦って。

「っ、くすぐったい、先輩……っ」

「ん~、ほんとにくすぐったいだけ? ほら、だんだん硬くなってきてる」

「ん、ふふっ……そこはあんまり触らない、から」


 可愛げのある反応の合間、不意に混ざった言葉に下心が湧いて。


「…………シロコちゃんって、するの?」

「え、あっ……それは、み、皆がいて平和だった頃は……たまに、」


 どこか薄暗い色気に満ちた表情が、恥ずかしさで色付いて。

 それはこっちのシロコちゃんのミステリアスな雰囲気とも、元々のシロコちゃんの不思議な感じとも似つかわしくない思春期の青さで。しょっぱい果実の味に、どうしてだか昂る。……いやあ、私もかわいい後輩ちゃんをそういう目で見てただなんて。色々な人のことを言えないなぁ。


「へぇ~シロコちゃんがね。普段から運動してたし、そういうのって発散出来てるのかと」

「……そうしてた時もあるけど、夜中にそういう気分になることもある、から」

「おぉ……えっちだねぇ」


 隣り合って、腰を抱き寄せてみたりして。

 シロコちゃんはその眩しい白さの太ももをぎこちなく擦り合わせる。


「ホシノ先輩のこと考えながら、してた」

「……どんな風に?」

「ん、撫でてもらった時の指の感触を思い出したり、思い切り叱られたりして……お仕置きされたらどうなるかな、とかいろいろ想像して」

「おぉ……な、なんだかすごいねぇ」


 聞いているうちに脳裏をよぎるのは、そう。

 平和な頃はしてて、色々大変になった後は多分それどころじゃなかった───ということはつまり、それはそのまま、今アビドスにいるシロコちゃんの性事情を赤裸々に話されてしまってるってことで。……ごめん。ほんとごめんシロコちゃん。いやほんと。この子が寂しがってたからっていうのはあるけど、一番の原因はこのセクシーな感じに成長したシロコちゃんの色気にスケベ心が抑えきれなかったせいだ。だから言い訳はしない。けどまあ、それはそれとして。……明日からどんな顔してシロコちゃんに会ったらいいんだろ。


「ホシノ、先輩」


 シロコちゃんがじっと見下ろしてくる。

 薄く染まった頬が、青白い月明かりに照らされて、ほんとうに綺麗だ。ああもう、こんな美人に成長した後輩ちゃんに言い寄られるなんて先輩冥利に尽きるなあ。いやほんとは私の後輩じゃないんだけども。迷ってしまうのはやっぱり自分の内面のせい。外面をいい先輩として取り繕い違った私は、こうして我欲が表に出るのをどうしても気味悪く思ってしまう。……シロコちゃんが望んでくれてるなら、それでいいはずなのに。

 シロコちゃんのつめたい手が、私の手を取って腿の上に添えて。


「……ホシノ先輩が、気持ち悪くなければだけど。私のここも、触れてほしい」

「気持ち悪いなんてことはないよ。でも……いいの? こんななし崩しじゃ、まさに一夜の過ちって感じでしょ」

「私にとっては、そんな後ろめたいことじゃないから。……ホシノ先輩にとっては、どう?」

「んん……いや~、そもそも表立ってこういう話はしないんじゃないかなぁ!? ……でも、まあ、シロコちゃんと、っていうのは私にとっても悪いことじゃない、けども」

「それなら───ホシノ先輩の手で、深くまで触れてほしい。撫でてもらった思い出も、抱き締めてもらった記憶も別れと結びついてしまったけど、新しい思い出はきっと、色褪せないでいられるから」

「シロコちゃん……。───ほんとにそういうつもりで誘ってる?」

「ん、ホシノ先輩とこういう雰囲気になったわけだし折角だからえっちしたいだけ……」

「素直でよろしい、いい子には……ご褒美、あげなくっちゃね~」


 目と仕草で促せば、シロコちゃんは腰を浮かして。

 スリットから手を滑り込ませて、ショーツをするすると下ろしてあげる。膝のあたりまでずらして、そのしっとりと濡れた布地を認めて。……そういえば。


「このドレスってさぁ、どうなってるの~? こんなぴらぴらじゃすぐ脱げちゃうと思うんだけど……」

「ん、これはその……色彩のせいで元々着てた制服が変質した物だから、ある意味身体の一部みたいなもので……」

「えっ、つまり……シロコちゃんは普段から裸ってこと!?」

「ち、ちが……そういうわけじゃ、」

「ん~、でもなかなか目に毒な衣装だし、おじさんとしてはもうちょっと厚着してほしいかなぁ」

「……ん、気を付ける」


 強張ってた身体から力が抜けて、雰囲気が緩んで。

 別に狙ってやったわけじゃないのだけど、緊張しすぎてるお互いにはちょうどいいのかもしれなかった。囁くような声で、さわるね、と告げた。微かに頷くのを認めてから。指で。そこを掬うように。とろりと溢れたものに包み込まれて、それが伝う。柔らかい銀の毛並みがしっとりとしていた。


