触手×炎司

触手×炎司


※ひたすらエロです

※特殊性癖なので閲覧は自己責任でお願いします





「ぐぅ……っ」


ぬるり、ぬるりと這い上がってくる濡れた感触。

緊急出動要請に応えて林道の奥にある廃屋に来たまでは良かったものの、扉を開くなり黒い触手に絡まれ、そのまま家の中へと引き込まれてしまった。

たまたま近くにいたからといって一人で行動するべきではなかった。

そんな初歩的なミスを反省するものの、もう遅い。


「くそっ、離せ!」


ぐちゅ……ぬちゅ……。

不気味な水音は、粘液のせいだ。


「ひぁっ!?」


ぬるり。

這い上がってきた触手が、ふくらはぎからさらに上、ふとももまで届く。


「ぐ、う……っ」


腹に力をこめ、炎を出そうと試みるものの、さっきからちらりとも火が出ない。

どうやらこの触手は個性を封じる能力まで持っているらしい。最悪だ。

しかし、この廃屋に着いた時に救援要請はしてある。

だから今しばらく耐えればいい。

時間を稼げばいい。

幸いにして、この触手は命を奪うタイプの化け物ではない。

今まで数人の男性がこの触手に襲われたという報告があるが、命を取られた者はいない。

服を粘液で溶かされた後、ひたすら肉体をもてあそばれ、精を吸われるという話だ。

ちなみに、服を溶かす粘液とやらはヒーロースーツにすら有効だったらしく、今の炎司は真っ裸だ。

無防備な状態に肌が粟立つが、抵抗のしようがない。


「ぬぁっ?」


ぬぷッ。

触手が臀部を撫で、そのまま後ろの窄まりへと入り込んできた。


「な、んだ……っ!?」


この触手に襲われたら精を吸われる。

そういう話だったはずだ。

だから陰茎に絡みつくならまだわかる。しかし、そこは違う。ペニスではなくアヌスだ。

この触手はなにをして……。


「……う、あ、あ……っ、な、んだ…なにが……ぐっ」


ずる、ずるるッ。

触手が炎司の後孔を押し開いていく。

最初にもぐりこんだ触手は細かった。

しかし、いくら細い触手でも、二本、三本と増えれば腹が苦しい。


「は……ぁっ」


しかも、細い触手が何本かまとまると、一本の太い触手になるらしい。

その太さと圧迫感が炎司を苦しめる。


「……く、ぁっ、は、あ…っ」


息を吐き、なんとか力を抜く。

ぎちぎちに拘束され、宙に吊られた身体。

最初、この触手に襲われた時、当然炎司は暴れたし個性を使おうとした。

しかし、どれだけ暴れても触手がより強く絡みつくだけで無駄な抵抗に終わったし、炎は出せなかった。


「ぐ……ぅっ」


大きく開かされた足。頭上で戒められた両手首。溶かされたヒーロースーツ。

万事休すだ。

逃げ出す術がない以上、助けが来るまでひたすら耐えるしかない。


「……おあっ!?」


思わず声が裏返ってしまった。

触手が吸いついたのだ。

どこにか。はっきりしたことは炎司にもわからない。ただ、入り込んだ触手が、弱い粘膜のどこかに強く吸いついた。

途端、ビリビリした電流が腹の奥に流れる。


「な……な、に……がッ、……あ゛っ、ぐっ、……あぁっ! あぁあああああああ゛ッ!」


ぐるんと目が瞼の裏にまわりそうになる。

なにが起きている?

なにが……。


(腹……腹の、おく……あつ、い……っ)


電流だと思ったのは、激しい快感だったらしい。

柔らかな粘膜に、触手がさらに強く吸いつく。

おそらく音なんてしていない。

ちゅぅぅっ、と吸われているだけ。それだけ。そのはずだ。

腕や足を吸われたのだったら大したことはない。けれどそこはダメだ。

腹の中、後ろの粘膜の弱い部分。


「ひ、ひぐっ、うっ…あ、あ、あ、……っ、な、なに、が…おきて……え゛っ、……ぐあっ、あ゛…ッ!」


ビクビクビクビクッ!

