『群青の双剣』

『群青の双剣』

Part16 - 88

アンジェラ「次はこの男ね。綺麗な剣を二振りも持ってるわ」

ローラン「こいつかぁ……」

アンジェラ「どうしたの、ローラン?」

ローラン「いや、昔……コイツが特色じゃなかった頃に一度だけ一緒に仕事をしたことがあったんだよ」

アンジェラ「そう。結果はどうだったの」

ローラン「予定外、予想外、想定外のオンパレード。二度と一緒に仕事はしないと誓った」

アンジェラ「どういうことかしら?」

ローラン「正直俺もよくわからない。『群青の双剣』、本名ディルムッド。見ての通り戦闘系フィクサーだ。そして凄まじいまでの不幸体質の持ち主でもある」

アンジェラ「…………?」

ローラン「理屈はわからないけどとにかく不運なんだ。ああ、やることなすこと上手く行かないとかそういうのじゃない。単純に化け物やトラブルが面白いくらいにアイツに寄っていくんだ。聞いた限り一日に一回は必ず何かしら起こるとか」

アンジェラ「人生には退屈しなさそうね」

ローラン「……まあ、なんだかんだで乗り切っている辺りフィクサーとしての実力は本物だ。特色としての経歴はまだ短いが、正面戦闘なら都市の星級の相手でも十分対応できる。何よりあの青い双剣は……うーん」

アンジェラ「貴方の表情を見る限りどうやら何かろくでもないもののようね」

ローラン「又聞き情報だけど……あの双剣は外郭から回収された厄物らしいんだ。所持者の身体を侵食して強化するけど、代償として理性もぶっ飛ぶとか」

アンジェラ「……なんでそんなものを持ってるのかしら」

ローラン「アイツのことだ。捨てても手元に戻ってくるから諦めたんだろ」

アンジェラ「そう……」

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