記憶猿空間送りファンタジー

記憶猿空間送りファンタジー

マネモブ

ワシの名前は日高聡一、どこにでもいる睡眠前妄想練り広げマネモブだ
医師の父と看護師の母を持ちながらこんな化け物が生まれた理由を教えてくれよ
それはそれとして今日も妄想を練り広げてやりますよクククク
しかしさすがに毎日がカーニバルな高校生はファ~眠い

そんな事を思いながらパジャマに着替えスマホを枕元に置きベッドに身を委ねる

そして今日もいつも通り睡眠前妄想を繰り広げレム睡眠へと沈んでいった


日差しが心地いい えっ

草だ 草に寝そべっている なにっ

花だ 花が目の前で咲いている なんだあっ

人生で一番明晰な夢を見れて戸惑っているのは俺なんだよね
もしかして令和の世にチンピラに絡まれたワシへのご褒美なんじゃないスか?
不思議ですねあれほど大きく羨ましく…切実に欲しいと思っていた明晰夢が
今では掌の上にある
はーっなんか気持ちええなあ ここは…

ここは…

ここ、どこだ?

俺は朦朧とした頭で
起き上がり辺りを見渡す
森だ いやその前に、俺はどうしてここに居る?
          俺は誰だ?

             は?

えーと一旦状況を整理しよう
俺は起きると森に居て…

記憶喪失になってた あ 記憶喪失
となると何が思い出せるのかの調査だな
まずは俺の名前!

思い出せない 分からない 
「マジか」
なんかショックだ
父も母も思い出せない あっ年齢は思い出せる
俺今17だ
他に思い出すものは…
起きたって事は寝てたんだよな…
睡眠…夢… うーん…

まあとりあえず山を降りるか 山はやべーからな

俺…どうなってるんだ…
いや病院に着くまでは考えないようにしよう

体感30分は歩いた所で沢に出た

おぉ…足滑らせるとかなんとか…
引き返そ

そして俺は踵を返して歩き始めた

ああ 怖い 怖いよ

いや自然の豊かさの事でも考えとこう
茂った草…色とりどりの花…静穏な木々…真っ黒な獣…
             「フワアァァァァァァ↑ァ↑ァ↑ァッ」
やばい 余りの衝撃に欠伸が吸気発声になってしまった
やばい やば やべ アッムカッテキタ

ド ド ド ド ド ガッ
「ヴッ ア゛ァ゛!?」痛いいたいあづいあづいあづい熱熱熱

ボッ

「ア゛ッ!?」血が燃えた
       燃えた血に驚いて獣は逃げて行った
何が起こった 熱い 混乱してる 痛い
「ハァッ  ハァッ  」
「う゛ぅ゛ぅ゛~゛~゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛~゛~゛」

寸刻後涙跡を付けた彼は歩み出した 世界へ

! 人の声だ!

川 砂利 漆黒の怪物 対 奇特な人間  失神



「…イッ!コッ…  が倒れ… ぞ!」
男の声だ
「マジッ!?流れ…当たっちゃった!?」
女の声だ
「ゴメンっ今回のラカドラの逆鱗上げるから勘弁して~」
「ばか 先に治療魔法掛けてやれ傷だらけじゃねえか」

再度失神

『エッー!?』

彼は歩み出した 異世界へ

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