聖女たちの棄教

聖女たちの棄教


 マルファ、エリスに続いてイレーヌ姉までもが突然教会から姿を消した。

 どういうわけか一人減るたびに同時に現れる悪魔の強さも数も頻度もどんどん落ちていったから、幸い祓魔業には支障は出ていなかった。むしろ周辺地域の人たちは前よりずっと平穏に暮らせているくらい。それでもスールを失ったボクやステラにとっては耐え難いほどの悲しみだった。マルファが消えた時のエリスの気持ちをボクたちは身をもって知ることになったのだ。

 しかし、その悲しみもまた突然に消え失せることになった。

 しばらくぶりに現れた強力な悪魔の群れ。ステラは別の現場に居て、ボク一人だけでは人々を逃すのが精一杯の危機的状況。

 ボクを救ったのは一条の聖水と一太刀の斬撃。イレーヌ姉とエリスだった。

 でも、その姿はボクが知っているジブリーヌとミカエリスの形態とはかけ離れていた。制服はふしだらに改造されていて、あまり人に晒すべきじゃない部位の肌が悉く丸見えになっていた。辛うじて性器と乳首はガードされていたけれど、到底それくらいで相殺できる露出度じゃ無い。

 そんなはしたない軽装なのに身体から立ち上る霊力は格段に強まっていて、二人は悪魔の群れをまるで寄せ付けずに圧倒していた。

 二人に目を奪われかけたとき、遠くの方で悪魔の大群が一斉に弾け飛んだ。かつて何度も見たマルファの必殺技だ。

 煙の向こうから、マルファと一人の男がゆっくりとこちらに歩いてくる。マルファの制服もイレーヌ姉たちと同じようにいやらしく改造されていて、彼女は隣の男に頭を撫でられて嬉しそうに抱きついた。晒されている肌を男の腕に擦り付けてはうっとりと笑っていた。

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 悪魔を全て祓い終えると街の外れのある一軒家へと連れて行かれ、リビングらしい部屋に通される。

「……夫………?イレーヌ姉の…え、3人の…?」

 愕然とするボクの前でマルファ、エリス、そしてイレーヌ姉は夫と紹介された男に寄り添い、幸せそうに微笑んでいた。

「ごめんなさい、ソフィアさん…でもね」

 イレーヌ姉は経緯を話し始めた。イレーヌ姉が男と出会ったきっかけ。絆されて関係を持つようになった理由。……男と過ごした淫欲の日々。特に最後は聞くに堪えないような卑猥な内容だった。

 動揺を隠せないボクに、イレーヌ姉はいやらしい笑みを浮かべながら言った。

「……せっかくだから目の前で見せてあげますね……♡」

 男にちらと目配せをすると、男はイレーヌ姉を抱き寄せ唇を奪う。そして体を抱いた腕でそのままイレーヌ姉のあの大きなおっぱいを遠慮なく揉みしだく。

「んふっ♡ふぅぅ♡」

 イレーヌ姉は嬉しそうな声を出しながらびくんびくんと体を震わせる。ボクだけが知っている…いや、"いた"はずの、イレーヌ姉が本気で感じてる時の声と反応。表情もどんどん蕩けて締まりのないものに変わっていく。

 悶えるイレーヌ姉の身体からはらはらと衣服が剥ぎ取られていく。その間も男は愛撫する手を少しも休めてはいない。こんなに自然にこなせるようになるまでにどれだけイレーヌ姉の体を貪って来たのだろうか、想像するだけで胸がムカムカするみたいだった。

「んうっ♡♡ん〜っ♡♡♡」

 ちょうどイレーヌ姉が甘イキを晒すのと同時に、ソックスだけを残してイレーヌ姉は産まれたままの姿になった。……いや、産まれたままとは少し違う。乳首には銀色のピアスが空けられていて、絶頂に体を震わせるのに合わせてチリンチリンと小さな音を立てて揺れていた。

 それに、戦闘の時は気が動転していて気づかなかったけれど、おっぱいそのもののサイズも行方不明になる前と比べて一回り以上は大きくなっていた。サイズだけじゃなくて、なんだか妙に張っている気がした。

 180cm弱はある女性としてはかなり長身のイレーヌ姉の体を男は背後から軽々と抱き上げてみせる。そして、勃起しきったペニスを思い切りイレーヌ姉の中に突っ込んだ。

「んほぉぉぉぉぉ♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 イレーヌ姉のこんな声、ボクは聞いたことが無かった。獣が吠えているみたいな、人間のものと咄嗟に認識できるか怪しいような声。

 二人が繋がった部分はぐちゅぐちゅと愛液が泡立つくらいに激しくかき混ぜられている。そこからいやらしい匂いが広がってきて、胸のムカつきと合わさって頭がくらくらし始める。

