蛇石セイミSS集
3スレ目21
ヒナ委員長ですか?今日はお休みです
徹夜続きだったようなので
今朝見かけたはず?
ええ、そうですね、今朝も徹夜続きだというのに登校されていたので、飲み物に一服盛っておきました
セナさんからよく効くものを融通していただきまして
先生に頼みましたので今頃シャーレの休憩室でお休みになっているでしょう
(もしかしたら『ご休憩』なんてことになっているかもしれませんが……ふふっ…)
ああ、ご安心を
ヒナ委員長不在の分は十全とはいかないまでもできる限りカバーいたしますので
万魔殿から人員もお借りしておきましたし、傭兵も(万魔殿の会計からちょろまかしたお金で)雇っておきました
(ヒナ委員長休暇大作戦……遂に実行の時です)
3スレ目98
はいこちら風紀委員会
美食研がフウカさんを誘拐、逃走中と
はい、報告ありがとうございます
(困りましたね……今イオリさん達主力はちょうど別件で出払っていますし……ヒナ委員長はもうすぐ帰って来ますが……いえ、頼るわけにはいきませんね。とはいえ美食研が相手となると中途半端な兵力では……仕方ありません、何度も使える手ではないですが)
「もしもし、私です」
「国道17号線を逃走中の車両を制圧、及び要人の救出をお願いします」
「……ええ、報酬はいつも通りブラックマーケットの口座に」
「私が何者か?……ふふっ、そうですね、ミス·スネイクとでも」
「それ以上の詮索はお互いのためにならないかと……」
「では、手筈通りお願いしますね、便利屋68」
このあと無事フウカは救出され、セイミは食事も取らず再び巡回に出ようとするヒナを捕まえ一緒に学食で食事をしたが、セイミが便利屋に怪しい依頼をしていたとの噂が風紀委員会内で流れた
4スレ目155
ポン
[えぇ…そのスケジュールでちゃんと寝れてるの?]
セイミ「ご心配なく、8時間は眠れていますので」
ポン
[よかった。思ったよりもしっかり眠れてて]
セイミ「はい、この一週間の総計で8時間しっかり眠れています」
ポン
[……!?]
5スレ目25から33
(やはりあの女ではダメね)
何度も繰り返し抱いた思い。だがそれでも自分の上の人間、そして恐らく自分と思いは同じはずの人間だが
(手緩い………………やはりあの計画を進める時……)
迷いはあった。少なからずあの人に迷惑もかかるだろう、そしてまた自分の評価も悪くなりそれをあの人は気にするだろう。
だがそれでも目の前の表を見た石見セイミにはこの計画を進める手に迷いは無かった。
────────────────────────────────────
「復興地区の施設の視察?」
「ええ、温泉開発部の荒らした地区を再開発が一部完了したそうです」
「そこがなんで私に施設を見て来て欲しい何て言うの?」
「……あの女のせいです。」
「……あー」
「施設から視察依頼があったのをあの女が勝手に風紀委員長が参加すると返答してました。」
「なるほど、あの子ね…」
「しかもその視察にいくのは」
「私と先生?‥‥‥だけ?」
「シャーレと合同でしかも2名限定でってどういう事ですか!?」
「アコちゃん落ち着いて」
「これがッ落ち着いてッいられますかッ大体あの女どこ行きました!?」
「大事な用があるから休むって私には言っていったけど?」
「何で上司の私には言わないんですッ」
「さぁ?あとアコに書類の山終わったからチェックお願いしますって」
「何でッ私にッ言わないんですっ」
「不思議ね」
ガラッ
「先生!?」
「どうかしたの?」
ピラッ『復興地区の施設視察の応援依頼』
「……先生これは…風紀委員会の子から……そう」
バンッ
「これは罠です。あの女とうとうやりましたね。これで視察に顔を出した委員長を先生もろとも害するつもりですね。委員長無視しましょう」
「アコ、落ち着いて」
「いいえ、落ち着いてます。ええ、落ち着いてますとも。以前からあの女は胡散臭いと思ってたんです。万魔殿やら美食研究会、果ては温泉部とも付き合いがある何て怪しさしかなかったのに遂に馬脚を表しましたね」