「わ、大洪水だねシロコちゃん」

「……っ」

「恥ずかしがらなくていいからね、どう? ……痛かったら言ってね?」

「ん……き、きもち、いい……」

 

 裂け目を形に添って撫ぜるように、優しく。そうしたら恥じらい混じりに答えながら、気持ちよさそうに目を細めてくれる。頭上の耳が忙しなくぴくぴくと動いてる。


「せん、ぱい」

「……もう、欲しい?」

「ん、奥まで、さわってほしい……」


 舌足らずに求めてくる仕草に、たまらなくぞくぞくする。わざとふざけてるが故の悪い振る舞いとは別の、邪な気持ちがふつふつと溢れて。入り口に指を添え、シロコちゃんの表情を窺う。汗ばんで、瞳は生理的な涙で濡れて、口元は緩んで。どろりと熟れた果実のよう。その瞳を見つめながら、ゆっくりと、ゆっくりと指を進めていく。……シロコちゃんの内側はあつく柔らかくて、それでいて最初の入り口はきつく強張って、私の指をぎゅうぎゅうと咥え込む。私が中を軽く探りながら進むたび、シロコちゃんは顔を逸らして、手の甲で口元を抑えて、でも、隙間から擦れるような喘ぎ声が漏れていた。それでもなお、時折視線が混じり合った。不安と期待が入り混じる瞳。


「……指、ぜんぶ入ったよ、シロコちゃん」


 声に合わせて、私の指に絡みつくように収縮して、まとわりつく。その感触にまたびくついて、声を漏らす。


「あっ……ホシノ、せんぱい、」

「きゅっとなったね、気持ちいい?」

「ん、きもち、いい……」

「そっかそっか~。じゃあ、こことか、」

「あっ……!?」


 目を白黒させ、身体を反らす。ぎゅうぎゅうと指を締め付けてくる力が強くなって、シーツをしわくちゃにして。行き場のない手を導いてあげて、肩を掴ませてあげる。そうして指をお腹の方へ、擦るように動かせば強く、強く抱き着いてきて。


「いいよ、シロコちゃん」


 とんと背を叩いた。シロコちゃんは身を震わせて、跳ねる体を無理矢理に私に抱き着いて抑え込んで。指に絡みつく感触が痙攣して、そこに、亡霊めいた少女の命を感じる。色付いて濁った声が、吐息と一緒に繰り返された。ぐったりと……やわらかな身体が脱力して、体重が預けられる。火照った体温がじわじわと身体の芯に熱を伝わせた。


「ん……すごく、よかった……ホシノ先輩」

「シロコちゃんも魅力的だったよ~、でも……びしょびしょだねぇ。何か拭くものとか、」

「ん。心配ない。二人がいい雰囲気になってるのを見越して箱でティッシュを買ってきてる」

「うへ~準備万端だねぇ。シロ…………え? シロコちゃん?」


 ぴょこん、と銀の耳と髪が目に入る。

 そこには誇らしげに箱ティッシュを差し出してくる……シロコちゃん。紛らわしいのであえて表現するなら、この世界でもともとアビドス高等学校の対策委員会の二年生として生活してる方のシロコちゃん。なんで? どうして───混乱とともに、さっと思考が冷静になっていく。今の私と別世界のシロコちゃんの格好を意識する。ドレスがはだけて、胸を出して、スカートの中では指を食い込ませて繋がったまま。……どうしたらいい? 

 迷う私を差し置いて、第一声を放ったのは別世界から来た方のシロコちゃんで。


「こ、これは私がホシノ先輩に、無理矢理───」

「ううん、そうじゃない。……私には分かる。私なら……ホシノ先輩を襲おうとしても肝心なところで勇気が出なくって、とりあえずいい感じのムードで手を出してもらうのを待つはず。ホシノ先輩も優しいけどなんだかんだスケベだから流されてくれる」

「う、うへ~……なんか変な方向性の信頼を感じるなぁ……」

「……抜け駆けだって、思わない? 『シロコ』」

「ん。私はそういうの気にしないから大丈夫だよ、『シロコ』。……でも、仲間外れになるのは、ちょっと寂しい、から」


 ベッドが軋む。こっちの世界のシロコちゃんが迫ってくる。……どういうことかと、別世界のシロコちゃんに視線を向けたら、何かを察したみたく微笑んで。え? 何?


「ホシノ先輩、」


 ぼんやりとした、不思議ちゃんっぽい筈の、シロコちゃんの声が色付いて。

 いつもの澄ました表情に、朱が混じる。まだ青いはずの果実が熟れていたような、そんな。


「……二人のことを見てたら、そういう気分になって。でも、まだ足りないから……私も、一緒に、してほしい」


 プリーツスカートをたくし上げる。

 そこには蜜を溢れさせる裸の身体が露で、ひくついて。

 表情を窺えば、シロコちゃんはきゅっと唇を結んで、目を泳がせた。




「やっ、ホシノ先輩、そこばっかり……っ」

「ん、あっ……だめ、っ」


 シロコちゃんに深く触れながら、隣り合って乱れる二人の姿を見つめて。

 弱点はおんなじ。さっき責めたところを優しく揺さぶってあげると、どちらも息を荒げて身体を反らせる。ただやはり別世界のシロコちゃんの方が快感に身を任せつつあるのに対して、こっちの世界のシロコちゃんは私の指に緊張して、どこか初々しい反応で。……なんというか、なんだろ、眼福? いちいち表現がおじさん臭いなあ。

