足踏
呼び出しまでの期間は5日間、それまでにある程度見てくれがよく動けなければいけないと礼節を見ることとなったが………
「いつもの態度はともかく、殆んど完璧とは………」
「なんだ?不満かオーター」
「いえ、ファーミンさんが言っていた通りというのは意外だっただけです」
用意された、マドル家が仕立て上げた礼服に身を包んだファーミンはオーターが礼節は整っていることに驚きを受けてい発言に不満かと告げる
それにオーターは、前にある程度の仕込みは受けていると言ったが実際にそうだとは意外だったと純粋なる感想を口にした
「向こう側は、御遊戯はお望みか?そうすると相手に女必要だが」
「さて分かりませんが………」
場に入る所から、テーブルマナー、挨拶等々全てが熟されており犯罪組織と言えどもそう言うものが必要になる機会は多々あったのだろうとオーターは自然と読み取れた
するとファーミンは、最後に残ったダンスは必要かと面倒そうに口に出す
それにオーターは、二人だけで簡潔させるのなら男同士でありもし女性とうで混ざるのならパートナーを勝手に決められ本来神覚者に悪魔の5つ子が付き従う形がどうしても離れる形になってしまう
「まぁやれることは、やっておきましょうか私が女役をしますので」
オーターは、考え込むように眼鏡に手を当てて整えてから。レコーダーを回し、貴族の密談にも向いたゆっくりとした音楽を流す
そしてファーミンに、手を差し出した
「俺が男役か、オーターも後で変わるか?」
差し出されたオーターの手をファーミンは迷いなく手に取り、なら俺は男の動きで踊ればいいかと確認して後でオーターも男役側で踊るかと何時ものような軽薄な様子で話す
「いえ私は、もうやり方は分かってるのでいいです」
「相変わらずつまらないな、お前」
オーターは、無表情な感情の色が見えない目でピシャリとファーミンさんがちゃんと踊れるのか見るだけでいいと私はやり方は分かっていると断る
その瞬間つまらないと、つまらないと思ってなさそうな声色でファーミンは流れ続ける音に沿うように足を流した
「二、三曲合わせて問題がなかったら本番でも大丈夫でしょう」
女役としてファーミンと、足を合わせるオーターは本来この時のように教授するとき以外はする機会がない動きを不手際なくこなしていた
これは、ある種の規則があればその通りにやれば不備はないと言うオーター自身の才能と言うセンスからくるものである本来ならば突然やることはあらかじめルートが示されていても間違うのが当然であるがこの男にはそれがないのだろう
対してファーミンも、貴族の舞踏を何度か実際に行うこともあるオーターから見ても他の所作と同じく不自然なところはなかった
オーターの、規則に沿うことを徹底した結果ではなく音に沿い体を思うがままに動かした結果………ファーミンは言うなれば頭ではなく体が動いたとでも言うべきだろう
だがどちらも、周囲からみれば文句がつけようがない動きをしているのは間違いはなかった
「まぁそうだな、それでだめだったら向こう側が曲事前に提示してこなかったのが悪い」
ファーミンは、オーターの目をみて不自然はないみたいだと勝手に思い。オーターがコレを除いて一,二曲試すと言えばコレでダメだったら相手のせいだとぼやいた
「所で、恐らく御遊戯がある場合一旦離れることになりますが………」
それにオーターも、暗にそうだと言うように反論をせずファーミンにダンスの時にはどうしても私の側から離れることになるだろうと話す。するとファーミンは、それもそうだがと一旦頷いた後
「それはオーターが、直接向こうに呼び出されても一緒だろう」
オーターが、"俺抜き"で呼び出されてもどうしようもないと口にした
ファーミンの流れるような足取りは変わらず、声色も変わらない………いやむしろ普段より声の音は自体は小さい
文字通り"二人で踊っている間"しか聞こえない声であり会話
曲で会話は、周囲から聞こえず。踊れるほどの距離で近いのならば声ははっきり聞こえる
つまりそう言うことも、警戒しなければならない
オーターは、今まで踊ったことはあったがそういうコトへの経験はなかった。文字通りファーミンが知っているウラのルールとオモテのあり方の違いのひとつなのだろう
「話の内容を信頼の置ける神覚者サマには聞かれてもいいが、首輪付き犯罪者は聞かれたくないはずだ
オーターがごり押したら風評も悪くなる」
ファーミンは、理由の続きを話し始める。きっとオーターを呼び出す際には話の内容を聞かれなくないと、俺は入れないだろうとのことといれようとして無理をしても風評を悪くするため従うしかないと伝えた
「ある程度、注意を向けるしかないですね」
それにオーターは、貴方に注意を向けますと安心させるように返せば
「流れに勝手に、会わせればいいさ」
ファーミンは何に緊張してるんだと流れに合わせるしかないと諦めのような同時になるようになるとオーターと繋いでいた手を離し恐らくコレだろうと勝手にレコードを入れ替え二曲目だと手を握り直した
本来ならば、連続で何曲も踊りきるのは体力的に多くの人は厳しいところはあるだろうが………神覚者として日々戦闘に向かうこともあるオーターと悪魔の5子として犯罪者の主要幹部としてあったファーミンには軽い運動程度であり軽く汗をかく程度であった
「曲調がそれぞれ違う三曲でも、問題なし………礼節がなってない猿をつれてきたと恥をかくことはないでしょう」
オーターは、使ったレコードをしまい各種の規則は問題ないこのまま招待を受けても恥をかくことはないと用意された水を飲み。ファーミンにも水を入ったコップを差し出した。
「まぁ俺としては、俺自身が嗤われる事はしょーじきどうでもいい部類であるからオーターのプライドが保たれたな良かったな俺がそれなりで」
ファーミンは、素直にコップを受けとるが礼節の無い猿と言う余計な一言が気に触ったのか俺はどう見られてもいいと言いながら本番でとちってやろうかと言うような挑発的な目線を向けた
「大丈夫ですよ、ダメだったら私が仕込み直してましたから」
「うわコワ………まぁそれはいいとして」
「何ですかファーミンさん?」
それにオーターは、もしそうだったら仕込み直しますよと単純に事実を伝えた。だがその事実がどういう意味を持っているのかをファーミンは知っていた
一気に三曲連続で踊り暖まった体が冷える感覚がするのを切り替えるかのようにファーミンは話題をすぐさま変えた
「オーター、しばらくさん付けは止めとけ。後俺は神覚者様かオーター様どっちで呼ぶのが好みか決めとけ」
「はっ?ファーミ」
そのオーターのファーミンは、突然何を言ってるんだと表情がなくても態度で分かる事が面白いと思いながらも最後まで何かを言おうとするのを遮り
「向こうが求めてるのは、躾のなってる従順な犬の様子だ
まぁファーミンですらなくてもいいんだが、生憎俺には敬呼番号がないみたいでな」
ファーミンさんは、求められていない
お前が上で俺が下
回りの奴らに首輪を見せるには、分かりやすくだろ?
そうオーターに立場を示すようにそれだけ言って、返答だけをまつようにファーミンは口を閉ざし笑みだけ残した