花たちのお出かけ
(オタマぬいにGPSという面白い発想からSS書き捨て)
「青い空、白い雲、今日も快晴いい天気!」
送迎バスで山の麓まで下りた俺、もちろん相棒のオタマトーンも一緒。今日は俺命名の花トリオでお出かけの日だ! 監獄でサッカー漬けだから気分転換にって絵心に聞いたら許可がすぐ下りたんだよな。そこからはお出かけの準備だったりイタリア棟のみんなに欲しい物あるか聞いたりで忙しかった。
「元気だね閃堂くん、お出かけ楽しみだった?」
「おう! 雪宮もカイザーも楽しみだったろ?」
「…剣優が心配だから付いてきただけだ」
帽子にサングラスとウィッグまで装備したカイザー、ぱっと見だとミヒャエル・カイザーだとは分からないレベルで変装してる。よく見たら雪宮もおっきいマスクで顔隠してるし俺も変装した方が良かったかもしれない。そういえばスナッフィーに気を付けるよう言われてたんだった、まあ大丈夫だろ!
「ところで閃堂くん、その鞄は? 結構大きいけどそんなに買い物する予定があるの?」
「そうだ忘れてた! お前ら何か大変だったって聞いたからこれお守り!」
「…これ、オタマトーン?」
「おう、お揃いだ!」
鞄から青いぬいぐるみとオレンジのぬいぐるみを出して二人に渡す、ちなみに俺のはピンクのぬいぐるみ、よく分かんないけどお出かけする時に愛空から二人に渡せって言われたやつ。愛空もオタマトーンの魅力が分かって来たって事だな、良い事だ。
「クソいらないんだが、こんなので何が守れるって言うんだ」
「あはは、せっかくだし貰っとこうよ」
「…剣優がそう言うなら」
よし、渡すものも渡したしいざお出かけ開始だ! きっと今日は楽しい一日になるはずだ!
◆
ブルーロックのとある一室、電気が消された暗い部屋にいる三人の男、目の前にあるスクリーンに映し出されているのは地図と三つの赤い点、勘のいい人ならこれはGPSだと気付くだろう。
「意外としっかりしていますね」
「当たり前じゃん玲王のとこが作ったんだよ」
「……何で俺はここにいるんだ」
アレクシス・ネス、凪誠士郎、オリヴァ・愛空、全く接点の無い三人がどうして一堂に会しているのか、それは御影特製のGPSが仕込まれているぬいぐるみを使って花たちを見守る為である。
そしてその事実を見守られている三人が知る事は無い。