 男のゴツゴツした手がイレーヌ姉のパンパンに張ったおっぱいの付け根の方をがっちりと掴み、そのまま搾りあげるみたいに前に手を滑らせた。

 その瞬間、イレーヌ姉の乳首はぶるぶると小刻みに震えながら弾けるように母乳を噴き出した。それと同時にピアスも揺れて音を立てる。

「んんっもぉぉぉぉぉぉ♡♡♡♡もぉぉ〜っ♡♡♡♡♡♡雌牛イレーヌイきますぅ♡もぉぉぉぉ♡♡♡♡♡♡」

 急に上げた叫び声は、口振りからするにどうやら牛の鳴き真似だったらしい。

 「こんな下品な芸まで仕込まれているなんて」「もう子供までできたのかな」そんなことが頭をぐるぐると回る。

 視界の端ではマルファとエリスがイレーヌ姉のことを羨ましそうに見つめながら自慰を始めていた。部屋の淫臭は一層濃くなって、そこにイレーヌ姉の母乳の甘ったるい匂いが混ざっていく。そのひどい匂いがボクの目眩をますます酷くした。

 母乳を噴いてから、イレーヌ姉はボクに見せつけるという目的を完全に忘れたかのように男とのセックスに没頭しはじめた。

 男は長身の彼女の体重を少しも感じていないような荒々しいピストンをずっと続けていた。イレーヌ姉は肩越しに乳首を吸われたりクリトリスを乱暴に扱かれたりして、ほとんど絶叫に近いような恥も何もあったもんじゃない喘ぎ声を上げていた。何回も何回も膣内に射精されているのがアソコから垂れ伝ってくる白く濁った雫でわかった。

 ぐぽっ、という音と共にペニスが抜かれてイレーヌ姉の身体がゆっくり下ろされる。

 イレーヌ姉はテーブルにもたれかかりながら息も絶え絶えにボクに言う。

「ソフィアさん……♡貴女もきっと幸せにしてもらえますから……♡ね……?♡」

 この男に体を委ねろと、そう勧めている。

 ボクにとってイレーヌ姉以上に信じられる相手なんてこの世にいない。イレーヌ姉のことを信じないなら、ボクに生きる指針なんて何もない。幼い頃イレーヌ姉に拾ってもらった出会いの日からずっとそうだった。

 …ボクはイレーヌ姉に従うことにした。それは半ば捨て鉢だったのかもしれないけれど。

 ズボンを脱ぎ、下着をズラしてベッドの上に身体を横たえる。男はペニスを拭うと、勃起したままのそれをボクのお腹に乗せてみせた。

 実際に身体に押し当てられてみるとその規格外ぶりがよくわかる。イレーヌ姉のあの長い指よりもっと長くて、根元をボクのあそこの入り口に合わせると亀頭が丸々臍より上に顔を出すくらいのサイズ。太さに至ってはイレーヌ姉のほっそりした指とは比べ物にならないくらいで、敢えて比べるならあの10倍もあるだろう。そして先の方には指にはあるはずもない凶悪な高さと角度の返しがついている。まさに化け物じみたチンポだった。

 こんなものをイレーヌ姉は身体に挿し込まれていたなんてとても信じられない。従うと決めたはずなのに急に怖気付いてしまって、ボクは必死にイヤイヤをする。

「やっ……やだ……やっぱり怖いよ、イレーヌ姉………!」

「大丈夫ですよ、落ち着いて?深呼吸をして力を抜いてください」

 諭すイレーヌ姉の声は失踪前と少しも変わらず優しかった。二人だけで愛し合っていた頃の思い出が蘇ってくる。

 一瞬弛緩したボクの身体を男のモノが一気に貫いた。

「うあああぁぁぁーーっ⁈」

 なんて大きさと硬さ。挿れられただけでボクの腰は持ち上げられてベッドから軽く浮いてしまった。鈍い痛みが広がり、今までに無いほどに身体の奥まで侵入を許しているのを感じる。臍の辺りが内側から押し上げられている感覚がある。

「はぁっ…はぁ………!」

 乱れた呼吸を辛うじて整え、結合部に視線をやる。

 チンポはまだ根元の方の3割ほどがボクの入り口の外にあった。

 ……まさか、ここから更に奥へ?