炎司の全身が派手に痙攣した。

頭上で縛られたままの腕を振り払うように暴れるが、触手がさらにきつく巻きついて炎司の動きを封じ込める。

強すぎる快感に腰が逃げようと揺れるが、それもまた新たな触手が現れ、身じろぎすら許さないとばかりに絡めとられる。


「や、やめろっ、やめ……ろっ」


前立腺。そこを刺激すると勃起するとか、快感を得るとか。

今まで炎司自身が経験したことはなかったが、知識はあった。

性犯罪を取り締まることもあるから知識だけはあった。逆にいうと知識しかなかった。

実体験することになるなんて、想像すらしていなかったのに。

まして相手は人ですらない。


「お……あ゛っ、あ゛…ッ、やめろ…そこ、……そこ、やめ、ろっ……お゛っ、……ォっ!!」


ぐりっ、ぐちゅぐちゅぐちゅッ!

触手が吸うのをやめ、今度はそこを強く押し潰すようにして動く。

またも電流のような快感が全身を貫き、炎司はガクガクと腰を揺らした。


「……ひ、ぅっ」


激しい快感に何度も襲われ、うまく呼吸が出来ない。


「や、めろ……っ、もう……ッ、よせ…っ」


必死に首を振る。

まだ自分の心は折れていない。まだ耐えられる。

自分をいいようにする化け物に懇願なんてしたくない。

そう思っているのに……。


「そこは違う……っ、やめろっ、そこは……よせ…っ」


にゅぷ、と新たな触手があてられた場所。

炎司のペニスの先端。


「い゛ッ、ぁあああああああ゛…っ!!」


喉から悲鳴が溢れだす。

同時に涙も溢れだし、頬に流れていくのがわかる。けれど、止められなかった。

炎司のペニスの先から入り込んだ触手が、ぐぷぐぷと音を立てて中に進んでいく。

痛い……痛い、はずだった。

なのにそこに与えられるのは、痛みを圧倒的に上回る快感。

おそらく粘液の効果なのだろう。

催淫効果まで完備とは笑ってしまう。


「ぐ……ぁ、…ア…ッ、……よ、せ……っ」


ふるふると首を振る。その動きがさっきまでと比べて随分と弱々しいものになっていることは自覚していた。

当然、触手は炎司の抗議など聞くわけもなく、ペニスの中をさらにずぶずぶと進んでいく。


「……あ…っ」


どこまで進んでいくのか。

怯えるように視線をさまよわせた炎司を嘲笑うかのように、さらに深くまで押し込まれ、やがて行き止まりにあたった。

違う。行き止まりではない。その奥……。


「…………ッ、……か、…は…ッッ!」


がくんと腰から力が抜け、顎が上がる。

頭が真っ白になり、視界がチカチカと明滅した。


「あ゛……っ、~~~~~~~~~~~~っ、あぁあああああああああ゛ッッ!」


ペニスの先から入り込んだ触手が、前から、前立腺を押し潰す。

炎司にはなにが起きているのかわからなかった。

ただ、これが耐えきれる快感でないことはわかった。

怒涛のような快感が、炎司に襲い掛かる。


「……ひっ!? い……っ、いっ、あ……おく、……おぐ…ッ、おがじぐ、なるっ、う゛…ッ!」


炎司には、肛門から前立腺を刺激できるという知識はあった。

しかし、尿道の奥から前立腺を刺激できるなんて知識まではなかった。

もっとも前もって知っていたとしても、こうしてイキ狂う未来は変わらなかっただろう。

そう、今の炎司は絶頂していた。何度も、何度も。

尿道から前立腺を責められて。


「そっちも、同時はダメ、だ……むり……むり…らか、…あ゛っ、あうぅ…う゛ッン、……ひぃいいいいい、ィっ!」


同時に、後ろに入り込んだ触手にも前立腺を押し潰されて。

何度も絶頂する。


「い゛ッアァっ、あっ……ひ、ぃっ! いぐ……ぅっ!」


ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅッ!

濡れた音が響く。

どこから?

