鎧武 妄想3話③

鎧武 妄想3話③

2スレ目の4

己詩の自宅__


己詩「ただいま~!」


晶「おかえりー」


己詩「はい!お姉ちゃん、今月の家賃と食費っ!」(封筒渡し)


晶「え?己詩バイトは辞めたって...っ?!」


(渡された封筒に諭吉の束)


晶「ちょっ...どうしたの!?こんなに!?」


己詩「あ、多かったら来月分に回すか、お姉ちゃん使いなよ!」


晶「いや、どこからこんなに...?」


己詩「インベスゲームに勝って、特別ボーナスだって!

いや~、アレあんな稼げるなんて知らなかった~!」


晶「........」


己詩「コレでちょっとは、生活に余裕出るし!あ、何なら美味しいものでも...」




晶、封筒を突き返す




晶「コレは受け取れないわ」




己詩「..........ぇ?」


晶「前にも言ったでしょう?

  チームで稼いできたお金は、チームか自分で使いなさいって」


己詩「...皆でちゃんと分けたし、私の取り分も取ったよ?

これ以上別にいらないし...」


晶「なら自分に投資しなさい。将来の勉強でも美容院でもエステでも、

何でも良いから」


己詩「や、でも...」


晶「この家を回すお金に、遊びで得たお金は使いません」


己詩「遊びって...何で!?私がゲームで活躍して、皆喜んでくれたよ?!

それでバイトしてた頃より、ずっと多くお金が稼げたのに...

何でそれが遊びなの!?」


晶「...皆って誰の事?」


己詩「え...?」


晶「舞ちゃんやチームの皆、ファンの皆さんの事?」


己詩「う、うん。そうだよ...それにコレならお姉ちゃんだって喜ぶって...」


晶「私は喜んでないわ」


己詩「だから、何で...?」


晶「己詩が、私や友達しか見てないからよ」


己詩「........?」


晶「バイトしてた頃、知らない泣いてる子と待たせてるお客さん、

どっちを取るかあなたは悩んでた。その悩みに正しい答えはないけど、

知らない誰かの為にあなたは悩んで、行動した」


己詩「.........」


晶「世の中にとって、とても小さい事で、結果に納得しなかったかもしれないけど、

それでも大切な、意味のある事だった」


己詩「.........」


晶「でも、今の己詩は皆の為と言って、結局自分の周りしか見ていないでしょう。

それは...どれだけ多くお金を稼げても...ただの遊び」


己詩「......そ、そんな...」


晶「(少し笑顔を向けて)私を心配してくれてるのは嬉しいのよ。

頑張ってるのもわかってる。

でもね、ちゃんと家の事は『仕事』で得たお金で回したいの。

それに関しては私、用意できるから」


己詩「.......」


晶「はい、お話しはここまで!夕飯、つくりましょうー」


己詩「.......うん」


晶「ほら、ぼんやりしてたら指切るわよー」


己詩「..........」




ドルーパーズ内___


己詩(私、何か間違えてる?ファンの人達だって全員知ってる人ってわけじゃない...

そういう人達だって喜んでくれてる...それで皆の役に立ってるのに...

何が違うんだろう?)ブクブク(オレンジジュース泡だて)


阪東「へい、お待ちどー」(オレンジパフェを置く)


己詩「え?阪東さん、私こんなの頼んでないよ?)


阪東「奢りだよ。どうしたぁ?浮かない顔して」


己詩「いや、じつ...んえ?!」


己詩の背後から戒斗が近づいてくる


戒斗「..........」


己詩「.......な、何?」

己詩(何だろ?私正直この人苦手なんだけど...)


阪東「戒斗、ここで喧嘩は御法度だぞ?」


戒斗「コイツに話があるだけだ。此処ではな」


己詩「え?」


イヨ「休憩はいりまーす」


阪東「え?!ちょっ...イヨちゃーん!?」



阪東、店の奥へ



戒斗「確か... 葛葉 己詩...だったな」


己詩「あ...うん」


戒斗「アーマードライダー鎧武...

貴様はこの1週間、挑戦者を迎え撃つだけで、

他のチームのステージを奪いにいかず、

上位のチームに挑戦しようともしなかった...何故だ?」


己詩「何故って...別にする必要ないでしょ?」


戒斗「........」


己詩「私達は西のステージがあれば今は充分だし、

他のチームの場所とっても意味なんか無いし」


戒斗「...何故そう思う?」


己詩「え...?」


戒斗「ステージが増える事は、単純に踊る機会、人目を増やせるという事...

意味がない事は無いはずだ」


己詩「そこ使ってたチームが踊れなくなるでしょ!それで自分達が踊れたって...」


戒斗「それがこのゲームのルールだ。

   奪い取り、踏み躙る...そうやって力を示し、強さの証を立てる事が、

ここでの強者のあり方だ。貴様は力を得ながら、その覚悟がない...

恨まれることから逃げるだけの臆病者だ!」


己詩「!...あんたの考えをどうこう言うつもりないけど、

そんな事に私、興味ない。

私達の居場所が守れれば、それで良い。

ずっとそうだったし、これからだって...」


戒斗「フン、それがリーダーの逃げ出した理由か?」


己詩「............は?」


戒斗「角居 裕也...だったか?少しは見どころがあるかと思ったが...

チームが窮地の状況で居なくなったそうだな...」


己詩「それは...きっと理由が...」


戒斗「結局都合の良い言い訳を並べて、自分にはどうにも出来ず、

女に押し付けて逃げ出した腰抜けだったという事だ」


己詩「な...!?」


戒斗「お前以外のメンバーも、所詮、同じ穴のムジナという事だな」


己詩「...やめろ」


戒斗「.........」


己詩「私の事は何言われても良いよ...

でも裕也や舞、皆の事悪く言うのは許さない!」


戒斗「...なら、どうする?」


己詩「...わかった!勝負したいなら受けて立つ!やってやろうじゃない!!」


戒斗「......」(不敵に笑う)


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