自分×自分 TSボタン 投げっぱなし

自分×自分 TSボタン 投げっぱなし

ウマ娘になれるボタンスレ Part3

「『ウマ娘になれる代わりにあにまん民と強制的にエッチさせられるボタン』?」

 深夜、いつものようにあにまんを見ていた男は奇妙なものを発見した。

「ほーん、ある種の自分CPか。ありかも」

 男は創作の浅い闇を見続けて性癖が発狂した、マゾのような童貞である。

 一般教養としてTSを履修したとか抜かす、思慮の足りない典型的あにまん民である。

「面白そう」

 だからスレに書きこむことを躊躇しなかった。

 そしてある意味後悔することになった。


「よお」


 隣から掛けられる声。

 幼子が大人ぶって低くしたハスキーボイス。


「この時を待ってたんだ」


 蹴脚、破壊、快音。

 安物の机とパソコンが暴力を叩きつけられ、大の男の喉から犬の威嚇のような悲鳴が漏れる。


「我ながら情けない。おい、コッチ見ろ」


 無造作に顎を掴まれ、視界が横すべり。

 家財に暴虐をふるった犯人が目に入る。


「驚け」


 そこにいたのは少女だった。

 超がつくほどの美人で、女でも惚れそうな美貌だ。

 少女はニカッと、愉快げに笑う。

 しかしその頭部には天を衝く耳が生えていた。


「一生を賭けて責任、とって貰うからな」


 少女は話す。

 ウマ娘として生まれたこと。

 駆けることに魅せられたこと。

 他のウマ娘より身体能力が劣ること。

 それでもなお、憧れは止まらないこと。


「それで思い出したんだ。自分とヤれば強くなれるって。気持ち悪いにも程があるが、速くなるためなら仕方ない」


 発想の転換をしよう、と言い放つ。


「お前は速くなるための外付け強化パーツだ。オレが上で、お前が下。お前はオレが駆けるために一生を賭けろ」


 なんという理不尽な物言い。

 強烈に自己完結した傲慢。

 しかし男は黙って首肯する。

 目の前にいるのは確かに美少女であり、その未熟ながら鍛えられた肢体は魅力に溢れている。

 それに何よりも、男にとって彼女は、自分の性癖にあっていたのだ。

 思慮の足りない男からすれば、大体のものを捨ててもいいと思うぐらいには。


「いい子だ」


 少女は年相応に嬉しそうにして頭を撫でてくる。

 それが心地よくて目を細めてしまう。

 だがすぐに気を取り直す。

 自分はこれからこの少女と致してしまうのだ。

 そんなことをしたらもう後戻りできない。


「さあ、来いよ。来たら最後、夢のために使い潰してやる」


もはや、男に選択肢は無かった。

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