「アコ、あの子の子と悪く言わないで」
「いいえ、委員長。この際だから言わして貰いますがあの女は独断が多過ぎます。以前も委員長不在の期間を作ろうとして反乱の機会を用意してたではありませんか!?」
「それだって何も起きなかったじゃない」
「いいえ、あの時便利屋と接触していたという証言もあります」
「噂じゃない」
「とにかく、あの女が絡んでる何て怪しすぎますしイオリにでも行って貰いましょう」
「アコちゃん?」
「仮に何かあれば犠牲になるのはイオリですし。何もなくて先生の犠牲になるのはイオリですし是非そうしましょう」
「アコちゃん酷くない?」
「ダメよ。あの子は怪しくないし。書類に怪しいところもないし私が行くわ」
「委員長!?」
「先生、お待たせしてごめんなさい。それじゃあ行きま……その荷物は?」
「あれ?委員長、この書類……」
「何、イオリ」
「施設の視察期間一泊二日って書いてあるよ」
「え?」「は?」
────────────────────────────────────
「ごめんなさい。先生、うちの子が…そう、迷惑じゃない?なら良かった。でも先生の予定とか……事前に風紀委員会から調整が来てた?誰からかしら」
「あの女です」
「アコ」
「あの女……また勝手に……」
「アコちゃん静かにしてようねー」
「いーえ、今回ばかりはやりすぎです。委員長、あの女は危険です。追い出しましょう」
「アコ、あの子は悪い子じゃないわ。皆なんであの子の事そんなに嫌うのかしら?」
「委員長は騙されてます。あの女は絶対裏切ります。その前に」
「アコ、いい加減にしなさい。大体イオリも何でここにいるの?」
「警備でーす。」
「要らないわよ。」
「あの女が裏切るので保険です」
「裏切らないわよ。」
「いいえ、絶対に裏切ります。それに今回こそ絶対に仕掛けてきます。」
「皆疑いすぎよ。あの子良い子よ?この間はお疲れ様ですってお弁当持ってきてくれたのよ」
「何ですかそれ。あの女そんな事してたんですか」
「委員長体調大丈夫だった?」
「はぁ、どうしてあの子疑われてるのかしら……あぁもうすぐ着くわね」
「あの女と万魔殿の事だから怪しい建物でしょう…………ね?」
「これは………」
「「「温泉旅館?」」」
────────────────────────────────────
「ようこそお越し下さいました。ヒナ委員長、先生………………と風紀委員会のお二方?視察は2名とお伺いしてたのですが?」
「あーすいませーん。変更をお願いしようとしたらここの連絡先が見つからなくて、何でしたら部屋の隅で雑魚寝でも良いんで」
「解りました。別室を直ちにご用意しますので是非そちらをお使いください。是非、絶対にそちらをご利用ください。絶対に」
「あれ?何か圧強くない?気のせい」
「ごめんなさい女将さん。無理を言ってしまって、本当に無理なら」
「いえいえ、ヒナ委員長は何も悪くありませんので謝らないでください。すぐにお部屋をご用意します。」
「ありがとう、ええっと」
「失礼しました。私本日女将を努めさせていただく「あの女はどこです?」」
「?」
「アコ」
「アコちゃん、失礼だよ」
「石見セイミはどこですかっー。前々から怪しい怪しいとは思ってましたが流石に限界です。視察予定が温泉旅館!
しかもお泊まり付きなんて何企んンッ「だからって女将さんに失礼だから静かにねー」」
「本当にごめんなさい。女将さん、うちの子が失礼しました。謝罪します。」
「いえいえいえいえ、気にしておりませんのでどうか頭をお挙げください。お願い致します。」
「でも…」
「それよりも改めまして案内させていただく私、女将と中居を勤めます陸は「中八です」」
「ん?」
「中居の中八です。よろしくお願いしますぅ」
────────────────────────────────────
(どどどどどういうこと!?風紀委員じゃない!?こんなの聞いてない!!)
