自分達のハメ撮り見ちゃった♀ルフィ

自分達のハメ撮り見ちゃった♀ルフィ








「ありゃ?なんだこれ?」


留守番を言いつけられ、誰も彼も出払っていて暇でしょうがなかったルフィが何か面白い物でもないかと男部屋のロッカーの奥深くから発掘した映像電伝虫が映し出したのはどこかの宿の一室だった。ベッドサイドに置かれているのか何故かベッドと窓くらいしか映さず、ノイズが僅かにあるばかりの無音のそれは、ルフィの関心を削ぐには十分だった。撮るのに失敗したのだろうかと映像を切ろうとしたその瞬間、画面の中に肌色が飛び込んできた。


『お~い、サンジ~!早く来いよー!』


「あれ?おれ?」


映像の中のルフィは何故か全裸だった。向こうのルフィはシャワーでも浴びてきたのだろうか濡れて張り付いた前髪を鬱陶しげに振り払いながらベッドの上にそのまま飛び込んだ。あっという間にシーツに水が染みていくが気にすることなくぼんぼんと飛び跳ねてみたり、ベッドの縁に腰をかけて脚をブラブラとさせては画面の奥、つまりはカメラには映っていないどこかを見てめている。


「こんなん撮られたっけか?」


うーん、と首を捻っているルフィとは対照的に、向こうのルフィは喜色満面に最愛の男の名を呼んでいる。


『サ~ン~ジ~~~!』

『あー、分かった分かった、もうちょい待て』


「サンジだ!」


こちらのルフィと向こうのルフィがぱっと顔を上げたのはほとんど同時だった。パンツだけ身に付けているサンジが髪を拭きながらベッドに近づいていく。向こうのルフィはそれはもう嬉しそうにサンジの腹に抱きついてはサンジが何か文句を言う前にベッドに引きずり込んだ。お前なァ、とサンジはぶつぶつ言ってはいるものの、声はやはりどこまでも甘く如何にもな雰囲気を隠しきれてはいなかった。


「なんだアイツ、狡ィ!」


ここにサンジはいないのにあいつだけサンジといちゃいちゃしてる!口を尖らせて過去の自分に不満をぶつけているうちに、映像は一瞬止まったかと思いきや不自然に場面が切り替わった。


『ん……ちゅ……、な~、サンジ、ま~たタバコ吸ってきただろ、おれ、これ苦ェから嫌いだ』

『悪かったよ……おれにとっちゃァ……タバコなんて吸わないルフィの舌が甘く感じるな』

『なんだそれ!羨ましいぞ!んっ、ぅん、はぁ、なんでサンジの舌は甘くないんだ??』


「あー!!!!」


ルフィは思わず立ち上がり叫んでいた。


サンジがベッドに座り、向かい合って抱き抱えられるように向こうのルフィがサンジの膝に座っている。胸を押し付けながら貪るようにキスをする向こうのルフィのまだ濡れている髪を耳にかけてやり、そのまま首筋をゆっくりとなぞるサンジの指が鮮明に映る。キスにばかり夢中になっている向こうのルフィとは違って余裕があるのかサンジはルフィのまだ火照った肌に手指を吸い付かせるように愛撫していた。


ここにサンジはいないのに!


『んふぁ……ん……なぁー、サンジもよー、タバコじゃなくてんむっ……ひぁ、あ、甘いあめとかにしろよ、ちゅ……、そしたら……たくさんちゅーでき……っふぁ……』

『今もいっぱい…………キスしてやってるだろ?ん……ご不満かいプリンセス?』

『ゴフマンだ!んっ……んうぅ……ぷはぁ、あ!肉の味でもいいぞ!ずっとサンジと……んふ、んー、キスできるな!』

『肉か……肉味はハードル高いな……ちゅ……ん、作れなくはねェだろうが……んちゅ……』


狡ィ!狡ィ!狡ィ!!!


ルフィは映像の中で甘やかな会話を続ける自分たちにむかっ腹が立つのを抑えられずにいた。なんだアイツらあんなにキスして!おれだってサンジとキスしたい!今この場にサンジがいたら例えニコチン味の飴を咥えていようがタバコを吸っている最中だろうが構わずサンジに飛びついて舌を入れてやって深い深いキスをしていただろう。服なんて全部脱いで抱きついて押し倒してやってもいただろう。


なのにサンジだけがいない。


ルフィは全てを諦めてベッドの上に寝っ転がりながらそれでも映像からは目を離さずにいた。

向こうの自分はこの上なく幸せそうでとてつもなく気持ち良さそうだ。味がどうのと言いながらも時折口元から垂れるどちらのものかすらわからない唾液さえ惜しいように舌で拭っているのだから。口と口を合わせる行為に上手い下手があるかなんてルフィは知らないが、それでもサンジのキスは1度だけじゃ止められない中毒性のようなものがあった。苦くて、嫌なはずなのに薄めの舌の進入を許してしまえばしつこい程に口内をなぞられ、舌を絡め取られる。それが、どれ程気持ち良いかなど向こうのルフィが分かっている以上に、つまり過去のルフィよりも多くサンジと身体を重ねてきた今のルフィが一番よく分かっている。


「あ……れ……?」


そんなキスシーンばかりを眺めていただろうか、いつの間にかルフィは僅かに汗をかき始めていた。頭がくらくらする、考えがまとまらない。お腹が空いた気がする。……いや、下半身が疼く。ルフィは訳も分からないまま服を脱ぎ捨てた。向こうのルフィと同じように。向こうのルフィの身体のあちこちを撫でていたサンジの手はもういつの間にか下肢へと伸びていた。


