花のブローチ

花のブローチ




よぉーし手元に集中するのだおれ!

仕上げるまでは背後は見るなおれ!


「もーロビンのわからずやっ!」

「いい加減に聴きなさい、ナミ」


我が一味の誇る女傑らは今、オコだ

巻き込まれたらたまったもんではない

同じ室内におれしかいない訳はソレだ

だーもーあいつらあとで覚えとけよ


「ぜーったいに間違ってる!」

「どうして判ってくれないの」


さっきから背後の言い争いは進まない

聞くな聞くなと思ってもつい耳に入る

なんつか猫がじゃれてるみてえな感じ

たぶんきっとおそらくおれより強いが

いかんちょっと切ねえ泣くな仕上げろ


「だから!」

「いいえ!」


「ハイハイそこまでぇー!!」


仲裁の声へ揃ってナミとロビンの顔が向く

ウソップは憮然と手のひらを指しだした


「わっすごい!」

「綺麗だわ」


一つは桃色、一つは茜色

元は一つのブローチだったものは

臨時細工職人ウソップ様の手により

お揃いの小振りなブローチになった!


「おれが決める!そっちはロビン!」


茜色を握らせた先でふわりと微笑みが咲き


「ナミはこっちだ!文句は聞かん!」


膨れっ面の航海士はそっと桃色を受け取った


「なによもう!勝手な事して!」

「ホントよ。でも、素敵だわ」

「それは!・・・・・・まあ、そーだけど」

「これでお揃いね」

「う、うん。そうね、嬉しい!」


ロビンの笑顔がえらいこと眩しい

コレにナミはとてつもなく弱いのだ

おれらも弱いっつーかまあ言わぬが花だな


仲直り、大いに結構!

けど一つだけ言わせてくれ


「お互いに似合うかで喧嘩すんなー!!」

「だってロビンに超似合ってたもん!!」

「ナミの為みたいなブローチだった!!」

Report Page