マジックショーの開演は丑三つ刻にて
シロ、クロ、96号、XX46号から過去の話を聞いた後、
「成る程、そんな事が。お前達が何故、彼女達を受け入れたのか、理解出来た」
『……今では、ここの複製達、全員が妹のように可愛がっているわ』
「……そういえば……クロ。貴方もっとテンション高くなかったですか?」
「そういうこった?」
『あのテンションは、ナワバリを荒らされた時(総力戦、大決戦)だけ。シロはいつものテンションだけど、私は普段、こんな感じなの』
「……『突進だぁ!!!』ってやってる所、彼女達に見せてこようか?」
『ちょっと!止めてよ!?私はあの子達の頼れるお姉さんでいたいの!』
『マアマア、落チ着イテヨ!モウスグ始マルヨ!』
「そんなに強ばらないでください、917号、1920号!」
「そうです!ゴズさんは優しいですよ!」
「いや、確かに話を聞く限り、怖い人(?)では無いようですが……」
「それでも私は不安です、96号、XX46号!」
「……うん?列車の音……」
「開演時間ですか。しかも両方のトンネルから来ますね」
「そういうこった!」
『……ニャハハハ!ようこそ!ワシらのマジックショーへ!』
「あ、あれがゴズさんですか!?」
「お、思ったより大きいですね……もう一方からは……」
「……イッツショータイムです!……おや!今日はお客さんがいつもより居ますね!ちょっと行ってきます!……《駆け寄って》……こんばんは!貴方達は一体?」
「52号ですね?私は917号です!」
「私は1920号です。よろしくお願いします」
「私の事はどうかマエストロと呼んで欲しい。芸術を愛する者だ」
「本当にゴズの衣装なんですね。と、すいません、後ろ向きでの会話、失礼します。私の名はゴルコンダ。そして……」
「そういうこった!」
「……私の体を代行してもらっているデカルコマニーです」
「ふむふむ、分かりました!917号、1920号、マエストロさん、ゴルコンダさん、デカルコマニーさんですね?私は917号の言う通り、52号です!よろしくお願いします!」
「52号!今日も楽しみにしてます!」
「私もです!」
『……私もよ、52ちゃん」
『私モ!私モ!』
「わあ!ありがとうございます!46号、96号、クロさん、シロさん!では、やっていきます!皆さん、どうぞ、お楽しみください!』
『……おいおい、ワシは?毎回52ちゃんだけ応援されている感じがするニャ……』
『……分かってるわよ、ゴズ』
『ゴズモ頑張レ〜(笑)』
「いえ!ゴズさんのマジックも楽しいです!」
「そうです!」
『……ニャハハハ!OKニャ!それじゃ、始めていくニャ!52ちゃん!」
「はい!では、まず私から!十八番のアレです!よいしょっと!」
「おおっ!どんどん帽子からトランプが飛び出ていきます!」
「からの〜……えいやっ!」
「散らばっているトランプが鳩に変わった!?」
「さて、917号。貴方の好きなトランプのマークと数字は?」
「えっ!?えっと、では、ハートのエースで!」
「ふむふむ、分かりました!鳩さ〜ん!全員帽子の中に集合!」
「うぇ!?あんなに小さい帽子にどんどん鳩が詰め込まれていく!?」
「そしてー……飛び出ろ!917号!確認してください!」
「?……コレ、ダイヤのエースですよ?」
「おや?そうでしたか?1920号。貴方持っていませんか?」
「はい?そんなはず……!?えっ!?なぜ!?ハートのエースが私の手の中に!?」
「ほほぅ……手際が良いですね」
「そういうこったぁ!!」
「ふふふ、ご協力ありがとうございました!917号、1920号!これにて私の今夜のステージは閉幕です!」
「フム、良い腕だな」パチパチ
「そうですね、マエストロ先生!」パチパチ
「ゴズさん!後はよろしくです!」
『ニャハハハ!良くやったニャ!では、早速、ワシの世界へ招待するニャ!』
「……アイツの世界って、アレか?」
「シロ、クロ。我々は撤退を。なぜなら、彼のショーは彼女達が楽しむべきですから」
『OK!任セテ!』
『彼のアレは私達も巻き込まれるからね。……良いわよ、ゴズ」
『では、行くニャ!ニャハハハ!』
