配信者ウタカタの最期
1その男は狂気と嫉妬、怒りに欲望など負の感情を全て孕んだような澱んだ目を眼下にいるウタに向けていた。
そしてその澱んだ目は、目の前にいる獲物を確実に仕留めるための目に変わった。
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「はっ!?」
目の前の光景が理解できない。
ウタカタちゃんが、裸の屈強な男に押し倒されている。
視聴者たちは大騒ぎ。当然僕も…
「お、おい!お前!ウタカタちゃんから離れろ!その子に触れるな!」
必死になって、訴える。するとーーーー
「あ?」
ドス黒い殺意のこもった目でこちらを振り向いた。
「ひぃ…!」
全ての視聴者が静かになる。
「……あー…まだ配信終わってなかったのか…早とちりしちまったなー」
その男はまるですでにそこにいて、配信を終わるのを待っていたかのように僕達に告げた。
「うーん…ほんとは一切見せたくなかったんだけどな…まぁいずれバレることだし別にいいか!」
「ねぇ…何言ってんの…何する気なの…」
そこでようやく、現実を認識できたのか震えながらウタカタちゃんが質問する。
「ん?決まってんだろ!お前をおれのものにするんだ!」
「………え………」
「もう二度とお前が寂しくならないように…もう二度とこんなことができないように…お前はおれのものだって証を刻み込んでやる…お前らも最後までよく見とけよ…」
目を逸らすことは許さないと言いたげにこちらを見る。
「やだ…やめてよ…こんなことして…何の意味が…」
「意味はさっき言っただろ…お前をおれのものにするためだ!だからよ…………覚悟しろよ」
「ひっ………」
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だからよ…………覚悟しろよ」
「ひっ………」
目の前の男はいったい誰だ。
決まってる。私の大事な幼馴染のルフィだ。
違う!違う!ちがうちがう!ルフィはこんなことしない!私をものみたいに扱うなんて絶対にしない!
「…………キッ……あんた…だれ!……私の幼馴染を騙って何がしたいの!」
「……何言ってんだ…ウタカタ…いや…“ウタ”……おれはおれだぞ…」
「違う!ルフィは私にこんなこと絶対にしない!私を傷つけたりなんかしない!」
そう言って、近くにあった物を目の前の偽物に投げつける。しかし、かわされ、どこかへと飛んでいく。
「………そうだな…前までのおれだったらお前を傷つけるなんて無理だっただろうな…」
「!!やっぱりにせも「でもな…ウタ…」!!」
「ウタカタの配信を見てから変わっちまったんだ…自分でもどうしようもないぐらいに…」
何で…?そんなに嫌だった?みんなあんなに喜んでくれたのに…
「お前がみんなに喜んでもらえるからって、色々してる姿がむかつくんだ…」
「お前が自分の体を大事にしない姿を見るだけで、むかつくんだ…」
「………お前を襲おうとしたやつを…お前のエロい姿を見たやつらをーーーーー」
殺したくなるんだ
ゾッとするほどの冷たい声がルフィの口から溢れる。
そして、再び押さえつけられる。逃げようとしてもびくともしない。
「………なぁ…もう…ん?……これ、見えてんのか?…さっきなんか投げられたからずれたのか。」
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今、何をしてるんだ…もう終わってしまったのか…ウタちゃんは無事なのか…
「よっと…おーい!これで見えてるか!………見えてたら返事しろ……」
「は、はい!見えてます!」
「お!ありがとな!」
謎の男は人当たりの良さそうな笑みを浮かべ、感謝を述べる。
しかし、それが意味をなさないぐらいこの男がしようとしていることは非道だった。
「お前らも十分いい思いしただろ?最後にもう一回いい思いさせてやるよ!これが終わったらこんな配信はもうさせねぇからな!………さっきも言ったけど…目…逸らすなよ…」
目が一切笑っていない笑みを浮かべながら、こちらに話しかける。
「じゃあ!ヤるか!“ウタ”!」
暗黙の了解だったウタカタちゃんの本当の名前を呼ぶ男。
「もうさっきので十分濡れてるみたいだし、前戯はいらねぇよな!“ウタ”!」
僕らに現実を突きつけるように何度も彼女の名を呼ぶ。
「やだ…お願い…やめてよ…んん!」
「ん…ぷはっ…ししっ!“ウタ”の初めてのキス奪ってやった!」
彼女の名を呼びながら嬉しそうに一つのハジメテを奪ったことを見せつける男。
「見てくれよ…“ウタ”!お前とすること考えてたらこんなになっちまった!」
「ひっ…なに…それ……」
彼女の名を呼びながら、ウタちゃんが持っていたオモチャの何倍もありそうなブツを近づける男。
「じゃあ…いくぞ…“ウタ”…力抜けよ…」ピト
「!!!やだ!やだぁ!いれないで!おねがい!こんなかたちでなんてやだぁ!」
泣き叫びながら、嫌がるウタちゃん。それを逃さないように彼女の名を呼び、腰を掴む男。
そしてーーーーー
「ふー…ふっ…!」ズニュウ…
「!!いやぁぁぁぁぁぁ!!」
その男はあっさりと彼女のハジメテを奪った。