船長の悩み

船長の悩み


今最も世間を騒がしている海賊団"麦わらの一味"の船長であるモンキー・D・ルフィ。彼には大きな悩みがあった。


「ねえ、ルフィ。話聞いてるの?」


それはこの妙に距離が近い航海士である。ナミと出会ってからルフィは幾度となく彼女の女の部分に感情を揺さぶられてきた。感情が限界を達し、ナミのことを考えながら夜を越したことは決して少なくはない。そしてナミはルフィに対してかなり攻めた事をしてくるので、ルフィにとってはある意味一番警戒してる相手でもある。


「ナミ・・・あの・・・な。ちょっといいか?」

「どうしたの?」

「そのやっぱり近いって・・・」


現在ルフィがどのような状況置かれてるかというと、ナミがルフィに背中から抱きついているのである。サニー号に乗っている仲間にとってはいつもの見慣れた光景であるが、ルフィは今だにこの状況に慣れていない。スタイルの良い彼女の体が背中にピッタリくっ付いており、女性特有の膨らみをダイレクトに感じるこの姿勢はルフィにとっては常に劇薬である。その感触だけでルフィの体は硬直してしまう。


「別に気にすることないじゃない。いつものことなんだし」


ナミはそう言いながら顔も近づけてきた。ナミの吐息が顔に当たり、ほのかに蜜柑の香りが鼻を通る。ルフィはさらに感情が昂ぶるのを感じた。


「ナミ・・・おれそろそろヤバい・・・」


ルフィはナミに限界がきそうであることを苦しまぎれに伝える。だが、それは逆にルフィを追い詰める事になってしまった。


「そう・・・ならこれはどう?」


ナミはその綺麗な顔を耳の方に近づけて、ルフィの耳の穴に向かって息を吹きかけたのだ。耳にかかるほんのり温かい息を感じルフィの脳内は混乱を向かえ何かがプツンと切れた。


===========


「あっ・・・」 


ルフィは視界が変わってる事に気づく。どうやら数秒間程度意識がとんでいたみたいであった。ルフィは回復した意識で周りの状況を確認し驚愕する。


今現在・・・ルフィは・・・ナミを押し倒していた。ナミの髪は少し乱れており、ナミの方も少しだけ驚いている顔をしていた。だがナミはルフィの意識が戻った事を確認すると、妖艶な顔を浮かべてルフィの顔に手を添える。


「どうしたのルフィ?」


ナミは優しくも何かを誘導するような声色でルフィに話しかける。そして、添えた手を使いルフィの顔を自分の方に近づけはじめた。ルフィも何かに吸い込まれるようにその動きに従う。そして、二人の距離が次第に近くなり・・・


グゥゥゥゥゥ〜


不意になった音に二人の動きが止まる。どうやらルフィの腹の音が豪快になったらしい。


「あっ‼︎ じゃあおれサンジにメシ作ってもらうから‼︎」


ルフィは完全に正気を取り戻しその場を急いで離れ食堂の方に向かう。だが、ナミから得た感触はまだルフィの中にハッキリと残っており、今日の夜はナミの事を考えながら過ごす事になるだろう。


ナミは、一人取り残され自身の手を見つめる。そしてルフィの方を見つめため息をつく


「もう少しだったんだけどな・・・」


まあ今日の夜、ルフィは自分のことを考えるはずだしそれで良しとしよう。そう思いナミは自分の部屋に戻っていった。


Report Page