草食のハイエナ

草食のハイエナ


爆弾となり消えていった死神達の命が複数

それに涙する少女と慮る青年 そして張本人たる二人の男

正確には困惑している死神や無表情でいる副隊長もいるが置いておこう

状況の鬱屈差に対して正反対にダルヴァの言動は明るく軽いものだ

「儂のことちゃんと覚えておるかの~う?お主が集めちゃうほど大好きで愛してやまない滅却師じゃよ~?

これから~...神の御名においてお主を殺す

無意味にダルヴァは横ステップを踏みつづける だがその速さはかなりのもの見ている石田はここで飛廉脚に関しては相当な実力を有することを理解したほどだ

「...相変わらず滅却師というのは芸の一つも碌に覚えられんようだネ 『誇り』『誇り』とそればかり口にするか『コレ』とは 神とやらも困りものだろうネ」

涅マユリはうんざりした顔で石田とダルヴァを見た 井上織姫にはどうやら研究の余地ありと目を付けたようだが石田が逃がした

「儂は研究に値せんか まあお主の中ではそうとしか判別も出来んのじゃろうのう」

「ダルヴァさ...いやダルヴァ! 取り込み中わるいけど僕は正直言って君を信頼は出来ない...共闘ではなくそれぞれ好きに戦うことにさせてもらう」

関係の決裂 だが目の前にいる涅マユリという強敵が完全なる決裂だけは押しとどめた ダルヴァは少し微笑むようにして石田に言った

「儂は弓作れんから誤射は気にせんで良いぞ 仮にそちらが誤射しても儂は殺せん」


戦闘が開始する とは言うがダルヴァは最初マユリには積極的に攻撃をしていかない

石田と共に井上織姫から距離を離すため涅マユリと副隊長を引き連れて飛廉脚で逃げる

「そいつで逃げ回られると少々厄介だネ だからここは一つ 一番手間のかからない方法で...君達を殺すとするヨ

涅マユリの始解 そして石田を副隊長であるネムを纏めて斬ることにより石田は四肢を封じられてしまった


石田への自身の行動の説明 娘であるネムへの仕打ち...ダルヴァはそれを眺めていた

『疋殺地蔵』..."斬った対象物の四肢の動きを奪う"だったかのう」

それぞれで好きに戦うのだからこの様な状況でもわざわざ助け出す必要もない

いいやそれ以前に"助け"など必要も無いだろう 石田は滅却師として相当な実力を有している事は明白だ

ダルヴァが狙うのは弱った者を容赦なく追い詰める それだけだ

「大変そうじゃのう石田君 なんだか怪我をしてるのを気にしとるようじゃから遠くにおいて来るぞこの娘?」

「おや?無駄な正義感にでも目覚めたのかネ?」

「そうでは無いぞ 石田君がお主を殺すのに邪魔そうな物を除けておるだけじゃ」

石田が乱装天傀を使い戦うのは見えている そしてそれにマユリが敗北を喫するだろうことも


涅マユリは敗れた 奴の副隊長の持つ解毒薬も確保し石田の治療も確実...そもそも副隊長は渡すつもりだったようだが

拙いものであるが治療も施してはおいた その方が涅の奴にとって屈辱だろうと考えて

「滅却師風情がァ!!!」

涅マユリは自身を斬り液体へと変わる 生きるため死なぬために必死だ

「なんだか面白い姿形に成り果てておるのうお主...そんなお主にピッタリの薬品じゃぞ たんとくれてやろう」

元より奴の手札は読んでいた石田というカードに対して切れる対応策は限られている

(液体となった体の組成を変化...!貴様...!!)

「液体になっても喧しいのう!お主は下水のようにそのままドブに流れておるのがお似合いじゃ!」

涅マユリの技能を持ってすれば死ぬことは無いだろうが大きく体を元に戻す手間が多くなる

ついでに体に探知が出来る細工も施す しかも下手に解除すれば霊子を溶かす毒を放出し液体のままではそのまま死につながるだろう

「まあお主ならまあ...死にはせんじゃろうが お主が醜態を晒してどう生きておるのかをじっくり観察させてもらうするぞ "モルモット"」

ダルヴァは残っている片方の手でこれ見よがしに探知機をマユリに仕込んだ


石田に少し手当をしつつ副隊長から解毒薬を貰ったことを話しそれを飲ませた 副隊長の方も多少は動けるようになったようだ

さてこれからどう動いていけば良いのだろうか

Report Page