開花E.G.O::燼滅 オリア

開花E.G.O::燼滅 オリア

オリア開花E.G.O::燼滅

鏡を覗いたあの時から全ては決まっていたのかもしれないな。

鏡に映る『私』そのどれも苦痛に苛まれる人生を送っていた。鏡の中にいる私の中にはこの鏡について詳しい奴もいて、鏡について聞かせてもらうことができた。

鏡は別の可能性の自分を映し出すこと。鏡に映る者同士は似通ったものしかいないこと。遠い可能性であるほど鏡には映らないこと。

この話が本当であるのならば、私の人生も苦痛に満ちているものということじゃないか?他の世界の私たちのように他者の存在を自らの中に受け入れ、そして失って、その喪失感に苦しみ、まるで呪いのように自身を縛り付けてくる。

今考えれば、仲間を失って以降の私は仲間をできる限り失わないようにする方法を考えるようになっていた。他の私たちも似たようなことをしていたらしいが、それらすべてが苦痛と怨嗟にまみれて終わった。

全ての私が囁く、私は仲間のことばかりを考え、仲間という存在に縛りつけられて生きてきた。だが、その生き方に私の思いは一度でもあったのだろうか?

在った、とは言えない。確かに私は自分のことよりも仲間を優先するようになっていた。

全ての私が言う、その生き方は私が決めた生き方だったのか?ただ、役割とこの身を苛む苦痛に突き動かされていただけの空虚な生き方だったんじゃないか?

私がしたいと思った、とは言えない。私がそうしたいと思ったというよりは周囲の状況によってやらざる負えなくなった、それが延々と続いていき...抜け出せなくなっていったんだ。

全ての私が叫ぶ、私は私らしく生きたかった。他人によって埋め尽くされた人生ではなく、自分の人生を、まっすぐに...

そうだ、私の人生は私のものだ。そこにどうして他人が入り込む必要があるのだろうか?私が必要としない限り、そこに誰かが入ることなんてあっていいはずがない。

私が振るう、刃を。私は壊す、すべてを。私は断ち切る、私を縛る鎖を。

あの時は少し冷静じゃなかった、暴れて、逃走して、廃ビルにたどり着いて。そこでまた考えるようになった。これからどうするべきか。

そんな考えを巡らせていた時、私を捕らえるためにフィクサーたちがやってきた。

すぐにでも襲ってくるかと思えばこちらを説得するような姿勢で話してくる。

と思ったら挑発してくる。よくわからないやつらだ。

だが、そんな奴のおかげで今の私がある。

私の目の前で、かつての写真を、同僚の手紙を燃やしていく。鏡を知る以前の私なら激昂していたであろう所業に、私は何も感じなかった。

いや、感じなかったわけではない。ただ、その感情は怒りや憎しみなどではなかった。燃えていくさまを見て、ただ...これで何も残らなくなったと思ったら、肩の荷が下りたように体が軽く感じた。

少し前から聞こえてきていた声が私に囁いてくるが、あんたの言う感情のままに生きる姿だとか、苦しまない道だとか、そういった一時的な逃避なんかクソくらえだ。

自滅的?それで結構。お前の言う道に行った後はゆっくりとした破滅だろう。それに比べたら自ら滅びに足を運ぶ分マシだと思うな。

燃えていったあれらのように、やがて灰と化し、消えゆく定めだとしても...私はこの道を進むだろう。

私の邪魔をするものを何もかも燃やし尽くして、私は進み続ける。

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