「いつ見てもこのトランプの舞いは美しいです!」
「うう、また何か……え?」
「ちょ、ゴズさん、何処ですか?!」
『驚いたかニャ?』
「って、そこですか……(絶句)」
「917号?フリーズしてm……ゴズさんが……3人?」
「ゴズさんは分身だって出来ますもんね、46号!」
「そうですね、96号!」
『まだまだ行くニャ!』
ゴズのマジックの内容は総力戦、大決戦で見てると思うので、カッt『待つニャ!?何故ニャ!?』先生方のトラウマをこれ以上再発させたくないからです。分かってください。『そんニャァ……』
「いやー、驚きの連続でした……」パチパチ
「もう何が起こっているのか……分かりませんが、素晴らしかったです!」パチパチ
「やっぱり、ゴズさんのショーはこうでないとですね、96号!」パチパチ
「そうですね!46号!」パチパチ
『これにて、ワシのショーはおしまいニャ!じゃ、元の場所に帰るニャ!そりゃ!』
「……お帰り、ヒルデガルト。ショーはどうだったかな?」
「凄いとしか、言いようがありませんでした、マエストロ先生!」
「お帰りなさい、チャペック。彼のショーは如何でしたか?」
「何が起こっているのか、よく分かりませんでした。しかし、素晴らしかったです!」
『貴方達も楽しかったでしょう?』
「もちろんです、クロさん!」
「52号のショーも良いですけど、ゴズさんのショーも負けず劣らずです!」
『良カッタ、良カッタ!』
「……さて、ショーも楽しみましたし、調査続行としましょうか。クロ、海賊版の彼女達は何処に?」
『こっち。付いてきて』
ーーーーーーー
「結果として、全ての個体に異常は見られませんでした。しかし……」
「し、しかし……?」
「貴方達が住んでいるのは、生徒達に恐れられているスランピア。生徒達を守るシャーレの先生は、変わらずスランピアでの任務は行うでしょう。そうなった時、貴方達が巻き込まれる可能性があります」
「そういうこった!」
『確かにそうだね。『クレジット回収』?だかで夜のネロを倒しに来るけど、ネロが気を利かせて、彼女達が巻き込まれないように、隠してるようにはしてるんだが……』
『ケド、私達ノ総力戦、大決戦には絶対に巻キ込ンジャウヨ……規模が大キイモン!』
『どうにかニャらニャいもんかニャ~……?』
「……!……マエストロ先生、少しお耳を」
「?……何だ、ヒルデガルト?」
「コショコショ……カクカクシカジカ……」
「……ほう?私好みの提案だな。良いだろう。皆、少し集まってくれ」
ーーーーーーー
『ふーん?良いんじゃないかい?」
『良イト思ウ!倒シニ来ル生徒達以外ノ観客ガイル私達ノショーナンテイツ以来ダロウ!』
『ワシも賛成だニャ!』
「複製達の反応は良し……問題は……」
「わ、私達に出来るでしょうか?」
「うう、不安です……」
「……しょうがないですね……皆さんはこの3人の事、好きですか?」
「はい、大好きです!」
「52号お姉ちゃんのマジックショーは面白いですし!」
「96号お姉ちゃんはいつも甘えさせてくれます!」
「46号お姉ちゃんの玉乗りはとても凄いです!」
「それじゃあ、あのお姉ちゃん達の言う事を聞いてくれますか?」
「「「「「「「もちろんです!!」」」」」」」
「……ですって、御三方」
「……聞いていただきありがとうございます、1920号!」
「なんかやる気が出てきました!私達の為に!」
「定住権の獲得を目指して!私達、頑張ります!」
「……果たして『大衆芸術』が成り立つのか……楽しみですね」
「そういうこったぁ!!」
「テストはシロ、クロの総力戦だからXX46号、96号が対象だ。52号はゴズの時に頼むぞ」
「「「分かりました!!」」」
『分かった。私達も頑張るよ』
『久々ノ有人パレード!ソンナノ余計ニ張リ切ッチャウヨ!』
『ニャハハハ!ワシも精一杯サポートするニャ!』
次回、総力戦シロ&クロ開催!
※補足
海賊版(スランピア)
現在、7人いる。全員に異常はなし。10人目の子は受付けで、来た者を迎え入れてくれる。全員、先に来た3人を姉のように慕っている。10人全員、昼夜逆転している。