もう、わからない。

後ろからも、前からも、前立腺をめちゃくちゃに押され、こねくり回され、時には吸い上げられ、無理やり注ぎ込まれる快感。

とっくに炎司の許容量は超えていた。


「あ~~~~~~っっ! あぁぁあっ、あ゛…ッ!!」


ガチガチと歯が鳴り、強すぎる快感に視界が揺れる。

全身がずっと痙攣しているけれど、触手に巻きつかれているせいで激しく動くことは出来ない。

快感が逃せないまま次から次へと強い快感を叩き込まれていくせいで、意識が泡のように弾けては消えそうになる。

しかし、失神しそうになると、より強い快感で無理やり叩き起こされる。

過ぎた快感は苦痛であり、拷問だ。

それを今の炎司は身体に叩き込まれていた。


「ひぁっ!?」


くちゅ。

柔らかな動きに変化した触手。

それは、尿道に入った細いもの。今まで奥を強く押し潰していたのに、するすると上がっていく。

同時に精液もせり上がっていく。

あまりに強い快感で気がそれていたが、この廃屋に引きずり込まれてから、炎司はまだ一度も射精してない。


(……あ、あ……だした、い……っ、射精した、い……)


思い出してしまえば、射精のことで頭がいっぱいになる。

出したい。

腹の奥に溜まっているこの熱を吐き出したい。

今は触手で塞がれてしまっているが、あと少し。もう少しだけ触手を引き抜いてもらえれば、射精できる。

あと少し。


「ひ……っ」


しかし、そんな期待はあっさり裏切られた。

ギリギリまで引き抜かれた触手が、そこで動き出したのだ。

ぐりぐりと尿道の中を擦る動き。

それは炎司の射精欲をより強く煽るものだった。


(出したい……だした、いっ、……射精…したい……っ、むりだ…いや、だ……だしたい、のに……っ!)


ぼろぼろと涙が溢れだす。

懇願はしない。化け物に屈したりはしない。

そう心に誓っているのに、身体は炎司の決意を嘲笑うかのように射精を求めて痙攣する。

腰がびくびくと震え、ペニスの奥から精液が溢れそうになっている。

なのに出させてもらえない。

そればかりか、入り込んだ触手はペニスの中をわざとゴリゴリ擦り上げ、炎司の射精欲を煽り続ける。


「い……あっ、……ァっ、…………や、め、……ろっ、ォ…ッ」


出したい。塞ぎ止められている精液を吐き出したい。

どうしたらいいのだろう。泣いて縋ったら出させてもらえる?

懇願したら、許してもらえる?

溜まっている精液を、最後の一滴までたっぷりと出せたなら、どれほど気持ちいいか……。


「ち、がうっ」


炎司は慌てて首を振った。


(……俺、は、……なにを)


