超閲覧注意

超閲覧注意


・百獣軸でベビベルがいる

・捏造設定

・>>70,>>84を見ても引かなかった人向け

・ギャグです

・ごめんアルベル愛してる

・実際こういうことがあったらホルモン異常とか癌とかだから病院に行ってください

「うわぁぁぁーー、えーーーん」

「泣くな。ご飯ならもうすぐだから待ってろ」

「びぇーーん、えっぐ、えっぐ」

「分かったから。泣くと疲れるだろ?少し大人しく待っててくれ…」


 言葉で宥めようとしても赤ん坊に伝わるわけもなく、おれの胸の底にわだかまっていく焦燥感を僅かに落ち着かせる効果しかなかった。これが縁もゆかりも無いただのガキなら今頃放置して仕事に戻っていただろうが…黒い羽を背負い褐色の肌と白い髪を持ち合わせ自分と似た顔で泣く赤子となれば気味が悪くてもほっぽり出すことなどできない。

 ……もちろんこれを拾って即座に『あ、小さい頃のアルベルだ!!え?なんでアルベルって分かったかって??だって魂がおれの息子だって叫ぶんだもん!』なんて当たり前の顔して宣言する人の言葉を頭から信じられたわけではないが。


「お待たせアルベル!とベビベル!!ヤギのミルクしかなかったけど飲めるかな〜?」

「たぶん大丈夫だろ」

「うわぁーーーん」

「ベビベルお腹減ったよな。ご飯だぞ!」


 なんだその安直な名前は、そいつが大きくなってもその名前で呼ぶつもりか?なんて思いながらも、無言でミルクを掬った匙を赤ん坊に差し出す1を眺める。しかし腹が減っているはずのそいつはミルクを舐めることなくぐずったままだ。


「ひっく、えっぐ…」

「なんで飲んでくれないんだ?」

「おそらくだが本能的に乳首みたいな形状じゃないと吸い付かないんだろ。……厨房に腸詰めする前の洗った動物の腸でもないか?」

「あ、あったかも!!もらってくる!ごめんなベビベル〜おれがおっぱい出ればよかったんだけどな…アルベルもおっぱい出ないよね?」

「当たり前だろ。気色悪いことを言うな」

「分かっているけど…ルナーリアならできそうじゃん?!あとおれはアルベルとベビベルの父親だけど母親にもなれたら良いなって思ってんだ」

「えーーん、ぁう、ひゃーーーん」

「……妄言吐いてないでさっさと取ってこい」

「ああっ、そうだった!ごめんねベビベルもう少しだけ待ってて!!」


 ドタドタと廊下をかけていく足音を見送って未だに泣き続ける赤子を抱き直す。…といってもおれの片手に乗ってしまうほど小さな命では抱くというより手のひらに乗せているだけだが。


「おれもこの頃は泣いてばかりだったのか…」


 そんなこと誰に聞いても「当然」と返すだろうが、いつからか泣くことを忘れてしまった自分からすると本能のまま泣き叫ぶ赤ん坊はなんだか新鮮なものに感じる。


「ぴゃーーー、ひゃっく、ひゃっく」

「そうだな。腹が減るのは辛いし苦しいよな…」

「あぁぁぁ、わぁぁぁん」

「大丈夫だ。あの人は血の繋がってないおれたちを息子と呼ぶ変人でドジで方向音痴だが…おれたちのことを大切に想っている。信じてくれ」

「ぐずっ、ふぁっ、っく」


 なぜ赤子の泣き声はこんなにも精神を抉るような圧力を持つのだろう。単なる感情移入か何もしてやれない自分への苛立ちか、胸の奥に蔓延った不安に似た感情は鉛のように重く心臓の周りを這い回る。


ブシュッ


 そのどろどろとした感情が破裂したような音が自分の胸元から聞こえた。


「…なんだ?」

「お待たせ!!」


 ちょうどその時1が戻ってきたので彼の手に赤ん坊を渡して、腸に注いだミルクに吸い付く子供の横顔を眺めながら心臓の上に手をやる。一体なんなんだこの不快な感触は。


「悪いが用事がある」

「まだお仕事あったのか?ごめんね忙しいのにベビベル見てくれてて…ありがとう!!」

「別にこのくらい大した事じゃない」


 足早に部屋を出て自分でも驚くべき速度で自室に戻った。マスクと上着を手早く剥ぎ取ると液体が滲んで色の濃くなったシャツが出てくる。


「もしかして、ルナーリア族はこういう生き物だったのか……?」


 本来男には不必要な胸の中心にある部分からは白く濁った液体が溢れていた。



追記

たぶんこのアルベルは1がいない時だけこっそりベビベルにおっぱいあげてる

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