酔いどれウタと我慢限界ルフィ

酔いどれウタと我慢限界ルフィ

1

「……………」


ウタを抱き、歩くルフィ。向かう先はーーー


「ねー?どこいくのー?」


「…………二人っ………ナミとロビンのとこだ…」


一瞬過ぎった最悪の行動を頭から消し、ルフィはそう答える。


しかし、当のウタは、


「なんれー?いっひょにねよーよー」


などと呑気にルフィを誘う。


「……ダメだ。そんな状態のお前とは寝ねェ。」


「いじわるしらいれよー…あ!いじわるしゅるならこうひてやる!」


突然ウタはルフの身体にさらに深く抱きついた。


「!…ふぅー…やめろ、ウタ。」


「やら!やめないよ!いっしょにねよ!」


そう言いながら、さらに身体を擦り寄せるウタ。


「…せめて、身体をくっつけるのはやめてくれ…!」


今までのルフィならばこんなことをされても平然としていただろう。しかしーー


「はぁぁ………大丈夫だ…落ち着け…」


今のルフィにとっては毒でしかなかった。


女らしく成長した幼馴染との再会。それはルフィに変化をもたらした。


すなわち、ウタに対する恋情、及び性的な欲求である。


「…なんでウタにこんなの向けてんだよ…!」


その変化の結果、恋情はともかく、ウタに向けて性的な欲求を向けている自分に対しての嫌悪感が生まれた。


「んー…るふぃ、げんきない…やっぱりいっしょにねよ?」


「……誘いは嬉しいけど、ダメだ。こんなおれがお前の隣にいる資格はねェ…」


生まれた結果、最低なことをしでかす前にウタから離れていこうとするようになった。


「るふぃ〜…わたしのこと…ぐす…きらいなの…?」


そうこうしているうちにウタが泣き出してしまった。


「ウ、ウタ!?泣くな!お前が嫌いなわけねェ!でも、おれは…」


すると、突然、泣き止んだウタが首に手を回し、耳元に近づく。そして、囁く。


「わたしはるふぃのこと、だいすきだよ?」


「!」


呂律がまだ回っていない部分もあるが、はっきりと好意をぶつけるウタ。

酔っているはずなのに、いや酔っているからこそ純粋に好意をぶつける。


「こどものころからずっとすきだったんだよ…きづかなかったでしょ?」


ルフィの足が進む。少しずつ女部屋の方へ…


「いまでもわたしをまもってくれるあなたがすき。やさしくだきしめてくれるあなたがすき。かっこよくてかっこわるいあなたがだいすき。」


ルフィの足が女部屋の前を通り過ぎる。


「あなたがいるから、なにもこわくないの…あなたがいればわたしは最強なの…」


ルフィたちはとある部屋の中に入る。


そこは防音の設備などがしっかりと整ったウタの配信部屋だった。


特別に置いてあるベッドに向かう。


「あなたにならーーーー」


ベッドにウタを寝かせようとする。その直後…


「なにをされたっていいの…」


ルフィのわずかに残っていた理性と良心を砕く、トドメの言葉が放たれた。




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