「あ……あぁ……ムリ、ムリだよ……壊れちゃう、死んじゃうよ……!」

「……アソフィールになって。それなら耐えられるはずです」

「う……うん……。ぐっうぅぅ……!」

 ボクはイレーヌ姉に促されるままに震える手で祈りのポーズを取り、念じる。身体が眩い光に包まれ、アソフィールの制服が生成されていく。

「……え…………?」

 光が収まった瞬間、ボクは自分の目を疑った。制服の胸元はざっくりと切り開かれ、乳首に水着と言っても通るか怪しいほど頼りない帯が申し訳程度にかかっている程度。外套も細かく切り裂かれ縫い合わされ、まるで童話のお姫様の着るドレスのような意匠に作り替えられていた。脱ぎ散らかされていたズボンも鼠蹊部周辺に大きく穴が空いて露出している。さっき見たイレーヌ姉たちの制服のように、ボクの制服まで卑猥で男に媚びるデザインに変わってしまっていた。

「なん……で……」

「貴女が彼を望んでいるということですよ、ソフィアさん♡」

 イレーヌ姉の言葉に反論しようとした瞬間、アソコが強すぎるほどの快感に襲われる。

「ひゃあぁぁぁっ♡♡♡」

 ずぶりずぶりと低い水音を立てながらペニスが奥へ奥へと侵入してきている。その証拠に、お腹に浮かび上がった姿も段々と上の方へと進んでいっている。霊力で強化していなければ内臓がめちゃくちゃになっていても不思議では無いほど激しい侵略だった。

 その霊力の作用で感覚までも鋭くなったせいで、今ボクの胎の中で何がどうなっているのか分かってしまう。

 ペニスに襞がこぞって吸い付いては激しいピストンの度に引き剥がされたり、カリでごりごりと引っ掻かれたり。同時に愛液がかき混ぜられたり掻き出されたり。そして、これまでイレーヌ姉の指が微かに触れたことしかない一番奥の子宮を、男の剛直は少しの遠慮なく突き回して蹂躙している。その動きの一つ一つがとてつもない快感をボクにもたらしてくる。

「はーーーっ♡♡♡♡♡♡ぐうぅぅぅっ♡♡♡♡♡♡♡」

 霊力で強化されているとはいえボクの小さな身体ではあの化け物じみた巨根を受け入れるのが精一杯で、とてもイレーヌ姉のように気の利いた媚びの売り方をしている余裕はない。歯を食いしばって快感に耐える口から漏れるのは掠れた呻き声ばかりだった。

 しかしそれが却って男の興をそそらせたのか、男の腰遣いはますます激しくなっていった。それを受けている間にボクの声はすっかり掠れてしまった。

「かはっ♡がっ………♡♡♡♡♡ゔぁ………♡」

 そんな姿を見かねてか、イレーヌ姉がさっき男が咥えていたのと逆の乳首をボクの口元に差し出してくれた。ボクは引き寄せられるようにむしゃぶりついて吸う。イレーヌ姉は気持ちよさそうに顔を歪める。

「ふおぉぉぉ……♡♡♡♡ああっ、ソフィアさん…♡♡」 

「んくっ♡んむっ♡」

 口の中に広がる母乳の味はとても甘くて濃厚だった。雌牛だなんて言わされていたのはあながち間違いじゃなかったのかも、なんて失礼なことをつい考えてしまうくらい。気づけば男の方ももう片方のおっぱいを鷲掴みにして吸い始めている。イレーヌ姉は両乳首吸いを受けてアヘアヘと舌を垂らして恍惚としていた。

 一口飲み干すたびに身体に力が漲って、その分アソコも敏感になってしまっている気がする。ぎゅうぎゅうと締めつけが強くなっていき、膣内のペニスはもう限界と言わんばかりにびくびくと脈を打ち始める。

 そして、抉り込むように子宮口にペニスの先端がぐりぐりと押し付けられ、一気に弾けた。

「ぅあっ……………♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 子宮の内部に直に種を叩き込むような凄まじい射精だった。体の外側からも精液の飛び出す音が聞こえて来るような錯覚をするほど。あまりの射精量に出してすぐにもかかわらず隙間から溢れ始めてしまっていた。

 男は腰を使ってペニスでボクの体を浮かせ、そのまま抱き寄せるとキスをした。イレーヌ姉から話を聞いていたのか、ボクの弱いところを知り尽くしたかのような情熱的なキスだった。

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こうしてボクも旦那サマの虜になった。新しい家族での暮らしは(セックス漬けっていう異常さを除けば)暖かく平和で、今みたいに荒廃する前の世界もきっとこんな風だったのかな、なんて思う。イレーヌ姉に拾われる前の幼いボクが心の奥で望んでいたのはきっとこんな暮らしだったんだろう、とも。

 こんなに幸せだと教会に一人残ってしまったステラのことが不憫になっちゃう。エリスたちも旦那サマも気を揉んでるみたい……。早く仲間に入れてあげたいな。

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