化け物に屈するなどあり得ない。まして、懇願するなどと。

そんな屈辱的なことを一瞬でも考えてしまった自分が悔しかった。

この化け物は命を取らない。ただ耐えればいい。そう、ただ耐えれば……。


「お、……あぁ、あ゛……っ、あ……っ、や……めろっ、もう……そこ、……そこ…っ」


またも意識が白くかすむ。

尿道の側面をすりすりと動いていた触手が、今度は奥へと戻ってきた。

そしてゴツゴツと前立腺を叩き潰す動きに変わる。


「………ッ、ひっ!? ……ッ、いく…イぐ…っ、……い、ぐううううううっ!」


耐えようとしたはずの声が、甘い悲鳴となって廃屋の中を満たしていく。


「いぐ…イっで…るっ、……さっきから、……なか、で…イっで…ぇっ」


次から次へと溢れだす嬌声。

後ろから前立腺を突き上げられ無理やり絶頂に押し上げられる。同時に、前からも。


「いぐ…っ、う゛…っ、も……よせ、……よせ、……イっでる……ずっとイっでる……っ、……とまら、な…っ、あ゛ッ」


二本の触手で前と後ろから前立腺をめちゃくちゃに押し潰される。

射精していないのに、さっきからずっと絶頂が止まらない。

ドライオーガズムと呼ばれるそれを経験するのは初めてで……。

もういらない。もうこれ以上強い快感はいらないと思っているのに、身体は余すことなく触手に与えられる快感を貪ってしまう。


「もうよせ……よせええええ゛っ、……や、ぁっ、…いら、な……もう…いらないッ、……いら、な…っ」


ダメだ。

理性が削り取られていく。

ずっとイかされ続けていて、息が吸えない。

苦しい。気持ちイイのが、もうひたすらに苦しい。

頭がぼやけるのも、涙が止まらないのも。腰が射精を求めてひくつくのも。全身が痙攣したまま絶頂し続けているのも。

ぜんぶが、苦しくて。でも、気持ちイイ。


「ごわれ…る……っ、おれ…が…こわ、れ……るっ、……くそっ、……お゛っ、……あ、がッ、……あ゛……ッ、~~~~~~~~~~っっ!」


悔しくて、腹の奥に怒りがわく。

けれどもう、それが最後の理性の切れ端だった。

そしてそれすら、すぐに快感に押し流されていく。


「あ゛……っ、あ゛…ッ、……っ、いぐううう゛っ、……っまた、…またイぐ…っ、……ずっとイって…る…っ、とまらな…ぁっ、あ゛……ッ、ッ! あああああああ゛っ!」


自分が堕ちる瞬間など……永遠に知りたくなかった。

涙が溢れ出し、同時に理性がボロボロと欠け落ちていく。


「………ひっ!? いら、な…っ、……もう、これ以上、きもちい、…の……やだ、……や、ア……ッ!」


ずる、ずるるっ。

ペニスを塞いでいた触手が引き抜かれていく。

ずっと出口を求めていた精液が、それに合わせてせり上がっていく。気持ちイイ。でも、もういらない。

これ以上の快感は、怖い。いらない。もう。

もう、いやだ。


「やだ、……や、…あっ」


しかし触手は、炎司の怯えを笑うかのように、一気に抜け出ていった。

ズルルルルルルルッ!


「ああああああああああ゛ッ、………ッ、ッ! ~~~~~~~~~~っ!!」


悲鳴は途中で消えた。

過ぎた快感に、声すら出せなくなったからだ。

ビクンビクンと全身を痙攣させ、これ以上ないと思っていた絶頂の、さらに上まで押し上げられていく。

激しい快感の波。腹の深い場所で弾ける触手の熱。


炎司の意識は、そこで途切れた。






「…………あ?」


そして目が覚めた時、全部夢だったら良かったのに。


「ひ……ぃッ!?」


ゴリッ、ゴリゴリッ!

腹の奥でなにかが動く。硬いもの。

卵のような、なにか。

馬鹿な。この触手は男の精を吸うだけではなかったのか?


「や、めろ……もうっ」


今まで、一人だって命を取られたものはいないと……自分が、その一人目になるのか?

不安に身体を強張らせた時、ドカンと派手な音がして、ドアが開いた。

爆発。喧噪。

突入してくるヒーローたち。


「エンデヴァー発見!」

「早く救助隊!」


救援が来た。

そのことに安堵し、炎司の身体から力が抜けていく。

後で知ったことだが、触手を無効化する薬剤が市販品の中に偶然あったらしい。本当に一人で来てしまった自分のミスだ。すべて。


「親父!」

「エンデヴァーさん!」

「エンデヴァー、大丈夫かい?」


あっという間に触手がなぎ払われ、人の腕に抱きしめられる。

声は、ショート、ホークス、そして最後はオールマイトだろう。眠気が強すぎて、彼らの姿をはっきりと見ることは出来ないけれど。

しかしオールマイト。言わせてもらおう。この状態を見て大丈夫だと思うなら、おまえの目は腐っているし、そもそもおまえもうヒーロー引退したんだろうになんでここにいるんだ。


「ん……」


けれど、どうでもいい。

眠い。

たまらなく眠くて、もう意識を保っていられない。

肌は触手の粘液で濡れたまま。足もずっと開かされていたから痺れて動けない。

ひどい格好を見せてしまっているが、それでも、命があればまだ戦える。大丈夫だ。ああ、オールマイト。そういう意味では確かに大丈夫だな。おまえと意見が一致するのは悔しいが。


「……え? この触手は、まさか」


なんだか切羽詰まった声が聞こえるけれど、もう誰の声かも判別できない。

わからないけれど、助かったのだから良い。

すぐに復帰して、また、ヒーローとして……。






結論からいうと、ヒーロー・エンデヴァーは数日入院した後、復帰した。


その入院していた数日間が、触手に孕まされた卵を産むまでの期間だったこと、産卵するまでのあいだ腹の奥に残された卵が動くたびに絶頂し続けていたことは、ごく限られた人間しか知らない。

産卵する時に泣き叫びながら腰を揺らしていた姿を見ていたものは誰もいない、とされている。






END




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