蓮白春宴

蓮白春宴


ハスミ「それでは…僭越ながら私、羽川ハスミが乾杯の挨拶を取らせていただきます」

マシロ「いよっ!」

ハルナ「待ってましたわ!」

ハスミ「コホン…我々のこれからの健勝を願って…乾杯!」

マシロ、ハルナ「「カンパーイ!」」

カラン!

ゴクゴクッ…

~数十分後~

ガン!

ハスミ「もう看過できません!」

マシロ「うわっ!?突然どうしたんですかハスミ先輩!?」

ハルナ「もしや、私が今回の飲み会のために用意した物に何かご不満でも?」

ハスミ「いえ、そちらは普通に美味しいです。ありがとうございます。…どうもこうもありません!あの女兎に関してです!」

マシロ「め…うさぎ…」

ハルナ「…どなたのことですの?」

ハスミ「女兎は女兎です!ヒナさんを困らせてるあのぽっと出の事ですよ!」

ハルナ「…もしやミヤコさんの事ですか?」

ハスミ「その通りです!何様のつもりでしょうか彼女は!?」

ハルナ「荒れていますわね…」

マシロ「当然ですよ。…ミヤコさんは私も好きではありませんし」

ハルナ「あら?それはどうして?」

ハスミ「あの兎、私たちに対していつも暴言を言うんです!」

ハルナ「暴言とはどのような?」

ハスミ「『不義実現委員会』だの『悪事実現委員会』だの『不正実現委員会』だの…思い出すだけで腹が立ちます!」

ハルナ「そ、そんなになんですのね…」

マシロ「どういうわけか、私たちに当たりがキツイんですよ。部下の皆さんは話が合うんですが…」

ハスミ「それだというのにヒナさん以外のカルテルの皆さんは彼女に甘いですし…きっと如何わしい手段を取って取り入ったに違いありません!」

ハルナ「えっと…流石にそうと断言するのは早計過ぎるのではなくて?」

ハスミ「そうに決まってます!いつの日かあの女兎の鼻を明かしてやります!」

マシロ「まぁまぁ…今は嫌な奴の事なんか忘れて、飲みましょう」

ハスミ「…そうですね。サイダーのお代わり貰えますか?」

ハルナ「うふふっ、ええ。サイダーならたくさん用意してありますから」

ヒナ「そう、それなら私の分も貰える?」

ハスミ、マシロ「「!?」」

ハルナ「あら、ヒナさん?お仕事の方はもうよろしいのですか?」

ヒナ「面倒になったからサボったわ。どうせここはゲヘナと違って平和だし、多少休んでも問題ないでしょう?」

マシロ「…それもそうですね」

ハスミ「ですが来るなら来ると先に言ってください!こちらにも心構えというものが…」

ヒナ「そんなのは私の知ったことじゃないわ。何よりどうして部下にわざわざ連絡するなんて面倒なことをしなければいけないの?」

ハスミ「……」

マシロ「…あの、もしかしてですけど」

ヒナ「何?つまらない質問なら答えないけど」

マシロ「…イラついてます?何か嫌なことでもありましたか?」

ヒナ「……ホシノがね」


~数十分前~

ホシノ「う~ん…そろそろ対策しないと不味いかも…」

ヒナ「どうかしたのホシノ?」

ホシノ「あ、ヒナちゃん。気にしないで~。おじさんの個人的な事だから」

ヒナ「…ひょっとして、何か悩み事?」

ホシノ「……」

ヒナ「…ホシノ、私はあなたがどんな問題を抱えているのかはわからないけど、今はあなたの大事な仲間よ」

ホシノ「……仲間」

ヒナ「えぇ。仲間のためなら私は何だってする。仲間のためならどんな面倒が増えたってかまわない」

ホシノ「……リスクが増えても大丈夫?」

ヒナ「えぇ。もちろん」

ホシノ「……そっか……うん、決めた」

ヒナ「だからホシノ…何を悩んでいるのか教え」

ホシノ「ミヤコちゃんにお願いしよう!」

ヒナ「……は?」

ホシノ「ごめんね~ヒナちゃん。気持ちはありがたいけど、これはミヤコちゃんにしか任せられないことだと思うから…でもヒナちゃんのおかげで吹っ切れたからさ!」

ヒナ「……えっ、ちょっと」

ホシノ「となるとまず材料を仕入れるところから始めないと…おじさんも混入できないように搬入経路に気を付けて…いや、先にハナコちゃんにも了承を取るべき…」

ヒナ「……」

~現在~

ガン!

ヒナ「アレは間違いなく私に相談する流れでしょう!?なんであの隊長の名前が急に出てくるの!?」

マシロ「お…落ち着いてください」

ハルナ「何やら先ほどと似たような流れに…」

ハスミ「わかります!わかりますよヒナさん!あの女兎は何処までいっても我々の嫌がらせをしてくるんです!今日だってバニーがどうとかで言いがかりをつけてきたんですよ!ウサギは向こうだというのに!」

ヒナ「なるほど…大人しそうに見えてマコトと同じタイプだったわけね…あぁ今でも思い出す風紀委員に対する嫌がらせ…イライラする…」ゴクゴクッ

マシロ「ダメですね…嫌な相手の話題で盛り上がってます…」

ハルナ「純度の高いサイダーを持ってきたのが間違いだったのかしら…こういう場での陰口はサイダーの味を悪くしてしまうというのに…」

ヒナ「今日はとことん飲むわよ!いいわねハスミ!」

ハスミ「えぇ!もちろんです!」

マシロ「…こういうのを酔っ払いって言うんでしょうか?」

ハルナ「…ですわね」


~一方その頃~

ミヤコ「……またサボりましたね…あの不義委員長…ハァ…頭と喉が痛いです…」

サキ「酔っ払いみたいなことを言ってるなコイツ」

モエ「くひひ…サボりたいだけなんじゃないの?」

ミユ「…喉が痛いなんて……どうかしたのミヤコちゃん……風邪?」

ミヤコ「……ハァ」


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