近衛騎士の忠誠

近衛騎士の忠誠


───ここはFCS教が保有する教団施設のひとつ、その中に存在する貴賓室だ。

そこに滞在しているのは、春日局こと藤丸福、そしてカーマこと藤丸華甘を侍らせる藤丸立香だ。そんな彼の目の前に、娼婦のような衣装に身を包んだ二人の美少女がいる。

「ご報告します。FCS教に入信した男性信徒の去勢率が77.7%を突破致しました♥ このペースでいけば、いずれは全ての男性信徒が身の程を弁えることでしょう♥」

「教団で把握済みの男性非信徒の去勢率は17.53%……申し訳ありません立香様。進捗が進まない原因は、全てこのブリトマートの不徳にあります…」


青と金、そして赤と銀の美少女が、爆乳をどたぷんっ♥ と揺らしながら定例報告を行う。

二人の名はブラダマンテとブリトマート。FCS教の近衛兵団に所属する近衛騎士だ。

しかし、そんな二人に対し福とカーマは微妙な反応を返した。


「…立香様の提示なさった去勢率は、男性信徒30%、非信徒でも5%だったはず。何故どちらも、提示された去勢率を大幅に超過しているのです?」

「「それこそが我々の使命にございます」」

「立香から言われてもないのに男を去勢去勢……随分勝手な使命を掲げる騎士様達ですねぇ? あ、もしかして……立香にお仕置きしてもらいたくてわざと滅茶苦茶やってるとか?」

「…魔王マーラ。立香様を呼び捨てにするに飽き足らず、私とブラダマンテ様まで侮辱するつもりですか」

「ちょ……ここで剣呑な空気になるのはやめてくれ。オレは殺し合いしてほしくて呼びつけたんじゃないんだ」

「「「す、すみません…」」」

「…ちぇー…」


内心冷や汗をかく立香。身内で一触即発の危機なんて数年ぶりだろうか。とにかく肝が冷えた。


「…全員落ち着いた? 落ち着いたね? なら良し。じゃあ例の人身売買組織の件について話そう。これが本題だ」


先を促された福が資料を手に取りながら話し始める。


「…件の組織には、こちらで再三降伏勧告をしました。しかし、相手からの返答はなし。彼らは今も人身売買を続けているものと考えられます」

「…そうか…。…ブラダマンテ、ブリトマート。きみ達を呼んだのは、人身売買組織への対処を頼むためだ。二人の部隊なら殺さずに制圧できるはず……期待しているよ。すぐに出撃準備を始めてくれ」

「! はいっ♥ ブリトマートとブラダマンテ様にお任せあれ♥」

「立香様のご命令ならば、喜んで遂行致します♥」


興奮のあまり愛液をポタポタ垂らし始めた二人が、来た時と同じように爆乳を揺らして退室する。だぷんっ♥ だぷんっ♥ と揺れるそれは壮観という言葉が相応しかった。


「…立香様。あの二人を矢面に立たせて宜しいのですか? 「殺さずに」済ませる可能性は低いと思うのですが…」

「仮に生かしても、ククルカンさんよろしくその場で金的して雑に去勢、なんて可能性もあり得ますからね。それに、一応近衛騎士なんでしょうあの二人? それを遠征に出すって不味くないです?」


福とカーマの懸念ももっともだろう。

───FCS教は、時に雄もどきの去勢を行う。それは、立香とは比べ物にならない粗チン劣等ゴミ遺伝子を根絶やしにするための必要な行いなのだが……それで立香以外の男を完全に一掃してしまえば、(業腹だが)遺伝子の多様性欠如により人類が滅びかねない。

そのため、FCS教は「計画的去勢」という方針を打ち出し実行している。事前調査で遺伝子的・人格的に成長や更生の見込みなしと判断された者のみを去勢するのだ。カレン・E・藤丸の手により去勢された、説明会の侵入者などがそうだ。

