鉄骨娘-漆-
「っう…ああっ…んッ…!」
釘崎は未だ絶頂の最中だったが、虎杖は動きを緩めず、むしろもっと水音を響かせながら肉筒の中を往復した。
常に形を変えながら怒張へ吸い付き波打つ彼女のナカ、その特に感じやすい箇所を突き上げ、カリ首でぞりぞりと擦り上げてやると、その度に法悦の声が上がる。
結合部からは、ぶちゅ、ぐちゅ、と淫音と共に収まりきらない多量の愛液が溢れ、暗く色付いた窄まりまでも濡らした。
みちみちと絡みつく媚肉から与えられる快感は、堪えることをやめれば簡単に果ててしまうだろう。
「ひッ…あ…っ!あああッ!」
未だ釘崎の内から去らない快楽の波、そこへ更に重なるように大きな波が襲いかかり、脳内が真っ白に塗りつぶされていく。
しかし、耳元で名前を囁かれると意識が引き戻され、手放すことは許されない。
恥丘を押し潰すほど腰を密着させグラインドすれば肉窟は自らを犯す男のカタチをはっきりと記憶し、突き入れれば歓んで迎え入れ、引き抜けば離れるのを惜しみ纏わりつく。
生殖本能を発露させる肉体は端々まで生命力に溢れていた。
胸の谷間に手を滑らせれば鼓動が伝わり、掌に収まりきらないほど豊満は乳房は柔らかで弾力に富む。
すべすべとした肌は紅潮し、互いの肉がぶつかる度に汗粒が弾け煌めく。
見知ったはずの顔には、誰にも見せたことのない淫靡な表情が浮かび、桜色の唇の隙間から大きな嬌声がこぼれ、涙に濡れた双眸には欠けなど無い。
さらさらとした髪と白い首筋から漂う香りは、彼女が自分の意思で身に纏ったものだ。
虎杖の感じているもの全てが釘崎野薔薇の生きている証だった。
「いたどりっ…いたどり…!」
切なげに自らを求める声を合図に、限界を間近にした虎杖の動きが速まっていく。
それに連れられるように、釘崎の膣内もより多くの精液を吐き出させる為、根本から怒張を絞り上げる。
射精へ向け何重もの肉襞が備わった最奥へ鋭敏になった亀頭をぐちゅぐちゅと擦り付けると、子宮口周辺の膣道が広がり精液を溜め込む為の受け皿となる空間が作られていく。
そこに招かれた雄は屹立を一際大きく膨張させることで応え、細い腰を掴み体重をかけながら煮え滾る白濁を被膜越しに吐き出した。
行為の最中に幾度も迎えた絶頂の中でも最も深い箇所から生じたものに、釘崎は飛び跳ねそうなほどに体を仰け反らせて奔流を受け入れ、虎杖の背に無数に引かれた赤の滲む線が更に幾つか増える。
自らの体内でどくん、どくん、と断続に脈打ち精を放ち続ける怒張と、激しい快感を必死に堪える虎杖の表情から満ち足りたものを感じながら、釘崎は意識を手放した。