行為シーンその2

行為シーンその2


そのマッスルに似合わず、穏やかに抽送を開始したA。一部ヌルつかないところは気になるが、彼の物は前立腺をこすり、俺の身体には着々と熱がこもっていった。


「キスできる?」


彼の物を受け止めながら、そう聞かれた俺は、静かに頷き、だらんと舌を垂らした。そして、舌と舌を絡ませ合うディープなキスを。俺は普通のキスをすっとばして初体験を遂げた。それはまるで魔法のように、俺たちの気分を高めて…はくれなかった(思ったより舌が浅い)が、Aの気分は高まったようで、「かわいいよ」と言ってくれたり、頭を撫でてくれたりしてくれるようになった。俺はかわいいと褒められて嬉しかったし、常日頃から布団の中で抱き枕を抱き締めるときに、自分で自分の頭を撫でるほどに、"頭を撫でてもらう"という行為が好きだった。

俺はそれにじくじくとした快感、幸福感を覚えた。

そうして気分は上がり、彼の抽送は勢いを増してゆく。


Aのボルテージが上がる。

俺の奥に痛みが走る。


そう。その力強いピストンは、前立腺をぐりぐりと刺激し、そしてなにより俺の尻穴の奥に届いた。

説明しよう。アナルセックスは人間の肛門、出口のすぐにある便を貯めておく比較的広めの空間がメインフィールドである。

お腹のなかを綺麗にすると表現したが、厳密にはここを綺麗にすることで大便撒き荒れる大惨事を回避する。

しかし、ここも長い腸のほんの一部でしかない。そのさらに奥にも空間はある。

その奥の空間はおそらく、手前の空間よりも狭いのだ。だからこそ圧迫感が生じる。その圧迫感は、突かれる衝撃と合わさって内臓を揺らす痛みと恐怖へと変貌する。

前立腺は気持ち良い。だが、奥を突かれるたびに走る疼痛がそれを打ち消してしまう。たかが疼痛、されど疼痛。俺は絶頂を封じられた。

それと同時に、彼は固い俺の身体をちんぐり返しのかなりキツい姿勢にした。足の付け根にも痛みが走る。疼痛ではなく普通に痛い。我慢できないタイプのやつ。

俺は思わず彼の腕をTAPし、だいしゅきホールドのような体勢へと変えてもらった。

だが、俺の奥に現在進行形で走る疼痛について、俺は指摘することができなかった。

なぜなら、俺には「開発不十分でここに来た」という後ろめたさがあったからである。その後、ちんぐり返しを三回され、その度にちょっと我慢してタップするを繰り返した俺は、Aにバックでの行為を提案された。

即快諾。俺は"枕に顔を埋めながらの行為"に憧れがあった。

チングリ返しはなくなり、前立腺は相変わらず気持ち良い。

「うっ」と呻きのような性感の声が何度も漏れ、身体が勝手にビクビクと跳ねる。


(これはイける!!)


と心の中でガッツポーズをしたとき…


Aのボルテージが上がる。

俺の奥に痛みが走る。


またもや気分が上がってきたAが俺の奥を捉えた。必然痛い。俺はイくことが不可能になった。

だが、Aはヒートアップし、俺に体重を乗せ、体勢は寝バックへ。

余談だが、俺は「抱きしめる」という行為が魂に刻まれている。小学4年生までは「だっこ」という要求が毎晩俺の母と父に向けられたし、小学4年の父と母の別居中には、すぐに抱き締める力を緩めてしまう父(90キロ近く)に俺を下敷きにするように頼んだほどだった。

寝バックは巨根でないとできない対位と聞いたが、Aのちんちんはきっちり奥まで届いていた。上記の話は骨盤が大きい女限定なのだろうか? 俺もお尻は大きいが?

憧れの寝バック。だが痛い。

しばらくしてAは


「イキそう。イク」


と呻き始めた。ゴム越しに


「せーし出てるぅ♡」


とはならなかった。彼が射精したことに気付いたきっかけは、ちんちんを尻穴から引き抜くための少し長い感触だった。


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