 ゆるゆると責めていると、しばらくして別世界のシロコちゃんが、こっちのシロコちゃんを抱き寄せるようにして。───キスをして。そうしたら、お互いに私の指をぎゅうっと締め付けて、跳ねた。びくびくと震えて、力が抜けた身体が、覆いかぶさってきて。


「うへ~……役得だねえ。かわいい後輩二人を愛でながら二人が仲良くしてるのを見られるなんて」

「ん……っ、今のはちょっと悪いおじさんが出てた」

「ん、確かにホシノ先輩はそういうとこある」

「あ、あれ? 二人ともなんか辛辣だねぇ……?」

「……ん。そういうわけじゃない。でも、今からはホシノ先輩のかわいいところを私たちが見る番」

「へ?」

「! ……どうすればいい?」

「私は下から責めるから───」

「それは……いいの?」

「さっきも言った。そういうのは気にしない。……今まで溜め込んでた分、思い切りキスしたらいい」

「えっ、ちょっ、二人とも、」


 制止しようとした口は、別世界のシロコちゃんの唇で塞がれる。

 ぎゅう、と身体ごと押し付けられて……柔らかな胸の感触が思考を圧迫する。舌が絡みついてくる。純粋なシロコちゃんが、こんなキスの仕方を───と、ぐらぐらと、意識が取り返しのつかないところに飛んでいきそうになる。

 そのくらくらする感覚の合間、腰が持ち上げられて、下着を取り払われる感触だけを、視界の外で感じて。内腿に、ふさふさとした感触が触れて。───状況を察して、待ってシロコちゃん、と懇願しようとした口は覆われて、手は手とぎゅっ、と絡められて。そうして、そこに舌先が触れるのを、私は抵抗もできずに受け容れるしかなかった。ちろちろと味わうように、形を確かめるように。私の───その、そこを、シロコちゃんに舌で探られるばかりで。ぞわぞわと背筋を上がってくる得体の知れない感触に、涙が溢れた。頬に伝うそれを拭ってくれた別世界のシロコちゃんは優しく微笑んで、その胸に顔を埋めて。


「ん、吸っていいよ、ホシノ先輩」


 下腹から上がってくる快感に戸惑いながら、色素の薄い柔らかな胸の先端を転がして。微かな快感に震える表情を眺めていたら、私を舌で責めるシロコちゃんがクリトリスの膨らみを繰り返しなぞりはじめて、ちかちかと視界が明滅した。


「シロコちゃん、もう、だめ……っ!」


 シロコちゃんの柔らかな胸に、顔を埋めて。

 シロコちゃんに、其処に顔を埋められて。鋭い絶頂の余韻が波のように何度か寄せては返し、震える。その背中を優しく撫でてくれることさえ、心地良くて。……ああ、やってしまった。後輩の前で、こういう姿は見せたくなかったんだけど。はあふうと荒く息をする。吐息にさえ甘い声が混じってる。……私とは思えない、蕩けた喘ぎ声。


「……ホシノ先輩、かわいかった」

「へへ……うへ~……さ、さすがに恥ずかしいかなあ」

「ん。次は上下交代。……私も頑張るから」


 え、と半開きの口をひくつかせる。

 頭上のシロコちゃんは今まで見たことないような笑顔で、見下ろせば、スカートの中から出てきたシロコちゃんは海上に顔を出すクジラみたいな格好でごしごしと口を拭っていて。


「……う、うへ~、おじさんの身体がもたないよ~」



   †



「ちょっと、ホシノ先輩!」

「へっ!? うへ~セリカちゃん? 今日も元気だねえ」

「……寝ぼけてるの? 朝から顔合わせてるでしょ」

「いやぁ~絶世の美少女っていうのはずっと見てても飽きないって言うでしょ?」

「はあ……? もう、今日はせっかく珍しいお客さんが来るっていうのに……」


 寝ぼけてる。寝ぼけてるかぁ。

 こんなにぐっすりと昼寝するようなつもりは無かったんだけど、シロコちゃんの一件が落ち着いて気が抜けてるのか。それとも……単純にアレのせいで寝不足なのか。思い出すと顔が熱くなってきて、咄嗟に手で覆う。私の怪しい仕草にノノミちゃんは何かを察したのか、微笑んで首をかしげて。

「あっ、来たみたいですよ!」


 アヤネちゃんがなんだか嬉しそうに扉の方の足音に向かっていく。……そういえばシロコちゃんがいない。珍しいお客さんって言ったっけ、まさか───

 がらりと扉が開く。

 そこに、二人のシロコちゃんが並んでいて。


「……うへ」

「ん。ホシノ先輩が誘ってくれたから……遊びに来た」


 別世界からの旅人のシロコちゃんは、不器用に笑う。

 それはまだ、甘え方を忘れたままの子供の笑顔で。



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