選択の結果
ルフィは目覚めてからずっとそばで添い寝をするように安らかな顔で死んでいたウタの前でへたり込んだまま動かなかった。既に起きた一味も彼に声はかけられない。
「ウタ…」
後ろから声が聞こえ一味は咄嗟に戦闘体制に入り振り向く。
「シャンクス…」
ルフィは振り向かずに相手の名前を呼んだ。
「シャンクス…俺…」
「何もいうな…分かってる…お前は悪くない…全て…俺の責任だ…」
見聞色でルフィの心を察したシャンクスは彼を責めず自分のせいだと言う。全て12年前の自分の判断ミスが招いたことだと。
だがルフィは違和感を覚えた。殺されても仕方ないと覚悟もしたのに殴りも責めもしないシャンクスに。何かを隠そうとしている彼らに。
ふとホンゴウが一瞬気まずそうな何かを隠そうとするような顔をしたのを見たルフィは突然彼に飛びついた。突然のことに皆が驚くのも無視してホンゴウの服を探る。ポケットに瓶が入ってるのを見た。そこにはキノコの絵が書かれていた。
「よせルフィ⁉︎」
焦るシャンクスの制止も聞かずルフィはその瓶のラベルを見た。
「ネズキノコ用…解毒剤…?」
シャンクスたちはウタが眠らずにライブを続けてる様子からネズキノコを食してる可能性に気づいてた。そして念の為に持ち込んでいたのだ。
「なんだよ…それ…なん…で…」
じゃあ…俺は…俺がほんの少し…待っていれば…
ウタは…
「ありがとう」
彼女の最後の言葉が頭に響いた。
「うわアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアァアアアアアッ⁉︎」
終