衣替え

衣替え



冬の制服を広げて畳んで、名残惜しく洋服入れにしまう。

……まぁ、エースやトレーナーが手伝ってくれたんだけどね?

久しぶりに見た半袖の制服。

まるでアタシを待っていたかの様に綺麗な姿でこっちを見てくる気がした。

「待たせたね、春夏のアタシ」

そう呟きながら衣替えした制服に身を包み、鏡で何も問題ないかチェックする。

「よし!これでオッケー!」

すると先程冬服をしまった洋服入れが目に入る。


———行ってらっしゃい


何も言葉は聞こえないけど……

確かにアタシを送り出してくれたような、そんな気がした。

「おーい!シービー!遅れるぞ!」

「早くしないと先行くぞ!」

玄関から聞こえる二人の声。

「今行く!」


またね、秋冬のアタシ

よろしくね、春夏のアタシ

心で呟きながらアタシは玄関へと向かう。



でも、自由奔放なアタシの事だから……

秋冬のアタシが待ちきれなくてひょっこりと出てきちゃうかもね?

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