選ばれた稚児たちの儀式について

選ばれた稚児たちの儀式について

集落の神職のレポート

〈一枚目〉

かつて妖魔や病魔、戦乱が多かった時代には毎年数人に『精』と『胎』の役割を与えていたが、現在ではおおよそ6年に2人ずつになっていることは君も知っているだろう。当然その役割を与える稚児を選ぶのが僕たちの仕事の一つだということも。

これから説明することは下社では行われず、上社でのみ行われる一連の儀式と日常業務についてだ。



初日

選ばれた稚児と共に同数の神職が本殿に赴き、他の者を入れないようにする。

そしてかみさまの前で『精』の方へ陽の御神酒を『胎』の方へ隠の御神酒を与え、交わり方を教える。男は正常位か後背位で『胎』と、女は騎乗位か対面座位で『精』の役割のものと行う。

稚児に他の体位が見えるよう姿勢には気をつけること。そして今後より積極的に血を残すことに取り組んでもらうためにも、結合した状態で体内射精・絶頂を迎えさせるように意識して執り行う。

終わったらまた御神酒を飲ませてかみさまにこれから『精』と『胎』になるものを紹介して儀式を終える。


それ以降の教育は座学と交わりをしない実技の練習が中心になる。


〈二枚目〉

練習と座学

座学では何をするかを具体的に教える。普通の人間と稚児の体の仕組みとその違いについて、前戯や体位の知識を中心に。

説明する時は絵図だけではなく実資料、つまり教育を担当する我々神職が自らの体を見せ、時に使って実演することで理解と興味関心を深めさせる。

その為にも自身の体と道具の使い方を十分に知っておく必要がある。稚児の練習でも道具を使い、直接触って体を慣らしていく。

その合間も体が出来上がるまで食事に御神酒を混ぜて与え続ける。

稚児は『精』と『胎』で異なる家屋に住まわせる。初潮もしくは精通を迎えた個体とは絶対に無許可で交わらせてはいけないし交わってはいけない。


完全に体が出来上がり学習を終えた稚児は血を残すものとしての活動ができるようになる。

血縁上問題のない者同士を組ませるのも、奥の離れで一ヵ月暮らしながらまぐわっている間の世話をするのも神職の仕事だ。湯浴みなど精や不浄を流すのには離れの近くの流し湯の泉を使わせる事。

離れでの生活を終えた稚児は数か月の間様子を見、子を宿しているようであれば丁重に世話をし出産に備える。

子を宿していないことが分かった稚児はまた一ヵ月同じような日々を過ごしてもらう


次は新しい血をもたらす『婿』と『嫁』、つまり普通の人間に協力を仰いだ時の説明をしよう。


〈三枚目〉

新しい血を取りいれるために外の人間を『婿』と『嫁』として呼んだ際はどうするか。

その時はできる限りその人物の希望を聴き合わせる。滞在期間は新しい稚児が生まれるまでに限定してもよいし、既定の期間まで子育てに参加してもよい。

1人と交わるのみでもよいし、3人までなら同時に孕み孕ませることも許可されている。

『婿』と『嫁』は集落の住人にとって、稚児達の存続に貢献する者として又その恩恵を直接受けている者として迎え入れられることが多く、1~3人の稚児が生まれた後の『婿』と『嫁』を娶りたがる者も少なくない。


Report Page