船上のガールズトーク

 船上のガールズトーク

8歳差ルウタたまらんマン

―2年後のどこか サウザンド・サニー号―


“麦わらの一味” “船長” ウタ


普段は明るく前向きな彼女であるが、今日はなぜだか憂鬱な表情を見せていた


「はぁ〜…」


「ずいぶんと大きな溜め息ね 

       どうしたのウタ?」


「ナミィ〜… 

私って女としての魅力が無いのかなぁ〜…」


「………どうしたの唐突に?」


ウタの急な相談に、流石のナミも疑問を投げかけた


「いやぁ〜… 

私も2年経って色々と成長したと思うんだけどね〜… ムネトカオシリトカ…(ボソボソ…

なのにルフィってば シャボンディ諸島で再会した後なんとも言ってくれないの!」


「ふふっ たしかにウタは2年経って女性らしくなったわね」


「でっしょ〜? 

ロビンってば分かってるゥ〜 

こんなに成長したのに、『綺麗になったな…』とか『可愛くなったな!ウタ!』とか全く言ってくれないんだよ!? 

ルフィは女心がわかってないよ!」


「……ルフィにそういうのを期待するのが間違いなんじゃない? 

何か行動は起こしたの?」


ナミの問いかけにウタは言葉をつまらせた


「…………」


「……何かしたの?」


「いや… その… 

暑い日にちょっと胸元を開けさせたり… 

スカート穿いてルフィの向かい側に座って足を組んだり…」


「………結果は?」


「………気付いてくれなくて無視されました…」


「ハァ… まぁ、分かってたけど」


「ムキー! 

ナミ今わたしの事バカにしたでしょ! 

わたしの方がお姉さんなんだからね!」


「はいはい、分かってるわよ」


「……ハァ どうやったらルフィに振り向いてもらえるのかな…」


「さあねぇ… あの人がどうやったら女の子に興味持つのかも分からないわ…」


2人が解決策を考える中、ロビンが爆弾を放り込んだ


「……… 案外、この2年間でルフィにも良い人が出来たのかもしれないわね」


「…………… え"」


「彼、2年間ずっと白ひげの縄張りだった島を渡り歩いて島を荒らす海賊たちと戦い続けていたらしいわ 

その中で助けた女性と恋に落ちた… 

なんてことがあっても不思議ではないんじゃない?」


「……………そんな」


(ちょっとロビン! 何適当なこと言ってんのよ!)ボソボソ…


(あら ルフィはもう30歳に近いのよ 身を固めてもおかしくはないんじゃないかしら)ボソボソ…


「ルフィに… 良い人…」ブツブツ…


(いくらルフィでもそんなことするわけないじゃない! ウタを煽って楽しみたいだけでしょう!?)ボソボソ…


(ふふっ どうかしらね…)ボソボソ…


「………私、ルフィに聞いてくる!!」ダッ!


ウタが部屋を飛び出し、ルフィの元へ向かった


「あっ、ちょっとウタ!」


「…面白くなりそう」


――――


「「釣れねぇなぁ〜………」」


「ウソップは2匹釣れてるからいいじゃねぇか…」


「これじゃすぐにウタの胃袋行きだよ… 

あんた漁師だろ… 

もっとバッサバッサと釣り上げてくれよ…」


「…覇王色で魚を気絶させるからウソップが獲ってきてくれ」


「そんな物騒な釣りがあるか!!」


2人が釣りに勤しんでいる中、ウタがやってきた


「ちょっとルフィ!!!」


「ん?」「な、なんだぁ」


「話があるからこっち来て! 船長命令!」


「はいはい、分かりましたよ船長 

     ウソップ、釣り竿見といてくれ」


「お、おう 任せとけ 

    ウタのやつどうしたってんだ…」


―――


「それで? どうしたんだよウタ」


「ル、ルフィ! ルフィはこの2年間で、奥さんとか彼女とか作ってないよね!?」


凄まじい剣幕でルフィに詰め寄るウタ…


「……… ハァ… あのなぁウタ あの2年間が何のための2年か、お前が一番良く分かってんだろ?」


「うぐ… それはそうだけど… で、でも!色んな島に行ってたんでしょ!? げ、“ゲンチヅマ”とか作ってたんじゃないの!?」


「どこで覚えたんだよそんな言葉… 色んな奴らと戦ってたからそんな暇なかったよ」


呆れた様子でルフィが答えた


「むぅ~…… な、ならルフィ!! 

 私を見てどう思う!?」


「? ウタはウタじゃねぇか」


「そうじゃなくて! 

私を見てなんとも思わないの!? 

こう… 綺麗だとか、可愛いねとか、嫁に     したいねとか!」


「??? 

まぁ綺麗になったと思うしウタは昔っから可愛いからなぁ  嫁にはしねえけど」


「うぐ… 

だ、だったらなんで再会してすぐ言ってくれなかったの!? 

こっちはそういうの期待してのに!」


「??? 

  わざわざ言うほどの事でもねぇだろ」


(んもぉ〜!! ルフィはなんで昔っから素っ気ないの!? こうなったら…)


「…… どうした、ウタ?」


「……… ルフィ!」バッ!


俯いていたウタが、咄嗟にルフィに抱きついた


「お、オイ!」


「わ、私色々成長したんだよ…? 

昔と違ってちんちくりんじゃないし… 

ルフィは… ドキドキしないの…?」ムギュ…


胸を押し付けるようにルフィに抱きつくウタ


「……… あァ〜… ハァ… …ウタ」


「な、なに…?」ムギュムギュ…


ルフィが咄嗟にウタの片耳のヘッドホンを外し、顔を耳元に近付けた


「あんま男を煽るもんじゃねぇぞ…」ボソッ…


「ひゃあぁ!」


突然の出来事に驚いてウタがルフィから離れる


「誰に何言われたか知らねぇけど変なことすんなよ〜」


ルフィが去り際にウタの頭を撫でていった…


「な、何… 何今の…」ヘナヘナ…



―近くで野次馬してた人たち―


「ルフィのやつ、たった一言でウタをのしちまった… 

なんて言ったんだ?」


「くそぅ… 

俺もウタちゃんをドキドキさせてやりてぇ…」(メラメラ


「ウタが抱きついたときはどうなるもんかと思ってたけど… 

ルフィもなかなかやるわね…」


「ふふっ、ウタったら顔が真っ赤だわ」

(私もあんな風に迫れば…

ルフィから何かしてもらえるかしら…)


「お前ら…… 何見てたんだ……?」

            覇王色バリバリ…


「「「「ア"ッ"…」」」」


野次馬をしていた4人の後ろには、青筋を立てている副船長がいた…

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