誕略バリオル

誕略バリオル


⚠️ワンクッション⚠️

誕生日前日から宿泊して日付変わった瞬間にバスローブ脱いでお祝いして♡って誘い受けする金細工師のバリオルです!!!









 風呂場からシャワーの音がする。正直もうそれだけでイライラしてくる。

 ベッドの縁に腰掛けて項垂れるウインバリアシオン。手慰みにスマホでゲームをするのも飽きた。というかもうやることはない。部屋に入るなり映画を見てカラオケをしてゲームで対戦もして。もうただただ普通に遊んだ。こちらとしてはいつそういう雰囲気になるのかと待ち構えていたのに。遊び終わったら普通に「風呂入ってくる〜」と。え?もう今日はそういうのナシ?ただ普通に遊ぶだけでここに来た?

「はあ〜〜〜〜〜〜〜〜」

 落ち着かせるように大きく大きく息を吐いた。気がつけばシャワーの音は止んで代わりにドライヤーの風の音が聞こえてきた。

 ちらりと時計を見る。23:58。

 誕生日前日からここに来て、一体どんなその瞬間を迎えるのかと思いきやまさかこうして散々焦らされ待たされお預けを食らうとは。一応それなりに祝う準備をしてきたというのになにもかも肩透かし。

「ふ、ふ、ふ〜。待った?」

 風呂場からひょこっと顔を出した。もうあと1分で誕生日を迎える暴君さま。

「どーよ、ピッカピカに磨いたボク!父さんに言ってこの部屋のシャンプーもトリートメントもボディーソープもドライヤーも良いものに変えてもらったんだ〜。すごい文句言われたけど」

 バスローブ姿で得意げにくるりと回ってみせる。金細工というより飴細工のような。ふわりと漂う甘い香りがウインバリアシオンを刺激してきた。

 ピ。デジタル時計の表示が00:00に変わる。

「はーい5月14日!ボクに言うことあるでしょ」

 にやりと笑う暴君さまは、スルスルとバスローブの帯を解いて合わせをはだけさせる。

「……」

 ウインバリアシオンはぱさりと落ちたバスローブを思わず視線で追う。

 一糸まとわぬ姿のオルフェーヴルが、いたずらっぽく笑う。

「いっぱいお祝いしてよね、バリアシオン」

 ひくり。引きつるように笑う。この野郎。よくもよくも遊んでくれたな。

 性急にベッドに引きずり込んで覆いかぶさる。

「仰せのままに。俺の暴君サマ」

 誕生日だからって容赦しないからな

 


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