「ここ、に、サンジの……」


サンジはここにはいないからルフィは自分の手をそろそろと下に伸ばしていく。不浄の際か風呂で身体を洗う時にしかそこには触れたことは無かった。今までその必要は感じなかったし、感じた時もすぐ傍にサンジがいたから。でも、今は自分しかいない。どうするのかよく分からないが、ここをどうにかしなければこの飢えは収まらないと本能的にルフィは気がついていた。その自分のことにばかり気が回っていたから、また映像の中の場面が変わったことにルフィが気がつくのが遅れた。


『あっ♡あっ♡んっ♡んぁ♡サンジぃ、サンジんっー!ああああ♡すき、んっ、くっう♡そこ、なんか、なんかクる、んんぁ♡』

『こーらルフィ、ん、教えただろ、そういうのは、……ふっ、きもちいいって言うんだ』

『あっ♡あー!あっ♡あ♡きもちいい♡すきぃ!そこぎゅーってして♡しゅき♡♡さんじぃ!すきぃ♡♡♡やぁっ♡』


肌と肌がぶつかる音、ぐちゅぐちゅと液体が掻き回される音、甲高い嬌声、窘めるような低音がルフィの鼓膜を揺さぶり。


『あー♡んふぁ♡イク♡イクんぅー!んぁっ♡イ……っあー♡やらぁ、イクのやらぁ♡さんじ♡♡さんじ♡♡♡まだだめぇ、』

『んっ……ルフィ、イってもいいぞ、まだ抜かねェから、な、ほら、』

『抜いちゃだめ♡イくからぁ♡んふぁっ♡そこ、しゅき、そこ♡さんじぃ』


画面の二人は艶めかしく絡み合いまるでひとつの生き物のようだった。手を握り、呼吸を分け合うようなキスを何度も何度も繰り返す。体温だって同じになってしまうくらいに熱く、まるでこれが正しい貌であるようにな2人がルフィの網膜を焼く。


正常位でサンジの顔は見えない。向こうのルフィの顔だけが映っている。涙で頬は濡れているけれどあれが寂しさや悲しみからくるものではないことはルフィには分かっていた。向こうのルフィの脚がサンジの腰に絡みつき、ぐいぐいとこちら側に引き寄せる動きを繰り返している。


(ああ……すると……サンジのがすげェ奥に、くる)


奥に、奥に。そこで思い切り押し込まれると腹が膨れ、脳天が痺れるくらいにきもちいい。そうだ、きもちいい。サンジが教えてくれたことだ。

声も姿も同じ自分がいる。耳と目と、同じものを映して聞いているはずだ。それから、ここには無いはずのサンジのタバコの残り香と、サンジの手の感触がある気がする。いや、そうであるはずだ。だっておれはおれなのだから、おれが今サンジに抱かれていない訳がない──

元々催眠だのに弱いルフィの頭は都合の良い妄想と欲求不満も相まって向こうの自分をこちらの自分と思い込み始めていた。はっはっ、と荒い呼吸を繰り返すそれに明らかに色が混じり、触ってもいないはずの肉の果実は下露を垂らしてはその時を待っていた。


「サンジ……♡」


『ルフィ……』


映像の中のサンジが応えてくれた。ならばもう迷うことなどなかった。茹だった頭で人差し指を割れ目に差し入れると、太腿さえ伝うような天然の潤滑油のおかげで痛みもなく飲み込んでいく。記憶の中のサンジの見様見真似で掻き回してやると、いやらしい程に大きな淫音が耳をつく。けれど、まだ足りない。もっと欲しい。指を増やせばいいのか?いや違う──


「……サンジ」


サンジが足りない。映像の向こうの自分は何度も何度も快楽に身悶えているのに。自分もルフィであるはずなのにどうして。

二本目を増やしてみたはいいものの、きもちいいところがどこか分からない。ぐちゅぐちゅと邪魔な蜜だけが指にまとわりつく。中途半端な熱が煩わしくて嫌になって、何度も名前を呼んだ。


「んぅ、サンジ、サンジ、サンジぃ……」

「……お呼びかいプリンセス」


ルフィは顔を上げた。幻聴では無いかと思った。映像の中のサンジではないかとも思った。だけど違った。サンジだ。ルフィのサンジがそこにいた。買い物を途中で切り上げてきたのか少し髪が乱れてはいるが、確かに本物の、ルフィのサンジだった。


「……おれが隠し撮りしてたのと、お前が勝手にロッカー漁って掘り出したのはまぁ……後々話し合うとして、だ」


サンジの指がルフィの陰唇をつぅ、と撫でる。それだけでルフィは身体が歓喜に震えるのを感じた。自分のものとは全く違う、太くてごつごつしていて、少しだけあかぎれがあって、でも誰かの腹を満たすために誰かを幸せにするための指。それが触れる箇所はどこだってルフィの幸せも生む。


「寂しくさせてごめんなルフィ」


サンジがルフィに口付けを落とす。やはり苦い、いつものタバコの味だった。けれど、本当に、それでもうほとんど限界だったからサンジの指が蜜壷の極々浅い、けれどルフィには決して見つけられなかったであろう秘所をぐっと押す、それだけでルフィは決壊した。バチバチと火花が舞って身体が上手く支えられなくなる。


『んあああああっ♡』

『んああっあぁぁぁっ♡♡♡♡♡』


丁度、向こうのルフィも同じように絶頂を迎えたようだった。けれど、勿論まだまだ足りない、余韻に下肢をヒクつかせながらそれでも脚をサンジの腰に絡みつかせてやると、サンジは笑って口付けをしてから映像電伝虫を切った。映像はあとどのくらいの長さか分からないが、少なくとも今から始まる行為はそれより濃く長いものであるはずだとルフィは半ば確信しながら息を整えた。

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