蜜月

カルデアから日常に戻った藤丸立香のもとに、霊基第三のアーキタイプ:アースがやってきた。
まさに青天の霹靂。彼女という輝きを得た藤丸立香の日常は、カルデアに来る前とは一変していた。
休日はアースと二人でデートに出かけ、二人きりの時間を過ごした。学校一のカップルとして有名になったり、段々腕を上げていくアースの手料理に舌鼓を打ったりもした。
アース一色に染め上げられた生活。それは、夜も同様だった。
───
深夜、立香の部屋。
一糸纏わぬアースがその美しい顔を立香に近づけ、唇を重ねる。対する立香もまた、全裸。つまり、これからするのは愛の営みと言う訳だ。
「“エスコート”、お願いしますね?」
「…オレで良ければ、喜んで」
そんな台詞と共に、夜の始まりが告げられた。
立香がアースを抱きしめ、キスの雨を降らせる。唇を奪い舌を絡ませ、首筋に吸い付きキスマークを付けた。
「んっ♥ んくっ♥ あむっ、じゅる♥」
独占欲の証たるキスマークは、立香にも容赦なく付けられていく。立香の雄の色気にあてられたアースは発情し、ゆっくりとだが恥じらいを捨てていった。
「…アース」
「はい…♥」
以心伝心のやり取りの後、立香がアースをベッドに押し倒す。
染みひとつない白磁の肌、朱い瞳、瑞々しい唇、(日頃は普通のロングヘアに偽装しているが)文字通り幻想的な輝きを放つ金髪。今はそれらが全て、立香のものなのだ。
立香が慣れた動きでアースに覆い被さる。アースはそれを拒絶せず、両手で膣を開くようにした受け入れ体勢でそれに応えた。
…欲望を滾らせた男性器が、アースの濡れた膣に狙いを定めた。
───ずぷ、ぅ…♥
真祖が持つ最高純度の肉体に、立香の男性器が呑み込まれていく。立香好みの形に変えられた膣内は、立香の分身を待ちわびていたかのように締めつけた。
「…入った、よっ…。…少ししたら動くけど、良い?」
「…はい…♥ 立香の思うまま、気持ち良くなってください…♥」
獣のようにぎらつく立香の顔を見つめるアースの朱い瞳は、情欲に染まりきっている。暗闇の中輝くそれは魔眼としての力を使っていなかったが、それでも人を惑わすには十分な魔性を湛えていた。
───
立香は愛するアースを悦ばせるべく必死だった。アースにも伝わるその必死さは、彼女の心と身体を悦びと切なさで疼かせていた。
「アースッ……アースッ…!」
「あっ♥ ひ♥ ぃい♥ そこ良いです立香ぁっ♥」
恋人繋ぎで互いの存在を確かめ合いながらまぐわう。
愛し合う雄と雌による、淫らながらも神聖な交尾。
知識としては知っていた。けれど二人は、その行為がこんなにも甘美で幸福に満ちたものであるとは知らなかった。
「アース、アース…!」
ここにはカルデアのマスターも、最強の真祖もいない。愛する者とのセックスにどハマリした、雄と雌の番いがいるのみだ。
「ぅあっ♥ ひっ♥ りつ、かぁっ♥」
立香がアースのポルチオをどぢゅどぢゅと穿つ。激しくも優しいピストンにアースは脳まで蕩かされた。
ベッドの上の立香は強い。並大抵の女では責めに耐えられない程に。だから彼との交合に耐えられるのは私だけだ、とアースは自負している。
…アース自身の丈夫な身体が、立香の責めをより激しくしてしまっているということにアースは気づいていないが、それは詳しく語ることでもないだろう。
…とにかく、だ。アースは立香に抱かれる度、圧倒的強者から庇護される感覚を覚えていた。真祖が人間を超えた存在である以上、それは所詮疑似的なもの、まやかしに過ぎない。けれど、そのまやかしは確かな実感となってアースを包み込んでいた。
頭を優しく撫でる手、頬や唇にキスしてくる立香の唇。日中は幸福感主体だったものに快楽が伴うというのは、なんとも背徳的だった。
「すごぃ、立香ぁ♥ これすごいです♥ これ、すごいっ♥♥♥」
「アースもすごいよ…! もっとめちゃくちゃにしたくなる!!」
「あっ♥ すごい♥ それすごいぃぃ♥♥♥ もっと♥ もっとぉ♥♥♥」
立香はアースのカラダに夢中だった。アースもまた、立香のカラダに心酔していた。愛する者と最高のセックスができる……これ以上の幸福があるか? いや、ない。
「立香、来てくださいっ♥ 私の子宮に全てを解き放って♥ 一緒にイってくださいぃッ♥♥♥」
「〜〜〜!! アースぅッ!!!」
射精欲が限界に達した立香が、アースの身体を掻き抱きながら荒々しく口づける。立香の胸板にアースの乳房が押し潰され、いやらしくその形を変えた。…そして。
───ビュッ! ビュルッ!! ビュルルルッ!! ビュッ…! ビュ…!
二人は、絶頂した。
立香の鈴口とアースの子宮口は情熱的なキスを交わしている。
どくんどくんと脈動する立香の“雄”から放たれた、灼熱の精液。それがアースの子宮を蹂躙し、卵子を求めて暴れ回る。
…真祖であるアースが人間の精子で孕むことはないが、世の中例外というのは付き物だ。アースにとって、立香の精子はその例外を期待させてくれるものでもあった。
特別なプレイでない限りいつもナマなのは、つまりそういうことだ。アースは、彼との子供が欲しい。たとえその子供が、自分のコピーのような存在として生まれたとしても。
だから射精の最中、アースはずっと立香の身体に脚を絡ませていた。いわゆるだいしゅきホールドだ。がっちりと固定して、全部膣内に出してくださいと行動で伝えていた。
「…ッ…ん、ぅ…」
「…♥♥♥」
何十何百と繰り返しても飽きることのない、最高の絶頂を二人で味わう。めちゃくちゃな多幸感は二人の全身を満たし、「この人こそが自分のパートナーだ」という認識を確固たるものにしていった。
「…ぷはっ…」
「…♥」
しばらくして二人の唇が離れる。呼吸すら忘れて夢中で相手を抱きしめたためか、その息は上がっていた。
「…は、ぁっ……アース、好きだ…」
「…私もです、立香…♥」
自らの想いをシンプルに告げた立香は、アースをやんわりと抱いてキスを落とした。
…もう何度目かも分からないが、立香のペニスがまた硬度を増す。
「アース、もう一度シたい……良い?」
「はい…♥ 貴方となら、何度でも…♥」
アースが立香の背中に腕を回すと、ふたつの影がまたひとつに重なった。責め方を変え、体位を変え、淫らな宴は続く。
───結局この夜、二人は一晩中セックスに興じ続けたのだった。