『求人募集』
人材募集…給仕等雑務諸々
日給日払い可
衣食住合わせた福利厚生完備
作業服貸出 クリーニング代等こちら持ち
食事も3色賄いつき
住み込みでの業務可
誰でもできる簡単なお仕事です。人手不足につき友達紹介でボーナスもあります
連絡先…石見まで
「これは・・・」
「アルちゃんどうしたの?」
「石見って確か風紀委員会の裏切り者だっけ?まだだっけ?温泉旅館って一体・・・」
「アル様?」
「この仕事請けましょう」
「え」
「何で、怪しいじゃん」
「流石ですアル様」
「風紀委員会のあの子が所属も明かさずにこんな求人を出してるなんて怪しいじゃない。潜入して調べてみましょう」
────────────────────────────────────
(それがどうして!?風紀委員相手に!?しかもヒナ!!聞いてない!!)
「あの、中八さん?」
「???あっはいワタシ中八です本日はお願いしますぅ」
「お部屋はどちらに・・・」
「すっすぐにご案内します。ご用意できますまで少しお待ちください」
────────────────
「アルちゃんどうする?逃げる?それとも・・・」
「だ、駄目よ待ちなさい。まだあっちは気づいてない。このまま通すわよ」
「本当に大丈夫?ばれたらやばくない?」
「大丈夫よ。風紀委員会の相手は私と女将でやるからあなた達は裏方をお願い」
「解った」
(お昼ご飯もまだだし!?お給料明日貰う手はずだったのにこのままじゃ皆ただ働きじゃない!?)
────────────────
(どうしてこうなった。計画がここまでずれるのは予想外だった。ヒナ委員長と先生の動きが合うようにかつ上手に重なるように調整できたこの好機にあの二人が何でここにいる)
(どちらにせよ計画は軌道修正。あの二人をどう分断してやろうかしら)
使えるものはすべて使ったつもりだった。万魔殿のつまらない書類もこの計画のための手段とこの旅館の予算捻出に利用したからお詫びに半分まではやってやってたし
自分が接客中はちょっとした人手が足りなくなるのは解っていたから自腹を切ってまで人手も雇った。なぜか便利屋が来たのは理解不能
そして当日こいつらが来れない様にちゃんと書類に人数も明記したし特にアコには積んでた書類の山を奇麗にアコのハンコ待ちの状態になるように決済もしてきたのになぜここにいる⁉
(それでも仕事はどうした帰れなんて私には言えない。なぜなら今の私は・・・そう、女将なのだ。)
────────────────────────────────
「どうぞこちらのお部屋をお使いください。荷物はこちらに置いておきます。」
「ありがとうございます。女将さん」
「お連れ様のお部屋もでき次第、すぐお移りできるよう手配致しますのでその際は速やかにお移りください。なるはやで」
「何かうちら嫌われてない?アコちゃん」
「気のせいじゃないですか?それよりも女将さん」
「はい?」
「何でッヒナ委員長と先生が同室何ですかッ」
「はぁ?」
「はぁ?じゃありません。おかしいでしょ!?」
「おかしいでしょうか?」
「イオリと先生が同室なら問題無いですが「いや問題でしょ」問題無いですが、こうなったら嫌ですが私と先生でも「いやいやアコちゃん!?」」
「アコ。これ以上旅館の人に無理言って迷惑をかけちゃダメよ。」
「委員長!?」
「それにもともと私たちだけで視察の予定だったのだからこれ以上騒ぐのはいけないわ。」
「そうですそれです。あの女はこの状況を狙ってるのですから乗せられてはダメです。」
「はぁ、またそのことを気にするの?あの子は良い子なのに」
「いいえ、あの女はいずれ裏切ります。」
「はいはいそこまで、それで女将さん。私ら視察でここまで来たんですけど、どこを見るとかは知ってます?」
