若きマリアンヌの悩み

若きマリアンヌの悩み



私は…気づいてしまった……!

「ルフィさん!」

もしかして…

「ルフィ様!」

もしかして……

「ルーシー!」

ルフィってすっごくモテるのでは……!?


「ようやく気づいたの? マリアンヌってたまに抜けてるところがあるわよね」

「ナミは知ってたの!?」


私にとって衝撃の事実を告げるのは、麦わらの一味“航海士“であるナミだ。


「当たり前でしょ。 ルフィ以外の船員はそんなこと既に気づいてると思うわよ」

「そ、そうなんだ」


自分はわりと一味の中でもしっかりしていると思っていたのに……。

もしかしたら、こと恋愛においては周りが見えなくなってしまうのかもしれない。


「そんなに深刻にならなくてもいいんじゃないの。

 あなたとルフィが公認のカップルなんて周知の事実でしょ」

「それはそうなんだけど……」


確かに、あのバルトロメオが私をルフィのスイートハニーと言ってくれたことからも

世間に対してそういう風に見られてるというのは分かってはいる。

でも…


「ま、気が気じゃないというのは分かるわ。 女の子だものね」

「そう! 私は女の子! 女の子だから!」


何か自分でも妙なテンションになりつつあるが、これは由々しき事態なのだ!


このとき、マリアンヌは気付かぬうちに片腕を掴んでしまっていた。

まるで胸を寄せてあげるかのように……。


泥棒猫の異名を持つナミがその仕草を見逃すはずもない。

さらに、目線が豊満なおっぱいに注がれていることにも気づいてしまったのだ。


「ははーん、そういうことね!」

「ナミ?」

「私にいい考えがあるわ! ロビンにも手伝ってもらいましょ!」

ナミは何かを得心したようで、私にある作戦を話し始めたのだった……。


「どうしたんだよアンヌ、話ってなんだ?」

「あのね……」


ルフィを呼び出した私はおずおずと切り出した。


「やっぱり、ルフィはおっぱい大きい方が好きなのかなって」

「え!? いきなり何言い出すんだアンヌ!?」


影で様子を見ていたナミとロビンは作戦を行動に移していた。

「今よロビン!」

「分かったわ。 一輪咲き!」


「……どうかな。 私、少しは女の子らしく見えるかな?」


ロビンはハナハナの実の能力者。 自分の身体を好きな場所に咲かせられる。

今回は私の胸にロビンのおっぱいを咲かせてもらうことになった。

題して……おっぱい移植大作戦!


これで私の胸は疑似的だけど大きくなった。

腕を組んで寄せて上げることで更に強調したおっぱいをアピールしてみる。


ルフィの顔を窺うとちょっと赤くなってる気がした。

やっぱりルフィは……


「おれは胸が大きくても小さくても関係ねェ! 好きなのはお前だけだ、アンヌ」

「ふぇっ!?」


いきなり好きと言われて素っ頓狂な声を出してしまった。

やっぱり何度言われても心が温かくなる言葉だ。


ルフィはガシッと私の両肩を掴むと、目線を合わせるように少し屈んだ。


「アンヌはおれの恋人だ。 胸の大きさで決めたわけじゃねェ」

「お前もほんとは分かってんだろ」


真剣な面持ちでルフィに問いかけられる。


そうだ、本当は分かってた。 自分こそがルフィの恋人だと胸を張りたい。

でも周りの人達もとても魅力的で、私は全然追いつけていないんじゃないかって。


胸の大きさなんて関係ないと分かってた。


ただただ不安だったんだ。 


「うん...! うん...! 本当は不安なだけだったの! ごめんねルフィ!」


目尻に涙を浮かべながらルフィに抱きつく。


「おれはどんなことがあってもアンヌが大好きだと言い続けるからな!」


ルフィも優しく抱き返してくれた。


「私も! ルフィのことが好き! ずっと大好きだよ!」


ルフィの暖かさを目一杯感じながら、これからも恋人として恥じないようにしようと熱く誓ったのだった。



「ミッションコンプリート。 一件落着ね!」

「役に立てたみたいで良かったわ」

こうして、おっぱい移植大作戦は見事に成功を収めたのだった。


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