…しかし、巨大組織の常としてこの方針から逸脱する過激派もいた。「立香に歯向かうオスもどきはすべからくゴミなので、サッサと全員死んでくだサーイ!」と笑顔で男の股間を蹴り上げるククルカン、「もうリツカ以外根絶やしで良くない?」とヒールで竿ごと玉を潰すメリュジーヌなどがそうだ。

そんな過激派の中でも特に『盲信』『狂信』の気が強いのがあの女騎士二人だった。流石に一挙手一投足を逐一褒めるのは熱に浮かされていると断じられてもしょうがないだろう。


「…流石に人身売買してるような相手に手加減はいらないでしょ。護衛の人手は足りてるし、良いガス抜きになる。…ガス抜きの道具にする相手組織には多少申し訳なさも感じるけど、そこ止まりだ」

「…まあ確かに、ガス抜きには丁度良い相手ですね。立香様への盲信はどうにもならないでしょうが…」

「私としては、せめてパールヴァティーくらいには自制心を持ってもらいたいところですけどね」

「…そろそろ、そのパール達が戻ってくる頃だ。そっちの報告も聞かないとね」


…話を露骨に逸らされたカーマだが、気にはしなかった。

おいたをした者が立香のお仕置きを受け、無様な姿を晒すのは見ていて愉しいからだ。

真祖の姫(アーキタイプ:アースの霊基第一)とメリュジーヌが全裸屈服土下座をかまし、立香に優しく頭を踏みにじられて甘イキしている様は最高の見世物だった。

あの騎士二人が真祖の姫とメリュジーヌのようにお仕置きされるなら、それはそれで良いと思う。そうでなくとも、立香にとって目の上のたんこぶだった組織が二人の部隊に処理される。どう転んでも得にしかならない。


(…ああ、立香はそこまで考えてたんですね。流石というべきか、なんというか)


カーマは立香の考えに思い至り、くすりと笑った。


───


女騎士二人とその部下を載せた輸送ヘリが薄暗い夜空を進む。いつもの風景ではあったが、その中にはほんの少しの『異物』が混ざっていた。


「で、妙な人選なのにはこの際突っ込みませんが、何故シエル様と秋葉様がいるのです? このブラダマンテの働きに不安でも?」

「貴方達が暴走しないように見張っててくれ、と立香さんから言われてしまったからですが? まあ私は財閥の出資を受けて開発されたこのヘリの視察も込みですけど」

「私達としては、暴走特急の起こす事故に巻き込まれたくはないんですが……まあ立香くんからお願いされたので。喜んで引き受けましたよ。ちなみに人選はスケジュールに空きがあったからこうなっただけです」

「…ま、まあ良いでしょう。私とブラダマンテ様の働きぶりを見る者が増えるのは良いことです」

「その反応、やっぱり去勢去勢また去勢の過激派ムーブは引かれてる自覚があったのね。それで何故態度を改められないのやら」


秋葉の呆れた台詞に、ブラダマンテとブリトマートは返す言葉もなかった。


───


そして、一行が目標へと到達した段階で……地獄は始まった。

敵の悲鳴の中を女騎士が駆ける。

ある者は“商品”を盾にしようとした直後、巨大な槍で足を串刺しにされた。

またある者は銃撃を光の盾で凌がれ、それ以上何もできずに持っていたアサルトライフルを斬り裂かれた。

ヤケを起こした者が自爆特攻を敢行したが、それも光の盾の前には効かなかった。


「我らが主に栄光あれ!」

「主に逆らう愚物に死を! 劣等遺伝子に永遠の滅びを!!」

「「FCS教万歳ッッ!!」」


多少の狂気すら混じった雄叫びを上げる二人の女騎士。その頭から手加減という概念は消えていた。

立香には「殺すな」と言われたが、向こうが抵抗してきた以上は反撃しなければならない。だからこれは正当防衛であり、その過程で何人死のうが過失は向こうにある。

物事を都合良く解釈した二人は、立香を想うあまり股から愛液を垂れ流しにして戦っていた。


───


とりあえず死者ゼロで“蹂躙”は終了したが……戦闘後、捕虜となった者達はふたつの列に並ばされていた。

片方は、立香に捧げるため施設中から掻き集められた女の列。

もう片方は、これから強制的に去勢させられる男達の列だ。それはまるで、処刑台へと連れていかれる罪人の列。FCS教にどっぷり浸かった一般信徒ですら、多少の恐怖を覚えるものだった。


