鉄骨娘-伍-
できるだけゆっくり進めようとしたけど、釘崎は俺の想像よりずっと積極的で、触れた肌はとても熱く、撫でるだけで聞いたことのない甘い声が上がって、潤んだ瞳で先を求められた。
軽いキスを交わした後、懸命に舌を絡ませてくるのがあまりにもいじらしくて、呼吸の余裕を残すことも忘れてしまう。
それに対して怒るどころか更に強請ってくるのだから、心穏やかではいられない。
もしこれが俺の勘違いじゃなくて、俺を全部受け入れるのが釘崎にとってのちょうどいいところなら、それはすごく嬉しい。
嬉しいけど…俺の知っている釘崎とあまりにもかけ離れていて、脳裏に浮かぶ普段の姿との強烈なギャップに眩暈がする。
釘崎が女の子な事なんて分かりきってた、でも、こんなことになるまで意識したことなんてなかった。
…正確には、釘崎にとって俺はそういう対象じゃないと思って意識しないようにしていたし、変な目で見るのが憚れるくらい身近な存在だった。
なのに、今その釘崎が目の前で扇状的に裸体を晒していて、もう頭がどうにかなりそうになる。
確かな努力が感じられる引き締まった肉体、そこに実る柔らかでハリのある大きな乳房は一際目を引き、その頂には固く芯をもつ桃色の蕾があった。
ずっと目を逸らし、蓋をしていた劣情が溢れ出してしまう。
すらりとした脚の中でも肉付きの良い内腿の間、秘所を覆うショーツは軽く押すだけでその下から愛液がとろとろと溢れてきて、釘崎の心と体を自分がめちゃくちゃに乱しているのだという事実に興奮を抑えられない。
自分の手でぐちゃぐちゃにイかせておいて心配して、釘崎の与えてくれる言葉にまた昂るのを繰り返す。
もっと感じて、もっと善がってほしいという想いが止まらない。
相手を犯し、深く繋がり、刻み込み、最奥を拓き、本能を揺さぶる。
そうするほどに、死から遠ざかってくれると思い込んでいるのかもしれない。
だとしたら、なんて醜悪で歪な呪いだろう。