「あぁ、はい。それでしたら…」
────────────────────────
「いやまぁ温泉開発部が開発した後と言えば確かに…」
「ここ温泉旅館だしあるのは確かに当然ですが…」
「それにしてもずいぶん立派な…」
「「「温泉」」」
「ねぇアコちゃん」
「…何です。」
「これほんとにあの子なんか企んでるの?」
「‥‥‥何か企んでるはずです。例えば温泉に入ってるところを急襲してヒナ委員長の裸体を撮って脅迫とか」
「アコ。ここ水着の貸し出しやってるそうよ」
「源泉そのままで熱湯にするとか」
「さっき触ったけど丁度いい温度だったわ」
「石畳で転倒するようにローションをまくとか」
「ヒノキ製のすのこが並んでるわね」
「温泉に毒とか」
「アコ」
「はい」
「疑いすぎ」
「ですが…ちょっと女将さん捕まえてあの女見てないか聞いてきます。イオリ、先生がヒナ委員長に変なことしないか監視しててください。」
「変な事って…もぅ、イオリ。あなたはアコが失礼なことしないか見てて頂戴。」
「えー」
「イオリ」
「あー。わかりました。先生も変なことするなよ。振りじゃないからな?」
「アコ、早く行きなさい。……それで先生、良かったらその折角だし…温泉に一緒に入らない?」
────────────────
「先生、良い湯加減だったね。顔が赤いって?湯あたりしたのかしら?扇いでくれるの?嬉しいわ」
────────────────
「アルちゃん。ヒナ委員長今武器持ってないからやるなら今じゃない?」
「他二人も離れてるからやるなら…」
「アル様まさかこの時を狙って…」
「ま、まだよ。今はその時ではないわ。それより追加の食材の買い出しをお願い。追加の部屋の準備はできてるかしら?」
────────────────
(想定外だが嬉しい状況に転んだ。だからこそこいつらさえ抑えていれば)
置いておいた監視カメラから得た彼女の情報は望んでいたものだし。見られてると気づけば彼女が悲しむのは解っているから途中から映像は切った。
その上で彼女は自分の望みのために
「ですからこうこんな感じの髪の長い紫の裏切り者を見なかったかと聞いてるんです」
「アコちゃんそれじゃ伝わらないって」
「ですから」
「はぁ?」
コントを始めたコンビの相手に専念した。
三者三葉の戦いがそこにあった。
5スレ目186
所用でゲヘナ学区外、トリニティ近郊へ出ていた折事件が発覚、正実やティーパーティーに追われ必死に逃げ帰るも、そこに待っていたのは自分の写真とともにWANTEDの文字が記された紙が所狭しと張り巡らされた町、そして自分に向いた数え切れないほどの銃口だった
揺るがぬ証拠を手に誰もが殺意を宿し襲いくる風紀委員会、日頃煩い風化委員として集めている鬱憤か、それともただ暴れる理由を得ただけか、もはや誰がどの所属かさえ判別出来ぬほど膨大な追っ手に追われ、ごく僅かな味方をしてくれる人の手を借り命からがらゲヘナの外へ
心を天が映したか、地を叩く土砂降りの中とぼとぼと歩きながら思う
一体何がいけなかったのか、独断が過ぎ上司の反感を買ったことか、文官の分際で体
を張る武官に意見し反目しあったことか、あちらから来るのを良いことに万魔殿と関わりを持ったことか、それとも…考えても考えても思いが尽きてくれはしない
自分が悪くないなんてことはない、立場を良いことに好き勝手していた所があるのも事実だし、こんなにも思い当たる節が溢れてくるのだから、それに自分は皆から嫌われ疎まれている
でも…それでも…だからって……こんなの、あんまりじゃないか
「だれか……だれかぁ…たすけてよぉ……」
やっと心の底から搾り出した叫び、それは誰にも届くことなく露と消えるはずだった
「………セイミ?」
彼さえここに現れなければ