自分の人生を生きるという事

自分の人生を生きるという事

浅田千文

 「仕事というのは、自分の能力を世の中に還元する事。」

私が尊敬する青森の自然農をされている農家さんが教えてくれた言葉です。

この言葉を聞いた時、みんながこんな風に働けたら、社会はもっと健全になるだろうなと思い、ワクワクした事を覚えています。

お金にできない事は、仕事とは言えない。

いつの間にかそういった価値観に縛られていた私にとって、これからの生き方のヒントを得た様な気がしました。


 確かに、経済的な安定を一番に考え、上手くいかなかった事は、これまでの人生で何回もありました。

私は小さい頃から、絵を描く事が好きで、学校で美術を専攻していたのですが、卒業後は、家族や自分の経済的な自立、安定の為、気の進まない就職をしました。

その結果、ストレスから体調を悪くし、絵を描く事も、仕事を続ける事も出来なくなってしまいました。

そこから、バイトに行けるぐらいには回復したものの、経済的な目的を一番に考えた仕事をずっと続ける事に、どうしても納得出来ませんでした。

職場の人間関係にも恵まれ、仕事内容も無理なく出来たはずなのに、自分はずっとここに居るべきではない様な気がしたのです。


 そこで、思いきって昨年の12月にバイト生活をやめ、自分が興味を持った生き方をしている人や、コミュニティーを訪ねる旅をする事にしました。

その道中、時間を見つけては、絵を描いていたのですが、何人もの方に、「これだけ描ければ、仕事に出来るよ。」だとか、「もっと世の中に発表するべきだよ。」と評価してもらえたのです。

その中には、本職で、絵やイラストを描いている方もいらっしゃって、本当に嬉しかったですし、少し自信がもてる様になりました。

自分が心からやりたい事を、思いきってしていると、自然と応援してくれる人が出てくるのかも知れない。

そんな事をこの一年で感じる事が出来ました。

今、制作中の絵本の1ページ。
同じく、制作中の絵本の1ページ。




 それでも私には一生食べていける蓄えもないですし、パトロンがついている訳でもありません。

好きな絵を描きながら、生活していけるなんて保証はどこにもないのです。


 だけど、自分の気持ちをないがしろにしたまま生きると、また同じ失敗を繰り返す事になるという事を、これまでの人生で学びました。

なので、不安定でも、自分のしたい事を思いきりできる生き方を、これからも選んでいくつもりです。

今回の、まちこさんの里帰り出産中のお手伝いの話も、私にとっては、とてもありがたく、空いてる時間を使って思いきり絵を描く事ができています。

今は、5月ぐらいの完成を目指して、絵本を制作中です。

制作机の様子。


今回のお話を頂くまで、ギルドハウス十日町には、合計1ヶ月も住んだ事のない私でしたが、それでも信用して、呼んでくださったハルさん、まちこさんのお気持ちがとてもありがたいと思います。

勝手な見方だと思うのですが、お二人は私にとって、心強いパトロンの様な存在なのかもしれません。


 共同生活の場なので、色々と悩む事もありますが、困った事があれば、ハルさんや、住人の方に相談できますし、まちこさんも、新潟市から応援LINEをくださいます。

「自分が好きな事を、時間やお金を気にせず、思いきりしたい。」

そんな人は是非、ギルドハウス十日町に、一度来てみるのがいいと思います。

基本的には、誰が来てもいいお家ですが、日々の生活がある事に感謝し、謙虚な気持ちで過ごせる人なら、問題なく生きていける環境だと思います。

春からは、定住の地を探しに、また旅に出る予定ですが、それまで今を丁寧に、自分軸で生きていこうと思います。




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