覗きの疑惑
142人っきりの部屋で男と女が言い争っている。
「だからよ!おれは覗きなんかしてねェって言ってんだろ!」
「そんなこと言っても色んな人があんたを見てるって証言してるんだよ!女子更衣室の前に立ってるあんたを!私が庇うのにだって限界があるの!ねぇ…ルフィ…隠すのやめなよ!」
発端はこうだ。
私は見てはいないが、ルフィが女子更衣室の前に立ち、扉を開こうとしているところを見た!と言い張る男子学生が現れた。
そこから、ルフィはそんなことしない!と言う人ともう証拠は上がってるんだから白状したら、温情をかけてもらえるように取り計らうと言う人に分かれて、言い争いが始まった。
そこで偶然通りかかった私がルフィの幼馴染だから、という理由でルフィに本当のことを聞き出してくれと頼まれたのであった。
「ほら…私は怒ったりなんかしないから、お姉ちゃんに正直に話して…?」
「っ!だから!おれは本当に覗きなんかしてねェ!」
意固地になるルフィにイライラする。
「もう!嘘をついたままだったら、最悪退学になっちゃうかもしれないんだよ!それに!〇〇くんってわかる!?学校でも人気者で先生の信頼も厚い男の子!その子が見たって証言してんのよ!あんたが完璧に不利なことぐらいわかるでしょ!」
「だから!おれは嘘なんかついてねェ!ウタはおれなんかよりその〇〇ってやつを信じるのかよ!」
「そんなこと言ってないでしょ!」
「そう言ってるのと同じだろ!」
本当にイライラする!なんでこんなにイライラするんだろう!
「ああ!もう!それに!ルフィぐらいの時期の男の子なんか女の子の体に興味を持ってても仕方ないんだって!」
「おれは女の体になんか興味ねェ!」
「へー…?そうなんだ…じゃあお姉ちゃんの体にも興味ないの?時々、私の体を見てるの知ってるんだよ?」
「は!?…いや!お前の体なんか全然!これっぽっちも興味なんかねェ!お前の体見るぐらいだったら、目見えなくなった方がマシだ!」
そして、ルフィはそっぽを向く。
今のは流石にカチンときた。これは怒っていいと思う。
「ルフィ!あんたねェ……!………!………いいこと思いついちゃった♡」
そう呟き、怒りを抑えながら、制服を脱ぎはじめる。
この行動が一生忘れることのない思い出に繋がることも知らずに………