言い訳作り

言い訳作り

donm
アーチャー・インフェルノ



           

「聞いていますかマスター!!」

「はい…」

姿勢を正しながら返答する

「よろしい」

先ほどの怒りで多少乱れた白い髪をかき上げながら彼女も姿勢を正す

彼女の名は巴御前、現在ではカルデア所属のサーヴァントである

そもそもこうなったのは…

「女性と関係を持つなとは言いません…節度をもって接しなさい」

ということである

「よりによって厠でなど…」

そこは反省すべき点だった

最初はどっちだったか忘れたが煽り煽られ互いにムラムラし、たどり着いた先がトイレだったのだ

互いに身だしなみを整えながら出てきたところを見られてこうなっている



ちなみに同じく反省させられるはずの彼女は羞恥のあまり爆散した

まあ彼女のことだからまたどこかで再生してるだろう次の時はもうちょっと自分が言ったとおりに変わっているかもしれない


次にやるときはある程度整えてから出てこようと思った


「聞いていますか?」

彼女に顔を両手で挟まれ赤い双眸をみあげる

よこしまな考えを見透かされたのだと感じて素早くうなずいた


本当にわかっているのでしょうか…と小さくつぶやく彼女は普段の髪を下ろし襦袢一枚でいた


怒りが去って安心するとさらにムラッとした…


固く握られた両の手が振り下ろされる前に自身の手で包む


「すいません!!」

鬼の角が一瞬見えたので

自分の変化に気づいた彼女が口を開く前に動いた…


お叱りを受けながら反応するそんな自分に腹が立つだがそれほど香りよくあなたが魅力的だったと

自分は反省しておりその決意をゆるがし惑わすくらい彼女がどれだけ魅力的なのかを並べた


「わ、私が魅力的ですか…」



「ゲームに没頭してしまいますし…」

「好きなことに一直線ってことじゃないですか」

「丸太を一人で運べますよ…」

「効率いいじゃないですか」

「いっぱい食べすぎてしまいますし…」

「あれで?!」

あとで一部サーヴァントに怒られそうであったが…過去を持ち出し卑下しようとする彼女を丁寧に論破する

「義仲さまの妻ですし…」

「そんなことはわかってます」

「ですから…っ」

マスターはとっくりの中から液体を口に含み異論をはさもうとする彼女の口をふさぐ


一瞬の抵抗の後行き場のない液体を流し込む

「伊吹童子の神酒です」

「え、でも…」

「俺でも記憶が飛ぶくらいのものです!!いいですね!!」

「っ…はい」

固く握られた手はほぐれ互いに強く絡まっていった…

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