「やはりこうなりましたか……これは立香くんにどう報告したものか」

「どうもこうもないでしょう。ありのまま伝える以外どうしろと…?」


そもそもあの二人は、現地に着くなりシエル達を無視して突貫していったのだ。初めからこちらが介入できる要素はなかった。もう、なるようにしかなるまい。


(いつもは冷静だというのに、何故この手の任務だけはこうなるのか。恐るべきは女の情念ですね)


シエルの思考は、口に出されることなく脳裏に消えていった。


───


そして任務後。

帰還したブラダマンテとブリトマートは騎士としての正装を脱ぎ、立香の前で土下座をしながら口上を述べていた。

「「近衛騎士兼肉便器の我々をお呼び下さり、まことにありがとうございます♥」」

「んー、あのね……一応義務として聞くよ? 敵の血をバンバン流して帰ってきたことについて、どう釈明するつもり?」

「はい♥ クズ遺伝子共が身の程知らずにも反抗したため、ブラダマンテ様と共に殲滅致しました♥」

「お喜びください立香様♥ 我々の活動は、人類をより良い方向に導いたのです♥」

「…気持ちだけ受け取っておくよ。とりあえず、お仕置きね」


そう言った立香が、ブラダマンテとブリトマートの頭を踏みつけた。二人を傷つけないように素足で、かつ身の程をわからせるようにじっくりと踏みにじる。


「あぁ…♥ 我々のような下賤な雌にそこまでの温情…♥ 有り難き幸せです♥」

「そういえばさ、ロジェロのことは良いの?」

「あれとの恋は既に過去のものです♥ デカいばっかりで挿れても痛いだけのチンポなんて、サイズ関係なく粗チンです粗チン♥ 立香様のように雌に応じて可変できるチンポこそ真のチンポです♥♥」

「…そういえば聞いたことありませんでしたけど。ロジェロとはどうでしたの、ブラダマンテ様?」

「痛くて苦しくて、ちっとも気持ち良くありませんでしたっ♥ あれに耐えることこそ愛の証だと、あの卑劣漢に勘違いさせられていたのですっ♥ それを正してくれたのが立香様だったんですぅぅっ♥♥♥」

「なる程、じゃあ今日も勘違いを正してあげよう。じゃあ……二人とも、立て。ブラダマンテは尻を向けろ、ブリトマートはオレに抱きついて奉仕しろ」


立香の命令を聞いた二匹の肉便器が、それを忠実に実行するべく立ち上がる。


「あぁ♥ いけません立香様♥ 私は一応、まだあの粗チン野郎のものでもあるんですっ♥ サーヴァントとして召喚された私はっ♥ あのゴミ野郎を再会できないと知りながら追い続ける女なんですっ♥」

「…会えないなら、少しくらい羽目を外しても良いんじゃないか、なッ!」

「あぁあッ♥♥♥ 思いやりを忘れぬその姿勢、ブラダマンテ感服いたしましたぁ♥」


立香の巨根に貫かれながら、ブラダマンテが立香を持ち上げる。

二人の女騎士が、特定の雄を崇拝する太鼓持ちに堕している。その事実が立香の興奮を煽る。


「ぁぁああ♥ これ♥ このチンポが欲しかったの♥ 思い出チンポよりずっとずっとぴったりフィットするぅっ♥♥♥」

「立香様っ♥ もっと私達を支配してくださいませっ♥ 雌は立香様のアクセサリーなのですから♥」


ブラダマンテが立香のチンポで喘ぎ、ブリトマートが立香を持ち上げる。

そうして立香は、二人の尊厳をこれ以上ない程踏みにじる下卑た快感の中で今日一番の射精を迎えたのだった。

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